大阪ミナミ『ATOM ROYAL』つばきんが語る謙虚さと仲間を預かる覚悟で挑むホスト人生【独占取材】
美容学校から始まったキャリア、必死に走り続けた日々、そして立ち止まることで見えた「感謝」と「謙虚さ」。
挑戦を続けながら、仲間の人生を預かる覚悟で運営にも向き合う姿は、これからホストを目指す人にとって大きな刺激になるはずです。
「ATOM -ROYAL-は伸びしろしかない」という言葉の真意とは――。続きをぜひご覧ください。
トピック
ホストに誇りを持つまでの原点
2021年ごろにホストを始められたそうですね。当初は美容学校に通われていたと伺いました。
つばきん:そうですね。美容学校を卒業したあと、アトムグループの会長から声をかけてもらったのがきっかけです。もともとライブ配信の事務所に所属していて、TikTokもその頃から始めていました。ホストに特別な興味があったわけではなくて、「やってみたい」という気持ちは正直なかったんです。
そんな中で、なぜ挑戦してみようと思われたんですか?
つばきん:会長の人柄ですね。当時アトムグループには400人近く在籍していたんですけど、まだホストを始めてもいない自分に時間を割いてくれたり、丁寧に向き合ってくれたりして。それは会長だけでなく上層部のひろむんさんもそうです。マメに連絡をしてくれて。
「なんでこんなにしてくれるんだろう?」と不思議に思うくらいで……。人として尊敬できるな、この人のもとで働きたいな、って感じたんです。
会長やひろむんさんの姿勢が決め手になったんですね。
つばきん:はい。正直、最初は「“女性からお金をいただく仕事”ってどうなんだろう」と迷いもありました。でもひろむんさんの話をよく聞いていたら、むしろ誇りに思える部分が多かったんです。お客様に必要とされること、ホストという仕事が人の人生に影響を与える存在であることに気づいて。
偏見が覆ったというか、「これは胸を張れる仕事なんだ」と思えた瞬間でした。その印象は入店してからより感じましたね。
夜職ってことで偏見もありましたが、ちゃんと朝礼をやったりすることにもびっくりして、「ホストもこんなにしっかりした人がいるんだ」とも思いました。
ホストに誇りを持つようになったのは大きな転機ですね。
つばきん:そうですね。最初から劇的なエピソードがあったわけじゃないですけど、会長やひろむんさんと関わる中で、「ホストって嘘やごまかしで成り立つものじゃない」「人を幸せにする職業なんだ」って実感しました。
だからこそ、本気で取り組んでみようと思えたんです。
必死の日々から気づいたホストとしての働き方
ホストを始めてから、どんな日々を送られていたのでしょうか。
つばきん:最初の頃はとにかく必死でしたね。毎日がお客様や仲間のことで頭がいっぱいで、「とにかく頑張らなきゃ」という気持ちだけで走っていました。とにかく前に進むことしか考えていなくて、疲れていることにも気づかないくらい。気持ちだけで突っ走っていたと思います。
今思えば、走ること自体が目的になっていたんでしょうね。
未経験から2年がたつ前に当時新店だったATOM -VENUS-を引っ張らなければならず。だから休むなんて考えられなかったんです。寝ても覚めてもホストのことばかりで、「これが正しいんだ」と信じ込んでいました。
そんな日々の中で、はじめて立ち止まるきっかけになった時期があったと伺いました。
つばきん:そうなんです。嬉しいこともありつつ、同時にいろいろな問題が一気に重なって、気持ちが追い込まれていきました。自分では「まだいける」と踏ん張っていたつもりでも、周りから見たら限界は明らかだったんだと思います。
そんな時に尊敬している上司のひろむんさんから「一度休んでみろ」と声をかけてもらって。ちょうど大型連休の頃で、思い切ってまとまった休みを取りました。
最初は戸惑いしかなかったけど、「大丈夫。俺がいるから」という一言で肩の力が抜けたんです。「ああ、自分ひとりで背負い込まなくてもいいんだ」と。
休むことで、どんな発見がありましたか?
つばきん:休むことは怠けじゃなくて、次に進むための準備なんだと実感しました。立ち止まって深呼吸するみたいに、気持ちと頭をいったん整える。そうすると、それまで気づけなかったことが見えてくるんですよね。自分は何に向き合いたいのか、どんな接客を大事にしたいのか、仲間とどう向き合うのか、とか。
だから休みも仕事なんだなって。休むことも大事だということを学べました。
ひろむんさんから学んだことで、他にも印象に残っていることはありますか?
つばきん:ひろむんさんからは、お客様への姿勢、仲間への姿勢、組織への姿勢、本当にいろんなことを学びました。その中でも共通しているのが「感謝」と「謙虚さ」。どんな立場でも感謝を忘れない。そして、どんなに状況が良くても謙虚さをなくさない。調子に乗ったら全部崩れてしまうから。だから僕って調子に乗ることもないし、慢心もないんです。
「感謝と謙虚さ」は今の自分の軸になっていますし、ATOM -ROYAL-でも大事にしている考え方です。
感謝と謙虚を軸にした教育方針と考え方
「感謝」と「謙虚さ」が軸になっていらっしゃいますが、これは教育にも通じていますか?
