今話題のホストさんをご紹介する本シリーズ。
今回はホストクラブやボーイズバー、メンズコンカフェなどを経営する草摩由希(そうま ゆき)さんにインタビューをおこないました!
草摩由希さんは「そまゆき」の愛称でも知られ、2018年冬月グループ売上・指名本数ともにNo.1という実績を持つスーパーホスト。
さらには2007年にテレビの街頭インタビューに出演し、「童貞も守れない男に何も守れないんですよ」といった名言を生み出して一時ネットを沸かせた人物でもあります。
今回のインタビューでは、そんな掘れば掘るほど魅力が溢れる草摩由希さんに迫りました。
ホストの世界に魅了された理由やこれから目指す未来、さらには本サイト(体入ホスパラ)で求人を掲載している歌舞伎町のホストクラブ『ARTEMIS』と『ECLIPSE』についても語っていただいております。
ホストの世界に興味がある方、草摩由希さんを知りたい方、さらには草摩由希さんが社長を務めるホストクラブについて知りたい方など、すべての方に読んでいただきたい記事です!
■プロフィール |
源氏名:草摩由希(そうま ゆき) 業界歴:約11年(※2024年現在) |
■在籍店舗 |
ARTEMIS(東京都/歌舞伎町) URL:https://hostjob.jp/tokyo/area15/608/ ECLIPSE(東京都/歌舞伎町) URL:https://hostjob.jp/tokyo/area15/850/ |
■過去最高売上 |
月間4,600万円 年間1億2,500万円 |
■経歴 |
・2013年7月にオタクからホストへ転身 ・2015年に月間売上1,000万達成 ・2016年6月に取締役就任 ・2016年に冬月参戦 ・Yggdrasill -Athena-(現Yggdrasill本店)に移籍 ・2018年2月にARTEMISをオープン ・2022年11月に分店しECLIPSEをオープン |
草摩由希:僕は新しいことに興味を持つタイプの人間なんです。
25歳でホストの世界に飛び込みましたが、その前はただのオタクでした。元々オタクの世界に飛び込んだのも、「面白そう」「世界観を知りたい」という興味が発端だったんです。
当時はオタクそのものが世間から良く思われていませんでしたが、だんだんと受け入れられ始め、オタク独特の文化が広がり始めた時期だったんですよね。その世界に魅了され、気づけばオタクの世界にどっぷりハマっていました。
そんな時に「ホストやってみない?」とスカウトされたんです。正直ホストの世界って全くわからなかったのですが、知らないホストの世界ってどんなものだろうと怖さよりも興味が勝ったんです。
面白いですよね。知らない世界に踏み込むきっかけって、日常に潜んでいるんですから。しかもホストの歌舞伎町とオタクの秋葉原は、山手線で見ても真反対。「見てみたい」という好奇心から体入(体験入店)に行きました。
草摩由希:すぐにホストという世界や仕事に魅了されました。
もちろんイメージしていた通りのこともありましたが、それ以上にも若い男の子たちが夢というキラキラしたものを持っている世界だということを知ることができました。
「将来はこういうことをしたい」とホストを卒業した先に夢や目標を持って、それらに対して熱く語っている姿を見たんです。その光景を見てホストって良い業界だなと思いました。
それに男子校出身の僕にとって、男同士で高め合って競い合っていく世界が魅力的に感じたんです。秋葉がすべてだったのに、オタク以上にのめり込める世界を見つけてしまいましたね。
草摩由希:ええ。それにオタクはもともと得意な世界でした。中学生からパソコンやITに触れていたし、のめり込むと他が見えなくなるようなタイプの性格だから、オタクの世界は相性が良かったんです。
オタク界隈に自分のグループがあったし、イベントがあるときにはトップとしてメンバーを従える立場でした。特に不自由なく、自分が自由に好き勝手できるような世界で中心にいたんです。
だからこそ、本当にやりたいことや自分の成長を追うという一種の刺激はありませんでした。
