今話題のホストさんをご紹介する本シリーズ。
今回は『MARIONETTE』のA-E-G(えいじ)取締役にお話をうかがいました!
『MARIONETTE』は大手KG-PRODUCEのホストクラブ。日々成長を遂げる、進化が止まらないお店として注目されています。
そんな約400名のホストがいる同グループで、2023年年間売上7位という記録を持つのがA-E-Gさんです。
このインタビューでは、A-E-Gさんがいかにしてこの記録を作り出すことができたのかを語っていただきました。
漠然と売れたいと思っている方も、ホストの仕事に興味がある方も、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
■プロフィール |
源氏名:A-E-G(えいじ) 業界歴:約9年(※2024年現在) 役職:取締役 |
■在籍店舗 |
MARIONETTE(東京都/歌舞伎町) URL:https://hostjob.jp/tokyo/area15/860/ |
■最高売上 |
月間2,300万 年間約9,000万 |
■経歴 |
・友人に誘われホストの世界へ ・2018年MARIONETTEの前身のお店に移籍 ・半年で幹部補佐へ昇格 ・2019年KG-PRODUCEに参入 ・即座にグループ年間ナンバー入りを果たして取締役に ・2023年年間グループ売上No.7を記録 |
A-E-G:友人に誘われたのがきっかけです。もう10年ほど前の2014年頃の話です。
ホストを始める前は、ホスト=やんちゃしていた人の集まり、あるいは女性の心を利用してお金を稼いでいる人というイメージを抱いていました。
でもホストをやっている友達の話を聞いたら面白そうだし、もしかして実際は悪いイメージではないかもって。
面接を受けに行って、体入をしてみると僕の勝手なイメージは覆されました。
ホストは女性へ紳士に向き合わなくてはならず、それを理解した時にこれがホストの価値なんだと。興味が湧いて、本入店してホストにチャレンジすることにしたんです。
A-E-G:いえ、その時は大学生でした。3年生の時ですね。
ホストを始めた当初は派遣のバイトと両立していたので、週3日出勤のアルバイトホストでした。
4年生になるタイミングで大学に行っている意味を見いだせず、ホスト1本で頑張る決意をしました。
僕はスポーツ推薦ですが、ある程度名の知れた、いわゆる「G-MARCH」の含まれる大学に通っていました。
世間は学歴社会、大学さえ行っていれば良い企業に就職できる可能性もあった中での決断でした。
A-E-G:そうですね。しかもそういう大学って就職率100%みたいなイメージ。
でもそれって蓋を開けてみると、どんな職業でも正社員であれば就職率100%って言えちゃうよなって思ったんです。
特定の職業を下げる意味で言っているのではなく、ふと「大学のネームバリューにしがみついている人たちと一緒にいて本当に良いんだろうか……」と。
個人の意見ですが、それに対してホストってしっかりしている人が多いなと。
大学の名前を借りているような人たちよりも、自分で稼いで何かをしようとしている人と一緒にいたほうが自分のレベルアップにつながると思って退学したんです。
その人次第ではあるけれど、一流の大学を卒業していたとしても、一生食べていけるような価値が必ずしもあるわけではないんですよね。
実際「大学行っとけばよかった」と後悔したことはありません。ホストをやって毎日充実しています。
A-E-G:『MARIONETTE』に移籍したのは6年前です。前の店舗は合併・吸収されてしまったんです。
雰囲気も悪くなって続けられないと思って移籍を決断しました。
移籍先を探すにあたって、かつて体験入店で出会ったホストを思い出して、その背中を追って『MARIONETTE』のドアを叩きました。
いざ体験入店してみたら社長が本当に良い方で……。あと、正直いえば入店特典狙いですね(笑)
特典がよくて入店を決めたといっても過言ではありません。
A-E-G:ありがとうございます!最初「幹部補佐スタートで良いよ」と言われたんですが、断ってゼロからリスタート。
『MARIONETTE』に入店して6年で取締役まで昇り詰めることができました。着実にステップアップしていますよ。
あと、裏話にはなるのですが、入店時に源氏名を心機一転して「A-E-G」と名付けました。でもこの源氏名を普通に戻すためにもがんばりました(笑)
「A-E-G」はえいじと読むんのですが、この源氏名は中学生の数学で習った三角形の方程式からきています。「A-E-G」って読めるじゃんって思いついて。
幹部補佐に昇格したタイミングで「A-E-G」表記を辞めたんですが、「面白くなくなった」と言われてしまい……。それで元の表記に戻して今も頑張っています!