つばきん:はい。感謝と謙虚さは、後輩や仲間を預かる立場になった今だからこそ、より大事にしています。ホストは対人関係の仕事で、人そのものが商品です。ものを売るなら「もののせい」にできますけど、ホストはそうじゃない。
お酒はあくまで提供するものであって、本質は“人と人との関係”なんです。
だから従業員に対する責任は深くて大きい。人生や命を預かるような感覚で、一緒に働く仲間に向き合っています。
実際にATOM -ROYAL-で教育に関わるようになってからは、どのように取り組まれたのでしょうか。
つばきん:本格的に関わりはじめたのは2025年5月からです。最初の2か月は「自分はこういう人間で、こういう教育をしますよ」というスタンスを発信し続けました。上司として立つ以上、人生や命を預かる感覚でいるということを、まず言葉で示したかったんです。
同時に、自分の経験から「ホストクラブは一瞬でつぶれることもある」という現実も伝えました。そのうえで、なぜATOM -ROYAL-がいかに発展しているのかをみんなに理解してもらう。
自信を持って仕事に臨めるように、環境の強みを共有することも意識しました。
その後、教育の指針はどのように変化していったのですか?
つばきん:7月からは法改正の影響もあり、お店全体として刷新のタイミングが来ました。文化が凝り固まっていた部分を変えていくために、自分も従業員もお客様に対しても「人に与え続ける」ことを言い続けました。与えるって、何か大げさなことじゃなくてもいいんです。たとえば「先輩がこう教えてくれたから頑張れている」とか、「先輩を追い越したいと思える」とか。それだって与えた結果。
お客様に対しても同じで、その人に何を与えられるかを考える。形式ではなく、「この人にとって意味のあるもの」を渡すことが大事だと思っています。
僕自身も常に与え続ける存在でありたい。そのために、従業員には言語化して伝えることを大切にしています。
「なぜそうするのか」「それがどう繋がるのか」を共有することで、みんなが自分のスタンスを持てるようになると信じています。
教育方針の根底には、どんな考え方がありますか?
つばきん:根っこにあるのは、「綺麗な花より綺麗な花を咲かせる土になりなさい」という考え方です。僕自身が目立つより、仲間を咲かせる土台でありたい。それに、挑戦して失敗してもいいように「トライ&エラーできる環境は俺たちが整えるから」と伝え続けています。
挑戦の先にしか成長はない。だから安心して挑戦できる空気を作るのが、僕の教育方針なんです。
ATOM -ROYAL-で広がる挑戦
現在『ATOM -ROYAL-』で働かれている中で、どんな魅力を感じていますか?
つばきん:ATOM -ROYAL-は“伸びしろしかない”お店だと思っています。ゼロからイチを作る場所ではなく、イチを10にしていく舞台。すでに基盤が整っているからこそ、次のステージに挑戦できるんです。
例えるなら“偏差値の高い学校”みたいなもので、レベルの高い仲間と切磋琢磨できる。ここにいると自然と刺激を受けて、自分ももっと上を目指したいと思える環境です。
その中で、ご自身はどのような立場で関わっているのでしょうか。
つばきん:僕自身、まだまだキャストとしても挑戦を続けています。目の前のお客様とどう向き合うか、自分の接客の精度を上げ続けるのはずっと課題ですし、そこに終わりはありません。同時に、運営や教育にも関わっています。後輩や仲間に「どう成長してもらえるか」を考え、環境を整えるのも自分の役割です。
どちらも「人と真剣に向き合う」という点では同じなんです。だからこそ、キャストである自分の背中を見せながら、運営としても仲間を支えていきたいと思っています。
最後にこれからホストに挑戦してみたい人へのメッセージをお願いします。
つばきん:ホストは誰にでもできる仕事ではありません。なぜなら、人を傷つけてはいけない仕事だからです。その人の人生にとってプラスになれる存在でなければならない。だからこそ、甘く見てほしくないというのが本音です。
ホストを“人生の通過点”にするのか、“ホストで生き抜く”と決めるのか。その覚悟を持って選んでほしい。
夢、目標、目的。この3つを自分の中でしっかり考え抜いたうえで挑戦すれば、必ず素敵な人に出会えるし、素敵な上司や仲間にも恵まれるはずです。
僕はその入口に立たせてあげたいと思っています。その入口の違いで、出会いの幅も大きく変わるはずです。
ホストはいい加減な気持ちでできる仕事ではありません。だからこそ、誇りを持って、覚悟を持って働きに来てほしい。
僕自身は「こういう上司がいるんだ」と安心してもらうことが、自分の役割だと思っています。
ここATOM -ROYAL-は挑戦する人を受け入れる場所です。誠実に向き合う覚悟さえあれば、必ず成長できるし、未来は開けていく。次にその一歩を踏み出すのを、僕は楽しみに待っています。
本日は素敵なお話ありがとうございました!
つばきん:こちらこそありがとうございました!※本記事は、2025年10月6日時点での取材内容をもとに構成しています。今後の制度やルールの変更により、一部内容が掲載当時と異なる可能性があります。