まず人であれ。金沢『alpha KANAZAWA by ACQUA』一ノ瀬愛嵐が育む、当たり前を徹底するホスト論【独占取材】
愛嵐さんは夢を掲げて歌舞伎町でホストの経験を積んだ後、金沢で「alpha KANAZAWA by ACQUA」(以下、alpha KANAZAWA)を立ち上げました。
注目すべきは、特別なテクニックではなく「まず人であれ」という姿勢。当たり前のことを徹底することが、ホストとしての信頼につながると語ります。
地方だからこそ見えたホストの可能性と「真面目さで差がつく」という考え方、そして業界のイメージを変えたいという想いについて、詳しく伺いました。
トピック
歌舞伎町から金沢へ挑戦を決めた理由
ホストを始めたきっかけはなんですか?
一ノ瀬愛嵐:ホストを始めたきっかけは、自分の頑張り次第で収入が変わる世界で挑戦してみたいと思ったからです。当時は昼職をしていたんですが、順調にキャリアアップしても理想の年収には届かなくて……。上限が見えてしまったんですよね。
もともとお金を稼ぐことには人一倍興味が強かったので、そこからホストに興味が湧いたんです。
実際にホストを始めたとき、どんなことを考えていましたか?
一ノ瀬愛嵐:ホストを始めたときにキャリアの目標を決めたんです。25歳までにお店をまとめる立場になって、30歳までに1店舗の責任者になる。
ホストを始めた当時は20歳になる直前のタイミングだったので、周りに流されるのではなく、自分の中で基準を決めて5年ごとのプランとして考えていました。
なぜ年齢ごとの目標を立てたのでしょうか?
一ノ瀬愛嵐:逆算思考といって決めた目標を達成するために、今何が必要かを考える方法があるんです。たとえば30歳までに1店舗の責任者が目標なら、25歳までにはお店をまとめられる男にならないと間に合わない。
そのためにはまずお店で成長しないといけない、という考え方ですね。
特に僕が最初に入ったお店は、かなりレベルの高いお店だと思ったので、すごく成長できたと思っています。
当時意識していたことはありますか?
一ノ瀬愛嵐:夜職を選んだ以上、昼職の稼ぎは超えたいという思いは強かったです。仲間たちの熱量も高くて、切磋琢磨しながら自分を高められる環境だったのもよかったかなと。
特に新人の子たちをまとめる立場になったときは、目標に向かって進んでいる感覚があって、成長を実感しました。
それからしばらくして、次のステップに進むタイミングで出店の機会があり、金沢に出店することになったんです。
なぜ金沢を選んだのか教えていただけますか?
一ノ瀬愛嵐:どこに出店するかを決める際は、いろんな空き店舗の下見に行くんです。それで、ちょうど金沢のお店が空くということで、下見に行ったら一目惚れしました(笑)
ホスト業界から見た市場価値としても十分だったし、圧倒的な存在のお店も目立っておらず「自分のお店の存在感をだせるかも」と思い、金沢でやっていこうと決断しました。
条件が揃っていたエリアが金沢だったんですね。
一ノ瀬愛嵐:金沢でお店を構えるホストクラブも、知名度にそこまで大きな差はないように感じていました。だからこそ金沢で存在感のあるお店を作れたら面白いなと。
地方での出店は仮に失敗してもリスクは少ないし、自分にとっても大きな勉強になると思っていましたね。
もちろん失敗させる気はなかったので、どうやって盛り上げていくかを考えていました。
地方ホストは真面目さで差がつくと確信
歌舞伎町と地方では、どんな違いを感じましたか?
一ノ瀬愛嵐:やっぱりお客様の母数は違いますね。歌舞伎町に比べると、地方はホストクラブの数もお客様の数も少なめです。
その環境は、少なからずホストの質にも影響していると思います。
なぜお客様とお店の少なさが、ホストの質に影響するのでしょうか?
一ノ瀬愛嵐:地方だと、特別に意識して接客を磨こうと思わなくても、良い接客と比較できないお客様がつくこともあります。なので、ホストという仕事を真面目に考えていない人も一定数いる環境ではあると思います。
ただ、その環境だからこそ、ちゃんとやっている人は自然と目立つんです。
仕事への真面目さが、お客様の評判につながると。
一ノ瀬愛嵐:そう思います。それはお客様だけじゃなくて、地域全体のイメージにも関わってくると思うんです。
ホストはどうしても良くないイメージを持たれがちですが、それは不誠実なホストが目立ってしまうからだと思っています。
実際、僕がバーで話していると「ホストのイメージが変わった」と言われたこともありました。
だからこそ、ホストの中にもちゃんとしている人間がいるんだということは、ちゃんと伝えていきたいですね。
歌舞伎町は、そういう意味でちゃんとしている人が多かった印象ですか?
