すすきの『H.R.S』万次朗が貫いてきた、相手軸で応えるホストのかたち【独占取材】
もともとホストに強い興味があったわけではありませんが、お店や周囲の人との関わりの中で、ここまで続けてこられたといいます。
相手や自分自身との向き合い方を考えながら働いてきた日々は、今の万次朗さんのホストとしての在り方につながっているとのこと。
仕事を通して見えてきた価値観や、今大切にしている想いを語っていただきました。
トピック
ホストに興味がなかった自分がH.R.Sに残った理由
万次朗さんがホストを始めたきっかけを教えてください。
万次朗:先輩に声をかけてもらったのがホストを始めたきっかけです。せっかく誘ってもらったので「先輩の顔を立てなきゃ」っていう気持ちで体入に行きましたね。
その時点ではホストに興味がなかったので、1〜2ヶ月くらい続けたら辞めようかなと考えていたんです。
それくらい軽い気持ちでホストを始めました。
では体入に行ったのはH.R.Sだけなのでしょうか?
万次朗:H.R.Sに決める前に2店舗ほど体入に行きましたね。ですが、H.R.S以外の2店舗はなんとなくしっくり来なくて……。
体入しながら「自分はホストに向いていないんだろうな」って思いながら働いていました。
当時は、ホストさんに対してあまり良いイメージを持っていなかったのもあるかもしれません。
でもH.R.Sは違ったんです。
そうだったんですね。H.R.Sの雰囲気が違うと感じたのはどういうところでしょうか?
万次朗:H.R.Sは今でもそうなんですが、僕が入店した当初からフレンドリーでキャスト同士の距離感が近いんです。もちろん上下関係はあったんですが、同じ年齢層の人も多かったので、仕事仲間っていうより友達のようなイメージ。
体入に行った中ではH.R.Sが頭一つ抜けて楽しかったので「ちょっとだけホストやってみようかな」と思って入店を決めました。
あとはお店のまとめ役をしている賢治さんの存在も大きかったですね。
お店の雰囲気や賢治さんの存在がホストを頑張る理由になったんですね!
万次朗:そうなんです。賢治さんは良い意味でホストっぽさのない方なんです。話をしていて勉強になるし上司としても頼れる。それでいて人情に厚くて面白いんです。
賢治さんは親しみやすさと頼もしさがお店の雰囲気にも表れてて、「この人が作るホストクラブで働きたい」と思えたからH.R.Sに入店を決めました。
向いていないと思っていた自分が、続けられた理由
良い意味でホストクラブっぽくないところに惹かれたのでしょうか?
万次朗:そうですね。正直今でも自分がホスト向きかと言われても、「そうじゃない」と答えます。
当時からルックスに自信があったわけでもないですし、トークがずば抜けて得意なわけでもありません。
全然向いてないなって思いながらやってきて、気づいたら4年以上続けていますね。
ホストを辞めずに続けてこれたのは、どんな理由があったんでしょうか?
万次朗:自分を選んでくれるお客様がいると、簡単に辞めるっていう選択はできなくなりました。お客様の期待に応えたいですし、ホストらしくない自分がどこまでやれるか。
そういう力試しがしたかったっていうのもあります。
ホストを続ける中で迷う気持ちはありましたか?
万次朗:そうですね。ずっと前向きだったわけではないです。何回か「もう辞めようかな」って思ったこともありました。
そのときは、誰かに相談されたんですか?
万次朗:お店をまとめてくれている賢治さんには、何度か相談していました。相談したときも引き止められる感じではなかったですね。
どういう対応をしてくれたんでしょうか?
万次朗:「辞めるな」って一方的に言われる感じじゃなかったです。ちゃんと自分の話を聞いてくれたうえで、「ここまでちゃんと面倒見るから」と言っていただけたんですよね。
どうしたいかを一緒に考えてくれる姿勢が、すごく心の支えになりました。
お店の中で、他にも支えになっている存在はいますか?
万次朗:親友の楓と同じお店で働けているのも、ホストを続けてる要因としてかなり大きいです。仕事の話もしますし、それ以外のことも普通に話せるので。
そういう人たちがお店の中にいるので、人情があるお店だなと思っています。
孤独感は全然なくて、一人で抱え込まなくていい場所ですね。
ここまで形にできたのは派手さではなく生活姿勢だった
支えてくれる人がいる環境の中、日々の働き方で大事にしていることはありますか?
万次朗:ありますね。もちろんホストである以上、個人でどれだけ頑張れるかは大事なんですが、僕はあまりそこを意識してないんです。
自分もお客様も、楽しく一日を終えられるようにしたい。
それを毎日積み重ねていった結果、お客様から「今月もすごく楽しかったよ」と言ってもらえることが一番嬉しいですね。
万次朗さんが働く中で、特に意識していることは何でしょうか?
万次朗:レスポンスの早さと早起きです。意識するようになったのは、お客様から「私は朝から頑張っているのに……」という話を聞いたから。
僕は早い段階で「ルックスの良さで勝負するタイプじゃない」と割り切っていたので、生活の部分はきちんとやろうと思ったんです。
早起きは、もともと得意だったんですか?
