すすきの『white』巫月ナギサが語る、ホストとしての更新と覚悟【独占取材】

公開日:2025/06/16
札幌・すすきのの街で、落ち着いた笑顔と穏やかな口調が印象的だった巫月ナギサ(みづきなぎさ)さん。
気取らない語り口からも伝わる、人を惹きつける芯の強さと、にじみ出る優しさがとても印象的でした。
多くの経験を積んだ彼だからこそ語れる言葉の重みと、仲間を思う温かな視点。
そんな彼が再びホストの世界に戻り、『white』という舞台で挑戦を続ける理由とは?
トピック
“また戻りたい”と思えた場所──ホスト再挑戦のきっかけ

ナギサさん、ホストとしてのキャリアって、かなり独特な歩みをされてますよね。
巫月ナギサ(みづきなぎさ):そうですね。最初にホストをやってたのは21〜23歳の2年間で、そのあと一回業界を離れて、戻ってきたのが5年後。今また2年くらいになるんで、トータルだと4年くらいですね。
5年間のブランク期間は別のお仕事を?
巫月ナギサ:バーとか、ガールズバーの経営ですね。店舗を回す立場でやってました。女の子の求人出したり、現場のトラブル見たり、営業まわりの管理もしてました。
ホストから“経営側”にまわるって、全然別の景色が見えそうですね。
巫月ナギサ:めっちゃ見えますよ。ここで「自分だけ」じゃなくて「どうやったらこの子が輝けるか」「お店が変わるか」の視点に切り替わったのが、今に生きていると思います。
それでもまた、現役ホストに戻ろうと思ったのは?
巫月ナギサ:当時のお店をコロナの影響で閉めることになって、もう一度現場に戻るタイミングを考えてたときに昔一緒に働いてた仲間たちが、今の『white』で中心的存在になってて。「戻ってきても良いですか』と僕からお願いをしました。
昔からの縁……!感動的ですね。
巫月ナギサ:そうなんですよ!20代前半の頃にお世話になってた人たちが、今はホストクラブの運営陣になってて。その人たちがあたたかく迎えてくれたのはありがたかったですね。
最初から『white』に入るつもりだったんですか?
巫月ナギサ:そのつもりで体入に行きましたが、「あ!ここならやっていけるな」ってすぐに思ったんです。5年ぶりだったんで、正直ちょっと不安もあったんですけど……雰囲気があたたかかったし、昔を思い出せていいなと!
“安心して戻れる場所”って、そうそうないですよね。
巫月ナギサ:ですね。本当に、ちゃんと受け入れてくれる場所があったことがありがたかったです。変わる時代、変わる客層。それでも変わらない“向き合う気持ち”

久しぶりにホスト業界に戻って、何か「変わったな」と感じたことってありましたか?
巫月ナギサ:お客様のタイプですね。今は“自分が楽しみに来てる”って子がすごく増えた印象があります。ホスト側としても、求められることが変わってきそうですね。
巫月ナギサ:うん、でもそこにちゃんと順応しないと。“昔はこうだった”だけじゃ通用しない。だから僕は、“今この子が楽しんでくれてるか”に全振りしてます。「全振り」。いいですね。
巫月ナギサ:僕が大事にしてるのは、“今日もこの子、笑顔にできたかな”っていうところなんです。お金をもらって接客してる以上、ちゃんと価値を返したいし、楽しくなかったら意味がないと思うんで。その一言、すごくグッときます。
巫月ナギサ:ホストクラブって、そもそも“娯楽”だと思うんですよ。だったら、お客様が笑顔になってなきゃダメでしょって。自分にとってもそれが一番楽しい瞬間なんですよ。“今日もちゃんと笑わせられたな”って思えると、“あ、俺この仕事好きだな”って毎回思えます。
そのうえで女の子とお互いが成長できる関係性を築けるといいですね。
僕にとっての“ホスト”──商品価値を更新し続ける仕事