一ノ瀬愛嵐:そうですね。歌舞伎町はホスト業界でもトップレベルのエリアなので、当たり前のことを当たり前にできる人ばかりなんです。
その中で結果を出すには、さらに自分のことを知ってもらう努力もしないと埋もれてしまいます。
地方も同じように、お客様の母数が少ないぶん、そもそもお店に来るきっかけを作ることも大事になってきます。
だからSNSなどを通して、自分を知ってもらうことはすごく大切ですね。
特別なことをするよりも当たり前のことを徹底するだけで、ホストとしての印象アップにつながります。
まず人であれ。当たり前を徹底する理由
当たり前の徹底は、alpha KANAZAWAで教えているのでしょうか?
一ノ瀬愛嵐:そうですね。僕は「まず人であれ」ということを伝えています。人としておかしいことは、前提として全部ダメ。
たとえば、約束した待ち合わせの時間に遅れないとか。5時って決めたなら5時に来る。
人としての基礎がしっかりしている人ほど、ホストとしても信頼されると思っています。
ホストである前に「人」なんですね。
一ノ瀬愛嵐:そうなんです。ホストを始めるときに「楽しそうだからやってみよう」という人も多いと思います。
でもそれは社会不適合者として、好き勝手やっていい理由になりません。
ホストの仕事を自分のキャリアとして、真剣に向き合ってほしいと考えているんです。
だからこそ勤怠や挨拶みたいな、人としての当たり前を徹底するように教えています。
そこまで人であることにこだわる理由はありますか?
一ノ瀬愛嵐:ホスト業界のイメージを整えたいという気持ちがあるんです。地方に行ってバーで飲むと、「ホスト来たんでしょ?」と冷たい目を向けられる経験もありました。
でも、僕が話すと「イメージ変わった」って言われることも。
ちゃんとしてる人もたくさんいることを、もっと伝えていきたいんです。
そういった考え方は、実際のお店作りや接客にもつながっているのでしょうか?
一ノ瀬愛嵐:お客様がホストをエンターテインメントとして楽しめるようなお店づくりを心がけています。ズルい方法じゃなくて、真剣な気持ちで楽しさに向き合うような。
そのため、顧客を大事にして笑顔で帰っていただけているかをすごく意識しています。
「お客様に楽しんでもらう」という考え方は、どんなところから来ているんですか?
一ノ瀬愛嵐:僕自身が楽しい場所が好きなんです。お酒を飲むのも好きですし、人が集まって楽しめる空間が好き。
もちろんビジネスなのでお金も大事です。
ですが、お店に来てくれたお客様が「楽しかったな」と感じる体験には、お金以上の価値がある。
そういう価値を作ることが、ホストの仕事だと思っています。
そして頑張ったら、ちゃんと社会に認められる形にしていきたいですね。
昔に比べて、ホスト業界へのイメージも変わってきてはいますが……。
一ノ瀬愛嵐:そうですね。でもまだホストという職業は、履歴書に書ける仕事ではないと思っています。
つまり、ホストをしている期間の職歴は空白になってしまうんです。
僕自身はこれからもホストに関わっていくので、そういう業界全体のイメージはすごく大切だと考えています。
だからこそホストのイメージを変えて、仕事として誇れるようにしていきたいですね。
金沢から描く一ノ瀬愛嵐の未来設計
これからの目標を教えてください。
一ノ瀬愛嵐:先ほども話した通り、近い目標としては、三十歳までに社長になることです。そして最終的には、ビジネスで年収を大台に乗せたいと考えています。
僕はお金をベースに考えると、達成に向けて動きやすいので、年収ベースで夢を決めています。
ですが、お金を稼ぐのが目的ではありません。お金は自分がやりたいことを実現するための手段だと思っています。
alpha KANAZAWAも立ち上げることがゴールではなく、これからどうするかを考えるのが大切だと考えています。
alpha KANAZAWAを、どんなお店にしていきたいですか?
一ノ瀬愛嵐:今の時代は、ボトムアップ、つまりメンバー主体で動けるお店のほうがいいのかなと感じています。自分であれこれ言うんじゃなくて、メンバーの意見や挑戦もどんどん取り入れていきたいですね。
もし外れたら修正すればいいくらいの柔軟さで、お店を見守るのが自分に合っていると思っています。
今のお店に集まるキャストさんについて教えてください!
一ノ瀬愛嵐:すごく面白いメンバーが集まっていると思います。それぞれの個性が強いので、ピースがうまくハマればすごくいいチームになるんじゃないかなって。
将来性を感じるメンバーばかりですね。
お店の方向性については、どのように考えていますか?
一ノ瀬愛嵐:実は「こういう店にする」って決めていないんです。お店の特色は、お店にいる人で決まると思っています。
なので今いるメンバーやこれから入ってくる人たちで、いろんな魅力のあるお店にしていきたいですね。
最後に、体入を考えている方に向けてメッセージをください。
一ノ瀬愛嵐:ホストって、ニュースなどの影響で少し怖いイメージを持たれることも多いと思います。でも実際は、仕事として前向きに向き合っている人が多い仕事です。
社会人としての経験も積めますし、自分のビジネスマンとしてのスキルとして磨くこともできます。
イメージだけで足踏みしてしまうのはもったいないので、まずは一歩踏み出してみてほしいですね。
※本記事は、2026年3月25日時点での取材内容をもとに構成しています。今後の制度やルールの変更により、一部内容が掲載当時と異なる可能性があります。