万次朗:全然得意じゃなかったです。むしろ苦手なほうでした。早起きやレスポンスを意識する前は、14時とか15時に起きてもだらだらしてしまうことも多々……笑)
今では朝の7時から9時までの間に、一度は起きられるようになっていますね。
苦手だったことを、どうやってできるようにしたのでしょうか?
万次朗:「早起きしよう」と、意識を変えただけです。派手なことは何もしていないですし、特別な才能があったわけでもないと思っています。
ただ自分にできることをちゃんとやり続けたことで、いつの間にか自分の強みになっていたんです。
だから、ホストはどんなタイプの人でも、工夫と姿勢次第で形にできる仕事だと思いますね。
ホストっぽくならず、相手軸で応え続けるという選択
万次朗さんにとって理想のホスト像はあるのでしょうか?
万次朗:「ホストっぽくないけど、お店では尊敬されるようなホスト」が理想像ですね。ブランドで着飾ったキラキラしているホストには、あまり憧れてなくて……。
むしろ「普通の人に見えるのに、実はすごい人だった」みたいなほうが、かっこいいと思ってます。
なので、あとからホストだと知ってもらえるくらいのほうが、個人的には嬉しいですね。
そう思うようになったきっかけはあったんでしょうか?
万次朗:実は僕、ホストを始める前にクラブで遊んでいたんですが、その時にあるホストさんの振る舞いで違和感をおぼえたことがあって……。その時の良くない印象から、外見や雰囲気だけじゃなくて、中身をちゃんと見てくれる人を大切にしたいと思うようになったんです。
「中身で選ばれたい」というのは、どういうことでしょうか?
万次朗:見た目や雰囲気じゃなくて、「お店で過ごした時間を楽しめたか」で選んでもらいたいです。短い時間でも、「来てよかったな」と楽しんでもらえるように意識しています。
お客様を楽しませるために、意識していることはなんですか?
万次朗:ずっと同じ空気にならないように気を付けています。みんなでいる場ではしっかり盛り上げますし、接客する人が僕だけになったら盛り上がりを抑えるようにしたりとか。
初回のお客様には、楽しんでいただけるようにトークを頑張るという感じですね。
楽しませるトークはどのように磨いていったのでしょうか?
万次朗:「どうしたらお客様が暇にしないようにできるかな」と考えていたら、トークが磨かれていった感じです。先ほどもお話ししたように、僕は飛びぬけて喋りが上手だというわけではなかったんです。だから同業で他のお店のホストさんや経営陣の方と話をして学びました。
話を聞いていると、「なんでこの人の話は面白いんだろう」と思うことがあって。
いろんな人の会話を参考に、その方たちのような話術と振る舞いを意識して接客するようになったからこそ、卓を回す力が少しずつ身に付いていきました。
「お客様を暇にさせない」というのは、感覚に頼るものじゃなくて、意識を向けたからできるようになったんだと思います。
万次朗が叶えたいホストとしての未来
お客様に向き合う姿勢は、H.R.Sで働く中で身についてきたものですか?
万次朗:そうですね。先ほども話したように賢治さんが僕に向き合ってくれていましたし、お店全体としてもそういう雰囲気はあると思っています。
同じ考え方の人が多く、キャスト同士の距離も近いので自然と仲良くなりますね。
お店の雰囲気についてもう少し教えてください。
万次朗:個人的には、家みたいに居心地がいい場所。居やすいですし、早く帰りたいって思うこともあまりないです。
相談もしやすい環境で先輩たちも、親身になって話を聞こうとしてくれます。
困っていたらご飯に誘ってくれたり、声をかけてくれたり。
なんか不安なことがないか聞き出そうとする先輩が多いですね(笑)
万次朗さんご自身も、後輩に声をかけることはありますか?
万次朗:あります。後輩とご飯に行ったり、サウナに行ったりですかね。
仕事の話だけじゃなくて、普通の会話をすることも多いです。
自分がこのお店で受けてきた優しさを後輩にしてあげたいなって思ってます。
新人さんへの向き合い方で、大切にしていることは何ですか?
万次朗:たとえば一人で席に出さないことですね。必ず先輩が一緒につきます。新人研修も内勤さんが担当することもあれば、先輩が一人ずつ教えることもあります。
それぞれ接客で意識しているポイントが違うので、いろんな意見を聞けます。
「これは自分に合いそう」「これはちょっと苦手かも」と、自分で選べると思います。
分からないことを放置されることはないので、安心してほしいです。
最後に、これからホストに興味を持っている方へ一言お願いします!
万次朗:正直、活躍できるかどうかは分からないです。でも、楽しませることはできると思っています。
H.R.Sで体入してくれたら、「来てよかったな」と思ってもらえるようにしたいです。
本入店の後も一人前になるまで、しっかり面倒も見ます。
それは僕だけじゃなくて、お店にいるみんなも同じ気持ちだと思います。
最初から自信がなくても、大丈夫ですよ。
本日はお忙しい中、ありがとうございました!
万次朗:こちらこそありがとうございました!※本記事は、2026年1月13日時点での取材内容をもとに構成しています。今後の制度やルールの変更により、一部内容が掲載当時と異なる可能性があります。