A-E-G:2021年頃に就任したので3年(2024年時点)だと記憶しています。3年間ずっとキャストのトップでNo.1を獲り続けています。
A-E-G:「女性に真摯に向き合うこと」これしかありません。お店のみんなにも、しつこいくらい伝えています。
特にホストの悪いイメージである、自分に依存させてお金を使わせるなんてことは、僕はしないし後輩たちにも教えません。
目の前のお客様へ誠実に接することが大事。そうしていくと、自然と上に上がれると思っています。
あとはお客様だけではなく、ホストという仕事にも真摯に向き合えるかどうかも売れるための要だと思います。
ホストという仕事やお客様へ真摯に向き合ったら、自然と人間力を磨かねばと思うはずです。
A-E-G:僕は毎月お給料をいただいたら、ホストの仕事に使える道具を絶対に1つ買っています。スーツや靴、ハンカチなどですね。
僕は丁寧な接客を大切にし、ほかのホストとの差別化を図っているので、グラスを拭くときも紙ナプキンではなくハンカチで拭くようにしています。
仕事道具はあえて良いものを買うようにしていますよ。
A-E-G:例えば、良いスーツを買って同伴で着て行くとします。
良いスーツって汚したくはないですよね。だから食事をするときに、自然と食べ方が綺麗になります。
良い革靴って高いので汚したくないし、かかとをすり減らしたくないから、自然と歩き方が綺麗になります。
最近のエピソードだと、ルイ・ヴィトンのメモ帳を1年に1度買い換えているのですが、店員さんから「良い時計を使っていらっしゃいますね。何かあったらご連絡ください」と名刺をいただきました。
その時、そういう見られ方をする人の振る舞いをしなければと身が引き締まります。
自分を磨くように環境を整えるんです。身に付けているものに相応しい人になるという意識が自分を磨いていくんです。
みんなに言っても真似してくれないんですけどね(笑)
A-E-G:その通りです。ホストは、自分を磨かなくては価値がありません。
お客様からお金を払って会いたいって思われるように、僕は良いスーツを着て接客をしています。
そのせいか「私服見たい!」「部屋着ってどんなもの着てるの?」と言われることも多いですね。
僕という人間に興味を持っていただけるという効果も得られていますよ。
A-E-G:初めて1,000万円を売った時なので、もう3~4年前ですね。
1,000万を売ったホストという風に見られた時に、「お前が1,000万!?」と思われるのは癪だなって(笑)
「そりゃ1,000万売れるわ」「むしろ1,000万しか売ってないの?」と思わせたいなと。そう考えた時にスーツ接客にたどり着きました。
A-E-G:初めて1,000万を売ったタイミングで支配人になりました。
その時点で「人間性は取締役に必要な条件を満たしている」と社長から言われていました。取締役になるには、あと売上だけでした。
そのタイミングでKG-Groupに参入し「上半期グループ7位になったら総支配人、年間5位以内になったら取締役ね」と社長から目標を課されました。
それをクリアして2019年に取締役になったんです。
こういう目標を一つひとつクリアしていくことってどんな仕事でも大事だと思うんです。
最初はナンバーに入ることを目標にし、次は2ヶ月連続でランクインする、それもクリアできたら年間のナンバーを獲る、次は12ヶ月連続No.1という風にね。
ちなみに現在もグループの年間ナンバーの壇上に上がらせていただいています。2023年は7位でした。
A-E-G:ええ。ホストは自分が商品で自分の質を上げないといけないんです。
だから僕は「ホストとして」というよりも「男としての質」を上げるようにしました。
もともとホストになる前から「かっこいい大人になりたい」「かっこいい男になりたい」と思っていました。
拳法をやっていた時も強いけど中身は優しくありたいと思っていましたし、ホストになる前から人間性は意識していたことですね。
A-E-G:月間は2,300万、年間は9,000万円ほどです。
実は1億は届いていないんですよ。毎年グループの表彰式では「1億に一番近い男です」とスピーチしています(笑)
でも僕はその1億に届いていないのもある意味ステータスかなって。よく「綺麗な売り方しているんだね」とか「そのくらいなら女性に無理させそうなのに」と言われるんです。
