統括として、どんな方針で従業員を育てていますか?
黒咲龍愛:僕はもう30代で、お店では一番年上なんですが、若い子たちに「こうすればよかった」と思う経験をさせたくないんです。
「戻れるならこうしたい」というみたいな思いもたくさんあります。
みんな目的は違っても、最終的には
「稼ぎたい」という思いは共通しているはずなので、そのための道を示すのが自分の役割だと思っています。
なかなか全員が売れるというのは難しいかもしれませんが、できるだけ売れて、みんながハッピーで。
この仕事を上がる時に「やってよかったな」って思ってもらいたい気持ちで従業員とは触れ合っています。
それから
振り返った時に「俺かっこよかったな」って思ってもらえるようにすることですね。これは僕の勝手な思いでもあるんですが……
従業員さんへの愛情がすごい!
黒咲龍愛:
ZEROグループって、上の人たちがちゃんと見てくれているんですよ。会長も含めそういう人たちの姿を見て「かっこいいな」と思えたので、今僕も同じように従業員と触れ合っています。
あと実は僕、もともと人に興味があるタイプではなかったんです。自分のことばっかりという人間だったんですが、楽しくなかったし幸せじゃなかったんですよね。
でもホストを始めてから人から「ありがとう」って言われたことが嬉しかったんです。
高額を卸してくれて自分に価値をつけてくれたからこちらがありがとうなのに、逆にお礼を言われたり……
後輩が売れて稼いだ時に「こんなに稼げるようになりました!ありがとうございます」って言われたり……「ありがとう」という言葉に喜びを感じたし、幸せだと思ったんです。
何か
行動してよかった、と思えたのも従業員たちへの愛情につながっていると思います。
ホストの仕事を続ける中で、人との関わり方に変化があったんですね。
黒咲龍愛:そうかもしれませんね。
昼職だとなかなか感じられなかったことですが、
ホストって他の仕事よりも心の距離感が近いんです。もちろん、良いところも悪いところもあります。
でも、それをひっくるめて
「自分の器を大きくできるか」が大事なんですよね。
「器を大きくする」というのは、どういう意味でしょう?
黒咲龍愛:例えば、人と接していると「こいつ……」って思う瞬間ってあるじゃないですか(笑)
でも、
器の大きい人は「いや、でもこの人にはこんな良いところもあるよな」って見られるんですよ。
僕も実際、人との関わりの中で「自分の器が足りないから、こういう見方しかできていなかったんだな」って気づかされたことがありました。
その経験が、今のマネジメントにも活かされている?
黒咲龍愛:そうですね。
自分が「かっこよく生きたい」って思うなら、人の良いところを見つける力は絶対に必要なんです。
ホストって「かっこよく生きる」ことを考えさせられる機会が多い仕事なんですよ。だからこそ、後輩たちにも「自分の見方を変えれば、もっと世界は広がる」ってことを伝えていきたいですね。
ただ僕一人でみんなを育てきるって、人数的になかなか難しいところがあるんです。新人さんはもちろん、幹部を育てることも大事なんです。
だから特に幹部陣には「かっこいい姿を見せろ」と伝えています。ただ稼げばいいわけではなくて、背中を見せることで、後輩が育つ環境を作りたいんです。
それで幹部から新人へしっかりとした教育を受ければ、みんなが結果を出せる仕組みができればと思っています。
また新人も幹部になる未来が見えやすいし、幹部もマネジメント能力も身に着けられるんです。