今話題のホストさんをご紹介する本シリーズ。
今回は2024年6月6日にプレオープンを迎えた『TURRELL(タレル)』のMUSASHI代表取締役にお話をうかがいました!
『TURRELL』は、歌舞伎町を中心に店舗展開をおこなうSmappa!Groupが金沢進出にあたりオープンしたホストクラブ。
そんな注目のホストクラブで教育に携わるのがMUSASHIさんです。MUSASHIさんはグループ全体の教育統括も担当されています。
現役時代はNo.1や代表を経験し、現在も常に知識をアップデートして多くの教え子を成功へ導いているんだとか!
「ホストで成功したい」「成長したい」と思っている方は、ぜひこの記事をチェック!MUSASHIさんのお話しの中に、成功へのヒントが隠れているかもしれません。
■プロフィール |
源氏名:MUSASHI 業界歴:約20年(※2024年現在) 役職:TURRELL代表取締役 |
■在籍店舗 |
TURRELL(石川県/金沢) URL:https://hostjob.jp/ishikawa/area74/1086/ |
■経歴 |
・友人と一緒にホストの世界へ ・Smappa!Groupに在籍 ・No.1や代表を経験 ・教育統括に就任 ・TURRELLの代表取締役も兼任 |
MUSASHI:業界歴としては約20年。この20年間ずっとSmappa!Groupにいます。
ホストになる前はパブのボーイをしており、その接客中に見かけたホストさんがかっこよくて憧れを抱きました。
そんな時、友人がホストのスカウトを受けて僕も一緒にこの業界へ。ちなみに、当初は大学に通っていたのですが、漠然と「違う」と思ってしまったんです。
大学に通うよりも歌舞伎町や手塚マキ会長のもとで接客業やホスピタリティ、コミュニケーション能力を磨くほうが僕の人生は充実すると考えたんです。
そうしてホスト業界に足を踏み入れるわけですが、総本山のSmappa!やAPiTSと所属を変えながらNo.1や代表を経験しました。
代表になったのは23歳の時。現在経理担当の木村やOPUSTのプロデューサーであるBaRON、すし屋事業のSHUNが当時のメンバーです。
Smappa!で代表を2年務めた後、APiTSに異動。そこからプレイヤーではなく、運営として携わっています。
MUSASHI:自分のためより誰かのために働くほうが力が出ると感じるようになりました。
それはSmappa!Groupのいくつものホストクラブを経験して、たくさんのホストを見て、運営という立場になったからこそ芽生えた感情ですかね。
MUSASHI:3店舗のホストクラブの運営を経験して、その後にSmappa!Groupの本部へ異動しています。
本部に身を置くようになってから、教育統括として本格的に教育へ踏み出しました。
細かな部分で言うと、APiTSの運営をしていた時にOPUSTのオープンが決まって、立ち上げのプロデューサーとしてOPUSTに異動。
その後、今は閉店しているのですが、25歳以上のホストがスーツでおもてなしをする大人向けのホストクラブADEOSを、現在AWAKEのプロデューサーであるNARUSEとタッグを組んで出店しました。
そのあと本部配属になって教育統括としてホストの教育や育成に携わるようになりました。
MUSASHI:はい。僕が教育を主におこなっているのは、若手ホストと中堅ホストです。グループ全体の数字を上げるのが目標です。
その他、2008年くらいからスタートした、歌舞伎町の清掃活動をするボランティア団体・夜鳥ノ界(やちょうのかい)のリーダーも兼任しています。
MUSASHI:そうですね。歌詠みだったり、読書会だったり……。夜鳥ノ界のごみ拾いもその一環です。
手塚マキ会長が幅広く交友関係を持たれているからこそ実現できているんです。ワイン、ビジネス、文化、片町でいったら酒蔵や行政とのつながりも作ってくれています。
コロナ禍の時はオンライン授業も開催してくださっていました。オンライン授業を受けることで、従業員を出勤扱いにしてお給料を支払っていたんです。
コロナ禍はいかんせん何もできず時間を持て余した状態。だったら従業員たちが成長する場所や機会を提供したいと思ってのことです。
MUSASHI:題材はいろいろ。税金のこと、情勢のこと、正しい日本語の使い方、本当にさまざまです。
著名な方、具体例を挙げると乙武さんに授業をしていただいたこともありました。
オンライン授業を受けたあとは、学びをホストの技術や考え方に置き換えて、一度資料にまとめてみんなで発表しました。みんな一生懸命やってくれましたね。
MUSASHI:その通りです!