僕は絶対に無理はさせないし、煽ったりもしない。お願いはすることはありますが、予算を先に聞いて守ります。
お願いをするにしても事前に言いますね。「こういうイベントがあって、結果を残したいから協力してほしい」としっかり理由を説明するんです。
女性がボトルを卸す意味を見出せなければ、お金をかけてはくれませんから……。浅いお願いだと「いや、いくらすると思ってんの?」って話になってきますしね。
A-E-G:僕は最初に「予算を守る」「約束の時間を守る」といった基礎を守るようにしています。
女性が担当ホストを1時間待ったなんて話がありますが、僕は逆に1時間待ったことがあります(笑)
約束の10分前には待ち合わせ場所に行って、タクシーを止めてお客様を待っている。これが一番だと思っています。紳士的であることを心掛けていますね。
丁寧な接客を心掛けているからこそ、刺激を求める方には物足りなく感じられるかもしれませんが……(笑)
A-E-G:年上の方が多いですね。ちなみに、男性のお客様もいますよ。
A-E-G:ええ。しかも同業ではない方が僕を指名しにお店に来てくださるんです。
サラリーマンの方から経営をされている方も、キャバクラにも行くけどホストにも行くという方もいらっしゃいます。
中には「A-E-Gくんは僕の推しだから!」と言ってくださる方もいます。
A-E-G:いえ。女性のお客様と変わりません。ただ、時計や車など男性ならではの会話は増えますね。
男性って下ネタが好きなので、下ネタを言うこともありますよ(笑)
A-E-G:TikTokが多いですね。先日は仙台から会いに来てくださった男性もいらっしゃいました。
「若いのにしっかりしてるね」「芯があるね」「A-E-Gくん好きだよ」と言ってもらえて、本当にありがたいです!
A-E-G:そうですね。女性も僕のTikTokから初回に来てくださる方も多いですよ。
A-E-G:僕のTikTokの内容のほとんどは、実話をもとにしたノンフィクション。
本当に経験したことです。タワーに靴を投げて出禁になった子の話も本当ですよ。
「あの時こうすればもっと良かったのかな」と思ったことを発信しています。
A-E-G:一番向いていると思ったからです。TikTokだと踊るイメージがあると思いますが、リアルを発信するほうが指名した時のギャップが生じにくいんです。
A-E-G:ええ。いいねの数だけ閲覧数も多いですし、そのおかげで遠方から指名に来てくださる方もいらっしゃいます。
青森や大阪、名古屋、静岡、長野、本当に日本各地から来てくださっています。リアルな内容だからこそ生み出せた結果なのかと。
配信もしていますし、両方で僕という人間性を知ってもらえるのはTikTokの旨みかなと思います。
でも初回より配信のほうが難しいなと感じますね。
A-E-G:いえ、実は最初は全然売れませんでした。
前のお店では2年間掃除組。その時はつらかったですね。自分にはそれだけの価値しかないのかなって。
3年目でやっと掃除組を抜けて、その半年後に幹部補佐に。移籍して一度は役職がなくなりましたが、入店半年で幹部補佐に。
そこから順調に昇格させていただいています。1年に2回昇格祭をさせていただいたこともあります!
A-E-G:今でこそローランドさんのおかげで、ホストのイメージは一般社会にも根付いています。
でも僕が掃除組だった当時は、ホストの印象は最悪の一言。
世間体の悪い仕事をしているからこそ、「何か偉業を成し遂げたい」「せめて1回でもNo.1になってから辞めたい」という思いが原動力となりました。
「あいつホストで失敗して別の仕事をしているんだよ」なんて思われたくはなかったです。
なめられたくない、バカにされたくないという負けん気と意地が、今の僕の土台を作ったと思います。
A-E-G:はい。あと2年掃除組でしたが、実際は辛いことばかりではなかったんです!
今も当時もホストという仕事が純粋に好きだということが、辛い状況でもホストを続けられた大きな要因ですね。
あと、一緒に働いている人たちも親切な方ばかりです。幹部と下の子たちも距離が近いですし、社長もそのように接してくれます。
従業員の質が良くてヘルプもしやすいですね。刺激をくれる子ばかりなので、本当に良い環境です!