そんな僕がホストの世界に飛び込んだらできないことだらけ。女の子と話してお酒を飲むなんて経験はほとんどないですし、元々お酒も強くない。
知らないことやできないことだらけの中で体当たりしながら成長していく。しかもそれを仲間と時には協力し、時には競い合う。
こんな魅力的な体験は僕の人生にはなかったから、このホストという業界で頑張っていきたいと思ったんです。
草摩由希:要点を掻い摘んで説明すると、2013年にホストになって、2015年に月間最高売上1,000万達成、2016年にYggdrasill -Athena-(現Yggdrasill本店)に移籍して冬月参戦。
その後2018年に独立して『ARTEMIS』を出店しています。ホストを始めて約5年で独立とホストクラブのオープンを実現することができました。
なお『ARTEMIS』のオープン後は、すぐに経営に専念するのではなく、まずは2年間プレイヤーをしながら経営をしていました。
草摩由希:これから育つプレイヤーに売れている人の姿や背中を見せて、自分が売れているイメージを描いてほしいと思ったからです。
人は見ていないもの、知らないものに対して、イメージを膨らませることができません。だからまず代表としてやるべきことは、これからの子たちに売れているホストはこういう姿と実際に見せること。そこから従業員を育てようと思いました。
お店の売上は全部僕が立てるからみんなは売上ゼロでもOK。見て経験して学んでほしいというスタンスで、2年間プレイヤーとしても走り続けました。
草摩由希:育てるために見せてきたことが芽吹いてきたからです。
高額ボトルが卸される瞬間、シャンパンタワーでホストが輝いている瞬間、締め日に競い合って全力を尽くす瞬間、一瞬一瞬の中でみんなの成長を感じることが増えていきました。
そして、その結果として売上やナンバーを争える子たちも増えていったんです。
その段階で僕はまずナンバー争いの土俵からは一歩引いて「来月からは君たちがこの店のNo.1の看板とホストとして大事なものをかけてナンバーを奪い合うんだよ」とNo.1争いができる環境を整えました。
当たり前ですがNo.1は1人しかなれないわけです。No.1になれた人というのは、相当の努力をして力をつけて1番を獲りにきます。
ただNo.1以外のホストもNo.1を目指して成長をしていくので、お店は自然と良い雰囲気になっていきます。
そうして士気が上がり、1,000万プレイヤーがどんどん増えていったんです。その段階で僕は完全にプレイヤーを引退することを決意しました。
草摩由希:はい。みんなが育っていく姿を見れるのは、僕にとっても嬉しい出来事ですよ。
それにホストの世界に飛び込んだ時に、キラキラした子たちが夢を掴めるような環境を自分だったら作れるんじゃないかといった漠然とした考えもありました。
現役時代、それこそ2店舗目のホストクラブに在籍していた時から、将来お店を持ちたいと思っていたんです。
まず自分のホストクラブを持つことができて、それにプレイヤーの引退、すなわち次の子たちへバトンを引き渡すことができて、自分のやりたいことが叶っていったとも言えます。
草摩由希:実は1店舗目のホストクラブが入店から2ヶ月で閉店してしまったんです。ちょうどもっと力を入れて、ホストを頑張りたいなと思っていた矢先の出来事でした。
それに、入店してみると人を育てるよりもお金を稼ぐことを重視しており、その重圧や速度についていけず人がどんどん離れていました。
夢や野望を持ったキラキラした男の子たちが「ホストは時間の無駄だった」「ホストなんてやるもんじゃなかった」と口々にし、業界を後にしていったことに悔しさを覚えたんです。
その経験があったからこそ、夢や野望を持った子たちが輝ける環境を作りたい、それがホストクラブを持ちたいという考えに結びつきましたね。
だから僕がお店を立ち上げた時に大切にしたのは「人を育てる」「若い子がこれから自分のやりたいことを見つける」ということ。
男の子たちの貴重な時期・時間、その瞬間が無駄にならないように輝ける環境を作る、もし輝けなかったとしても成長の実感や自分の中の芯が見つかるといいなと。