先ほど「笑顔にできたかどうかが大事」とおっしゃってましたが、それってある意味“自分をどう見せるか”とも繋がってきますよね。
巫月ナギサ:まさにそうです。“自分という商品”をどう磨き続けられるか──それがホストの本質だと思ってます。その考え方、めちゃくちゃプロフェッショナルですね。
巫月ナギサ:いやいや(笑)でも、僕自身が“楽しませてもらう場所”にはお金を払いたいと思うタイプなんですよ。だったら、“楽しませられる人間”じゃなきゃダメだなって。
そのために意識していることってありますか?
巫月ナギサ:やっぱり、“100点のナギサ”を出すこと、ですかね。せっかく時間とお金を使って来てくれてるのに、60点の自分を出すのって失礼じゃないですか。100点のナギサ……その言葉、いいですね。
巫月ナギサ:完璧って意味じゃなくて、その日の自分のベストを出すってことなんです。“ちゃんと向き合いたい”っていうのも、そこに繋がってます。だから僕も外見はもちろんアップデートを続けるんです。“商品価値”って、自分で高めるしかないですから……!
育てる難しさを知ったからこそ、今の自分がある

以前は経営側にまわっていたとお話されてましたよね。やっぱり“人を育てる側”って大変でしたか?
巫月ナギサ:めちゃくちゃ大変でした(笑)現役としてやってたときは、“自分がよければOK”だったんです。でも経営側にまわると、“この子をどう育てるか”って視点になるんですよね。
それってまったく別の思考回路になりますよね。
巫月ナギサ:ほんとそうです。“どう伝えれば響くか”とか、“この子に合うやり方って何だろう”とか。自分の正解を押しつけるだけじゃダメなんですよね。それってまったく別の思考回路になりますよね。
巫月ナギサ:めちゃくちゃ活きてます。『white』って教育担当が一人決まってるわけじゃなくて、悩みがあったらそれぞれに相談できる環境なんです。“俺はこう思うけど、あの人は違うかもよ”って、複数の視点が持てる。すごく柔軟な教育スタイルですね。
巫月ナギサ:うん、だから自分に合う考え方を選べるし、相談しやすい空気がある。プライベートな悩みも含めて、上の人たちがちゃんと耳を傾けてくれる環境です。みんなで成長できる環境っていうと分かりやすいな。
上は10年選手なので、かなり良いサポートを受けられると思います!それにヘルプがうまいから学ぶこともたくさんあります!
ナギサさん自身も、後輩からアドバイスを求められることってありますか?
巫月ナギサ:ありますね。営業のこととか、LINEのやり取りの仕方とか、会計のことまでいろいろ。でも、絶対に“隠さず教える”って決めてます。それは“育てる側の苦労”を知ってるからこそですね。
巫月ナギサ:今僕も現役でホストをやっているからこそ、下の子たちにしっかり教えてバチバチやれたほうが楽しいですからね!記録を塗り替える。その先の“カッコよさ”へ

ホストに戻ってきてから、毎日どんなふうに感じながら働いてますか?
巫月ナギサ:正直、自分が想像してた30歳より、ずっと刺激的な毎日を送れてます!小さい頃は、“会社員やってんのかな”って思ってたけど、全然違う景色にいますね。
“刺激的な毎日”って、どういうところにそれを感じますか?
巫月ナギサ:毎日が違うんですよ、ほんとに。同じ子が来てくれても、話す内容も雰囲気も変わるし。“昨日と全く同じ”って日が一日もない。あと、まぁ……お酒もあるし(笑)
(笑)それも含めて楽しんでるんですね。
巫月ナギサ:楽しんでますね。もちろん大変なこともあるけど、“今日はどんな一日になるかな”っていうワクワクは今でもあります。そんなナギサさんの夢って何ですか?
巫月ナギサ:“目の前のお客様”を大事にしてきたけど、その延長線上も、そろそろしっかり追いかけていきたいんです。目立ちたいとかじゃなくて、“ちゃんとカッコいい背中”を見せられるようにって感じです!それで「自分もやってみようかな」と思ってくれたら嬉しいですね。
ホストに興味はあるけど、まだ一歩を踏み出せてない人に、最後に何か伝えるとしたら?
巫月ナギサ:“気になってる時点で、もう始まってる”ってことですかね(笑)誰でも最初は未経験!1日悩んでいたら会うべきお客様に出会えない可能性もあるから、まずは一歩!動いてみたら想像以上に刺激的な世界が待っていると思います!
※本記事は、2025年6月16日時点での取材内容をもとに構成しています。今後の制度やルールの変更により、一部内容が掲載当時と異なる可能性があります。