女性も優しい子が多いですよ。
A-E-G:ホストもお客様も本気で向き合っているところですかね。
例えばNo.1を獲れたホストがいたとして、そのホストはもちろんのこと、横に座っている女性も泣いて喜んでいたり、逆にNo.1を獲れなかったホストと女性が悔し涙を流していたり。
たくさんの人の感情が揺れ動く、とても刺激的な仕事だと新人の頃から感じていました。
いざ僕がNo.1を獲った時も、指名してくれた女性が「よかった……」ってすごく泣いてくれて。
本来僕が一番嬉しいはずなのに、僕以上に喜んでくれてくれるような方と出会えた時に、ホストをやっていて良かったと思いましたね。
A-E-G:本当におっしゃる通りです。
僕はアルバイトとして食品工場で働いていた経験があります。食品工場の仕事って、正直楽なんです。ただ流れてくるプリンにアルコールスプレーをかけるだけ。
それを4時間続けます。楽だけどつまらなくてしんどかったんです。
それに比べてホストは人と深くかかわれる仕事だし、男としてほかのホストに負けたくないと思えるんです。
僕は女性ではなく男にかっこつけたいタイプ。職場に男性しかいない点も僕にとっては魅力です。
男しかいない環境で1番を獲れたら最高ですよね。僕に合っている仕事だと感じます。
やりがいのある仕事なので、ホストの仕事に興味があるなら、ぜひ『MARIONETTE』にきてほしいです。
うちのお店でホストの仕事を楽しんでくれたらもう本望です……!
A-E-G:先ほども申し上げた通り、幹部・幹部以外の従業員同士の距離感が近いことです。
社長は、幹部よりも下の子たちと飲みに行きますからね。アットホームで僕も結構いじられますよ(笑)
アットホームだからこそ、お店を好きでいてくれる女性も多いですね。
女性も通いやすいし、従業員も働きやすい。それが『MARIONETTE』というホストクラブです。
A-E-G:芯が通っていて、女性を大事にできる人は活躍できると思います。
自分の事情を優先するよりも、女性のことを大事にできることは特に重要ですね。本来「売上を上げたい」「ナンバーに入りたい」って女性からしたら関係ないことなんですよ。
自分の事情ではなくどれだけお客様を優先できるか。その先に結果が待っています。女性の心に寄り添える方は、花開くと思いますよ。
A-E-G:誘惑に負けない人でしょうか。
はたから見れば、僕の発言はきれいごとに聞こえると思います。でも僕はそれを突き詰めていって成功しました。
きれいごとだと思われることを僕の信念としてやってきた結果なんです。
売上が上がらず限界を感じて、思ってもないことを言ってしまうホストは少なくありません。女性が傷つかないのであれば問題ありませんが、最終的にはボロがでるし、自分の心に限界がきてしまうと思います。
楽な道に行こうとせず、女性を楽しませるというホスト本来の仕事ができると良いですね。
A-E-G:もちろんです!むしろ僕より教えるのが上手な人って見たことないんです(笑)
これはどこの職場でもあるあるだとは思うのですが、時々「後輩に教えている俺、かっこいい」と内容が薄くなってしまう人っているんです。
でも僕は女性への気持ちの伝え方から教えます。男性はなかなかできないし、気づけないことです。それに何をすれば良いかまでしっかり教えます。
女性に対する回答の正解や、求めていること、本質をアドバイスして行動のビジョンまで論理的に伝えられるのは、僕だけだと思っています。
一人ひとりに合ったアドバイスで、何をすべきかわかるまで付き合うので、ぜひ『MARIONETTE』へ体入しにきてください!
僕のTikTokに出ることで、一緒にファンも作れたらいいなと思っています。実際に僕のTikTokに出たことがきっかけで、幹部補佐に昇格した子もいますよ!
A-E-G:僕の夢は50歳になってもNo.1。店舗を出して社長になっても、ずっとプレイヤーでいたいです。
社長で50歳でNo.1になってみんなが悔しがるようなホストになっていきたいです。
あと、これから歌舞伎町をはじめホスト業界はお客様の数が大事になってくると思います。SNSの集客はメインになってくるんじゃないかと。それによって昔よりホストのアイドル化が進むと思います。
お金のトラブルというのは減っていくと思うし、よりクリーンになって働きやすい業界へと変わっていくと思います。
だからこそ、ホストとしてのクオリティが求められると思います。より一層、人間力、男としての能力を上げていかないと戦えなくなってくると思います。
僕はこれまで培った人間力でずっと勝負していきますよ!
A-E-G:こちらこそありがとうございました!『MARIONETTE』で待っています!