Smappa!Groupはちゃんとした人間を育てることを重視しています。一人の人間として世に出た時に恥ずかしくない人を育てるんです。
だからこそ、コロナ禍が落ち着いた現在も税金や情勢といった社会人に必要な知識の定着に力を入れています。
今いる子たちは素直で良い子たちばかりですね。
スマートに営業して、ホストを辞めたあとも良い影響が与えられるようにというのがグループの方針です。
MUSASHI:研修前や休憩中の雑談ですね。実際に月に2回実施している新人研修でやっています。
最初はみんな静かに黙って話を聞いてくれる。ただそのあと雑談をすると、休憩後に意見を言ってくれる子が増えるんです。ディスカッションですね。
ディスカッション教育って実は海外でも義務教育で取り入れられていると聞きます。そのほうが身に付くんだそうです。日本でも文部科学省が推奨しています。
雑談はそのディスカッションを生むためのもの。雑談を通して「この人は意見を言って大丈夫なんだな」ということが伝わるんです。
MUSASHI:特にはありません。競馬や筋トレなど、話題はいろいろです。
仮にその話題を僕がまったく知らないときは「教えて」と聞いています。ホスト時代に話の広げ方は身に付けていますからね。
ちなみに僕の話の広げ方を学んで初回で実践すれば、かなり役立つと思いますよ(笑)
雑談を通してのディスカッションは僕自身の学びにもなっています。彼らの気持ちが学べるんです。
MUSASHI:本当にその通りです。
今の子と昔の子はホストを始める時の気持ちの持ちようが異なります。昔の子、僕らの頃はみんな「女の子大好き」「お金稼ぎたい」がほとんどでした(笑)
その感覚を僕自身が持ったままではダメですし、それこそ「みんなこう思っているでしょ」と一緒くたにするのは違うなと思っています。
相手を知るために雑談は有効ですし、関係性がしっかり築けているからこそ面談が有意義な時間になります。
雑談で1回は必ず話しているので、面談でも相談事を持ってきてくれる子は多いですね。
MUSASHI:面談では、主に営業や接客に関する話をします。
たとえば、お客様の情報を整理し、お客様のタイプ属性を分析し、それらをもとに戦略を立てます。面談の頻度は月2回程度です。
ホストたちはお客様について情報収集をしなければならない……、おのずとお客様に興味を持つようになります。
戦略を立てる時はホスト自身がどうしたいか、基本的には自主性を重んじています。そうして次の面談の時にどうだったか、戦略を立て直すか否かを繰り返していきます。
そうするとPDCAが回るんですよね。
※PDCA:Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)を繰り返すことで仕事をブラッシュアップしていく考え方
MUSASHI:はい。ホストにおいては自分でPDCAを回すことが、結果として売上といった形で返ってきます。
僕が見ているホストたちを例に挙げると、13人のホストの月間平均売上が120万から220万までアップした子がいます。
情報収集を課しているのでホストたちはお客様に興味を持ちますし、月2回ちゃんと僕がチェックするので人として道を外すこともありません。
そうすると、お客様は楽しく安心してホストクラブに通えるし、ホストもクリーンな営業をするようになります。
お客様とホストがWin-Winな関係を築いたホストクラブになるんです。これは『TURRELL』でも力を入れている最中です。
MUSASHI:ええ。『TURRELL』はホスト未経験者が多いお店です。
未経験の子たちは「連絡先を交換できたけど……」「勢いで指名をいただけたけど……」と、その先どうして良いか迷ってしまう傾向が見られます。
そんな彼らの悩みや不安を解消する場が個人面談です。長く応援してもらえるホストになれるようにサポートしていくのが狙いです。
また、先ほどお話したようにPDCAをしっかり回すことで、うちに入店してくれる子たちが爆発的でなくても右肩上がりで売上を伸ばせたらと思います!