そういった想いを持って『ARTEMIS』を立ち上げたんです。おかげさまでお店の規模はどんどん大きくなり分店し、『ARTEMIS』と『ECLIPSE』の2店舗を経営するに至っています。
草摩由希:2店舗とも月をテーマにしています。お月さまって必ず地球の前を回っているんですが、ずっと同じ面を地球に向けて回っているんです。
どこから見ても同じ方向だから、月の裏側は肉眼では見えません。宇宙飛行士しか見えない景色なんです。
これってホストにも言えて、ホストの成功の先に待っている景色は死ぬ気で追い求めた人にしか見られないんです。
新人でホストを始めたときに売れている自分をイメージされるかもしれませんが、実際にそれが叶うと想像以上の景色が広がっていますよ。現に僕もその景色を見たひとりです。
その感動や経験を踏まえて、これからは従業員たちと一緒に見たことのない景色を見たいという願いを込めて『ARTEMIS』と名付けました。当時のキャッチフレーズは「月の裏側、見たことある?」でした。
『ECLIPSE』はそんな『ARTEMIS』を食う存在。ECLIPSEという言葉には「月食」という意味があるんです。
草摩由希:裏話をすると、1つ目は果てしない旅路だけど、誰も見たことのない景色に一歩一歩近づいてるという意味。2つ目はどんなシャンパンであれ、みんなで着実な一歩を踏み出しているという意味。
この2つの想いを込めて「月の裏側に近づきました」と言うようにしています。
それにシャンパンコールのパフォーマンスって結構似たり寄ったり。でもみんな同じである必要はないと思ったんです。
マイクを握ってる時間は自分のもので、せっかくだから普段はお客様、従業員に伝えていないことを伝えてほしいです。だからこそ記憶に残る貴重な時間になると思います。
自分なりの出だしを作ることで「この人は何を言うんだろう」と、より期待感も高まりますね。
ただ、このシャンパンコールをみんなに伝えた時は「この人何言っているんだろう」といった雰囲気はありました。
でも毎回言っていたら定番になりました。今ではみんなで「せーの」で言えるくらいになりなりましたよ。
草摩由希:僕は仕事を通して成長していくうえで、数字といった目に見えるものだけを大事にしてほしいわけではありません。
抽象的ですが、目に見えないような出来事に触れて、理解して成長することこそが本物だと思います。利己的ではなく誰かのために思考と行動ができる人間ですね。
そもそもホストクラブっていうのは、誰かのための仕事だと思っています。広く言えば、すべての女性のための仕事。
誰かのために生まれた、広がった仕事だからこそ、利己的な人間になるのではなく誰かのために熱くなれる人になってほしいなと思っています。
草摩由希:もちろん、目に見えるものが全てと考える人を否定するわけではありません。これは僕のマインドであり、さらに言えばこのお店で働く大きな魅力のひとつかなと思います。
特に組織を大きくしていくうえでは、自分のことだけを考えていたら大きくならないんです。僕は2店舗目のホストクラブでそれを経験しました。自分のことだけを中心に考えていたからバラバラになってしまったんです。
組織がまとまるためには、みんながお互いのためを思って一緒に仲間としてやっていくのが大事なんだと強く感じました。
『ARTEMIS』や『ECLIPSE』はそういった教育を土台に敷いているホストクラブです。だからこそ、ここで育った子たちが10年後20年後、ホストではない外の業界で働いたとしても負けない強い男の子であれと願っています。
全員を完璧に売らせることは不可能だとしても、どの業界でも通用する人間に育てることはできると思っています。彼らをどの環境でも羽ばたけるようにしたいんです。
草摩由希:『星の王子さま』という僕の好きな作品でも同様のことが書いてあります。大人は数字しか見ない、子供はもっと何か本質的なところ見てるけど大人になったら変わっちゃうよねって。
これってホストの仕事にも通じることがあって。女の子自身のことを理解しているホストって強いなって。