MUSASHI:いいえ。僕は今歌舞伎町の店舗でも10人以上のホストと面談をおこなっています。
ちなみに、面談のやり方は変えています。伝えたい内容、いわばゴールは一緒でも、人によってその捉え方が異なることもあります。
だからこそ「この子はアドバイスしたほうが良い」「この子は話を引き出したほうが良い」など、その子にあったやり方で向き合っています。
『TURRELL』でもその子に合わせた個別指導で、成長に導いていきたいですね。
MUSASHI:ありがとうございます!
ちなみに「歌舞伎町ばかりに行って、金沢・片町にはいないんじゃないの?」と思われた方もご安心くださいね。
確かに行き来をすることもありますが、金沢にいる時は営業時間前はずっと雑談や面談ができるくらい、余裕をもってお店にいますよ。僕は教育のために金沢にいますから……!
MUSASHI:指導はマンツーマンが究極で『TURRELL』でも実現を目指しています。
というのも、ホストはどうしても数字でモチベーションが左右されてしまう職業。だからこそ僕は放置することが一番良くないと思っています。
話しを聞いてくれる、相談できる相手がいるってだけで、ホストたちは変わるんです。僕は嬉しい出来事も悲しい出来事も一緒に分かち合って前に進んでいきたいと思っています。
これから一緒に働くかもしれない皆さんも『TURRELL』で成功体験を積んでやりがいを感じてくれたら嬉しいですね。
MUSASHI:グループの方針にマッチしていると思ったからです。
Smappa!Groupは、おもてなしやホスピタリティを大切にしているグループ。そんな接客の文化が金沢にも根付いているのではと。
実は前にも地方店への出店の話はあったのですが実現せず……。今回改めて地方店への出店の話が上がり「やらせてください」と挙手しました。
金沢は町全体を見た時に女の子の数が多いにも関わらず、ホストクラブは現在(2024年5月)10軒しかありません。
「この土地に僕らが目指すオーセンティックなホストクラブがあっても面白いんじゃないか」「僕らが大事にしているものを金沢なら受け入れてもらえるんじゃないか」と思って金沢の出店を決めたんです。
そのうち他の大手さんも順次金沢に進出してくるんじゃないかと思っています。個人的な意見としては、他の大手さんも金沢に参入して片町のホストクラブが盛り上がってほしいなと思っていますよ。
MUSASHI:そうなんです。ちなみに、金沢へ出店を決めた時に2つ約束事を決めました。
「採用はすべて現地で」「本部から参加するのは僕と店長のみ」という2つです。金沢の人たちでその文化を大事にしようというのがこの約束事の狙いです。
ちなみに店長の斉藤は、なんと北陸地方である新潟出身。2023年10月から金沢に前乗りして、開店の準備を進めていました。
斉藤自身もスナックやアフターバーで働き、地元の方と繋がりを得ました。お陰様で採用も順調に進み、オープン前に10名ほどの採用が決まりました。
僕も金沢に頻繁に来ています。うちのグループで用意した寮に僕もいます!店長と男2人で(笑)結構広めな寮の準備はバッチリですよ!