僕のポストで一番バズった投稿でも言っていますが、数字で表せるものではなくその人自身のパーソナルな部分のほうが大事なんですよね。
仕事や、年齢や
どれくらい稼げるか
どれくらいの頻度で来れるか
どれくらい使えるか。そんな数字よりも
どんな色が好きで
デートに行くならどこで
最近悲しかった事や
最近嬉しかった事や
僕のどんなところが好きか。に僕は興味があります。
姫の好きな色知ってますか?#アルテミス #草摩由希— そまゆき😇社長(草摩由希) (@yukisouma_hal) March 10, 2019
女の子はたしかにお客様です。でも人対人。だからパーソナルは大事なことなんです。
僕は「エースってどんな子?」という質問に、「~円使ってくれて」という最初に数字が出てくるホストには負けたことがありません。
そもそも「どんな子?」ってそういう話じゃないですからね。ホストというフィルターを通して女の子のステータスを聞いているのではなく、何が好きなのか、どんなの子なのかといった質問をしているわけですから。
草摩由希:その通りです。ホストで売れることだけを考えて目先の数字だけを追っても、5年後10年後、違う世界に飛び込んだ時に通用しません。
これは大学受験に似ているかもしれませんね。大学受験でもみんな偏差値しか見えていないと思います。学歴社会が根強かったのでしょうがないこと。
ただ偏差値が高いからってその学校が必ずしも自分にとって良い環境とは限りません。自分のやりたいことができる環境でなければ、良い大学生活は送れないですよね。
数字っていうのは指標としてはとても優秀ではあるんですけど、大事なものを見落としがちなのかなと考えますね。
僕はそれを踏まえて、人間として大事なことを学べるお店にしたいと思っています。そのため定期的に開催しているセミナーもこういった内容が中心です。
草摩由希:自分の考えをちゃんと持っているっていうのは売れる要素の1つだと思います。
ホストクラブって自分の世界をちゃんと作って提供する仕事。自分が持つ世界がブレていたらダメなんですよね。
「俺はこうしていきたい」「これは良いと思う」「これはだめだと思う」という自分の考えをちゃんと持っている人間っていうのは、やっぱりホストとして強いなと思います。
草摩由希:そうですね。ただ、行動の部分で言うと受け身であることは悪いことではありませんよ。
そもそも個人個人がそんなに深く関わり合わないような環境のほうが多いと思うんですよ。
会社や学校でも体裁を気にして、本当に思っていることをみんなで言い合えるような環境ってあまりないんじゃないかと。守りに入っちゃいますよね。
でもホストクラブはお互いが思っていることを言い合える環境だから、打ち解ける上で受身でもちゃんと考えを持っている、それを言える子が多いなと思いますね。
僕のお店では、相手のことをちゃんと考えるということを前提にして、各個人が成長していけるようにしています。
草摩由希:『ARTEMIS』は自分のペースで育っていけるようなお店を探している人に向いてます。自己表現が得意でなくても大丈夫ですし、丁寧に仕事を教えます。
対して『ECLIPSE』は自分の多様性を追い求めて唯一無二のかっこよさを追求したい人に向いています。ガンガン自分を試したい子、自己表現がしたい子に合っていると思いますよ。だから自由ですね。
こうしてみてみると真逆で面白いですよね。
草摩由希:『ARTEMIS』に関しては、これから新しい未経験の子たちを育てていきたいと思っています。未経験の子をスタープレイヤーや看板プレイヤーになるよう丁寧に育てようという計画です。
ビジョンとしては、1年後には1,000万プレイヤーや看板プレイヤーと呼ばれるようなホストを生み出していきたいですね。
『ECLIPSE』はビルが1年半から2年くらいで改装すると聞いているので、そのタイミングで拡大移転をしたいと従業員と話しています。
今は箱が約80坪で分店して従業員が半分になってもうすぐ1年半~2年経過しますが、そろそろ分店前の規模に戻して大きな箱で頑張りたいなと。
それぞれのあり方を目指して従業員と同じ方向を見て頑張っていきます!
草摩由希:ありがとうございました!