MUSASHI:女性が輝けるオーセンティックなお店作りを目指しています。
オーセンティック(authentic)は、「本物の」「確実な」「正真正銘の」といった意味があります。
これらを体現できるように、内装は本山であるSMAPPA! HANS AXEL VON FERSEN(スマッパ・ハンス・アクセル・フォン・フェルセン)に近い昔のホストクラブのような雰囲気に仕上げました。
服装はラフでOKですが、お店の雰囲気を損ねないようにだけ注意が必要です。
ここまで聞くと少し格式高く聞こえてしまうかもしれませんが、ようは歌舞伎町のトップレベルの老舗店が大事にしている雰囲気を金沢の『TURREL』でも大事にしていきたいなと思っています。
当たり前ですが、ホスピタリティに重きをおいて教育していきます。女性に嫌な思いはさせませんよ。
MUSASHI:僕は「自分さえ良ければ良い」という教育はしません。女の子を中心に考えられるスマートな接客を目指しています。
今の時代だからこそ、そういった接客が周りとの差別化にもつながるのかなと思っています。
例えばSmappa!Groupのホストクラブのひとつ、APiTS代表の速水和也。ホスパラさんのインタビューにも出ていますね。
彼は億プレイヤーであり、ずっとNo.1。同性の僕から見ても魅力的です。
和也はたしかに元々ポテンシャルは高かったけれど、そもそもお客様にも恵まれていたんです。男が育てたというよりお客様に育てられたんですよね。そんな彼に僕たちが教えたのはその土台です。
片町でもそんな古き良き夜の文化の土台を、教えていけたらいいなと考えています。
MUSASHI:基礎と教養です。まずは基礎を固めて、それから教養を身につけてほしいですね。
基礎固めではホストに必要な清潔感や立ち振る舞いを学んでいただきます。ホストという土台を固めた後に、教養という人間としての彩をつけるイメージです。
MUSASHI:そうですね。優先度は基礎固めですが、いずれは読書会も実施していきたいと思っています。
それに金沢は芸術に溢れている街。古着屋さんも多いので、ファッション講習といった金沢独自のものができたら面白いかもしれませんね。
ファッションも教養につながると思います。
MUSASHI:ありがとうございます。僕は教養は思いやりだと思っています。
どういうことかというと、教養を僕らホストの仕事に落とし込んだ時に想像力を育むことだと思ったんです。
教養を磨いていくって感性を磨いていくこと。感性は印象を受け入れる能力なので、相手に自分がどう映るか想像ができることじゃないかと。
想像できる人って、自分の発言や行動によってどういう状態になるのか、どういうことが起こるのかを事前に考えられるんです。
相手を傷つけたり、空気を悪くしたりってことが事前に察知できます。それを対お客様で考えたら、思いやりだなって。
教養を身に着けて相手を思いやることができれば素敵な時間を提供できると思います。接客業の使命が果たせるんです。
MUSASHI:やる気さえあれば特にいりません。経験だって必要ありませんよ。
未経験ってことは、まだ真っ白なキャンパス。吸収力が無限大なんです。学生さんでも社会人でも大歓迎です。
もちろん経験者の応募も嬉しいですよ!
MUSASHI:まずは古き良きホストクラブとして、金沢で継続できる土台を作っていきます。そのためにもSNSに注力し、認知度アップを図っています。
また現在『TURRELL』には金沢の各所に繋がりを持つスタッフがいます。女の子の人数が圧倒的に多い街であることも含め、初回の数にはかなり期待できると思います。すでに2店舗目の出店も考えて箱を押さえています。
そのあとは金沢でホストクラブ以外の事業展開もおこなえたらと思います。
フォトスタジオ、ヘアメイクスタジオ、いろいろ構想はありますが、働く従業員がホストを辞めた後も不安にならないように事業展開をするのが理想ですね。
それに僕は金沢に何度も足を運んでこの街が大好きになりました。街の人たちとホスト以外でもかかわりを持てたらなと思っています。
MUSASHI:復興支援ですね。
2024年1月に大きな地震があり、最近はニュースになっていませんが復興まではまだまだです。
うちで採用した従業員の中にも、頻繁にボランティアに参加している子がいます。その子の話を聞いていても復興が進んでいないと感じます。
僕たちホストクラブができることは、利益を作って復興支援に役立てていただくことかなと思います。
僕らも街の人たちにたくさん助けていただいているので、恩返しと言ったらおこがましいですができることはやっていきたいですね。
MUSASHI:こちらこそありがとうございました!