慎重派でも、まず動く。歌舞伎町ホスト『ROMEO』藤咲龍駕の決断と選択【独占取材】
北海道から上京し、未経験で飛び込んだホストの世界。思い通りにいかない現実や葛藤を乗り越えながら、「後悔しない選択」を重ねてきたといいます。
苦しいほうを選び、近い距離で本気で向き合う。その姿勢の先にあった成長と仲間との絆について、率直な言葉で語っていただきました。
トピック
一人で来た。でも、一人じゃなかった
龍駕さんは上京してホストを始めたと伺っています。
藤咲龍駕:はい、北海道にいました。当時コロナが流行っていたんですが、周りを見ていると商売をやっている人たちがどんどん倒れていく状況でした。一方、関東はもうコロナの波は落ち着いていて、コロナからの脱却に向けて動いていたんです。厳しい中にいたからこそ、「だったら上京しよう」と思ったんです。地元にいても変わらないと思ったし、今動かなかったら後悔するだろうなって感じで。
すでに仕事は辞めてしまっていたので、スーツケース1個で上京しました(笑)
思い切った決断ですね!迷いはなかったのでしょうか?
藤咲龍駕:もちろん迷いはありました。だって30手前だったし、地元を離れるのも怖かったし、年を取るまで地元だと思っていたし……。ただ状況を見た時に「今ここで判断しないと、ずっと後悔する」って思ったんです。その先の不安より、何もしないことのほうが嫌だったんですよ。
今、第2の人生を歩めている感じがあるので、本当に上京を決断して良かったと思っています。
勢いがすごい!
藤咲龍駕:あはは(笑)でも実は「石橋を叩くタイプだ」と言われるんですよ。わからないことがあれば調べるし、人にも相談します。ただ最後に決めるのは自分。
誰かのせいにはしたくないから、一度決めたならやり遂げたいんですよね。
どうしてそこからホスト業界に?
藤咲龍駕:知人の紹介ですね。上京してきたのはいいんですけど、最初は仕事を探してた状態だったんです。地元は田舎でホストクラブがなかったから知らなかったのもあるけど、「俺、これやれんじゃね?」って(笑)
ここROMEOの雰囲気を見て「あ、やってみようかな」って思えたんです。
最初の1~2カ月は「ホストってこんな大変なんだ」って思いましたけど(笑)でも僕は人に恵まれた。周りのおかげで、ここまでになれました。
僕1人で何とかしたわけではなく、周りがいたからこそなんです。
甘くなかった。でも、負けなかった。
ホストを始めた当初はホストの仕事はもう少し簡単かと?
藤咲龍駕:おっしゃる通りです(笑)席についただけですぐ大成、みたいな。そんな感覚だと思っていたらまったく違いましたね。人と関係を築いていかないと、何も作り上げていけないんだなって気づいたんです。「うわぁ、めっちゃ大変だ」って思いました。
大変だから辞めたい、という気持ちは芽生えなかったのでしょうか?
藤咲龍駕:僕は辞めたいという発想はなかったんです。なぜならすごい人たちがたくさん周りにいたから。「こういう風になりたいな」と思う先輩がたくさんいたんですよ。
それと同時に「この人たちに、将来負けないくらいになりたい」と反骨精神も。負けず嫌いなんですよね。
苦しいよりも「悔しい」が龍駕さんのエネルギーに?
藤咲龍駕:そうですね。昔から負けず嫌いだし、ナヨナヨしたくないというか。自分が納得できるレベルに達するまで、やりたかったんだと思います。
あと頑固なんです、僕。自分の意思は曲げないタイプ。こっちって決めたら、こっちといくんです。
自分が納得できるまで。その意思の強さが龍駕さんの今につながっているんですね。
藤咲龍駕:はい!でもそうなれたのも、周りのおかげ。周りがすごかったからなんです。「絶対ここで終わるわけにはいけないぞ」って。
だから3年続けていられるんです。
後悔しないために苦しいほうを選択する
石橋を叩くタイプだとおっしゃいましたが、慎重さと行動力がある印象を受けます。
藤咲龍駕:そうかもしれませんね。勢いで行くタイプに見えるけど、実際は慎重。ピョンピョンいけたら気持ちは楽なんですけどね(笑)
でも最後に決めるのは自分だから。一度選択したら曲げずにとにかく行動。自分で決めたことは曲げたくないですからね。
何かを選択するときに基準としていることはありますか?
藤咲龍駕:「最初に苦しいほうを選ぶ」ですね。最初に苦しい方を選んでおくほうが、絶対あとが楽だなって思ってるんです。なぜなら楽なほうを選んでも、どこかで壁にぶつかるから。
だったら先にきついほうを選んだほうが、後々のメンタルも違ってくるかなって。
実際に苦しいほうを選んだ経験をぜひお伺いしたいです!
藤咲龍駕:ホストを始めたばかりの頃ですね。やっぱり人間なのでどうしてもフィーリングが合わないことってあるじゃないですか。当初、僕は自分と合わないと分かっていても相手に合わせる努力をしていました。これも今思えば苦しい選択なんですけど……。
だんだん仕事に慣れてくると、自分の要領のなかで動けるようになるんですよね。感覚を掴めた、というか。
感覚人間の僕にとっては、地道にコツコツ嫌なことだと思ってもやるしかない。そうしていくうちに自分の気持ちも楽に働けるようになりました。
だから無理をしないようになったんでしょうね。フィーリングが合う方に指名をいただくことが増えましたね。
慣れるまでというと大変な気もしますが……
藤咲龍駕:その先の目標があったから、乗り越えられたんだと思います。ホストの仕事って「夢をしっかり持っている」「意思が固い」ってほうが思いが届くんです。そうするとその思いは形となって返ってくるんです。
だって明日辞めるかもしれないホストって魅力的だと思いますか?そうじゃないですよね。
目標があるからこそ、苦しいほうを選びながらコツコツと。楽なほうばかりを選ぶと停滞するけど、きついほうを選べば「あの時やってよかった」と思えることが多いはずです!
近い距離で、本気で向き合う。
龍駕さんはお店の上層部という立ち位置でしょうか?
藤咲龍駕:そうですね。今は人をみて成長させていくのが課題。とはいえ下の子たちとは距離は近ければ近いほど良いと思っています。特に男の子は、距離が近いほうがお互いやりやすいですし。
「お兄ちゃん」的な立ち位置にいれたらな、と。「なんかあったら龍駕さんに頼ろう」って思ってもらえたらいいですよね。愚痴を聞いてほしいとか、相談したいとか。
そういうやり取りは、現時点で多いなと思っています!
相談されたときはどんな風に対応されるんですか?
藤咲龍駕:「もう~なんだよ~」みたいな(笑)でもその子の状況を整理しながら聞きます。そのうえでズバッと言うときは言いますね。僕は基準が明確なので、優しく寄り添うことも大切ですが、言うところははっきり言うんです。むしろそれを期待してくれる子もいるんです。
龍駕さんだからはっきり言ってほしい、といった感覚なのでしょうか?
藤咲龍駕:そうなのかな?ROMEOには「怒られ待ち」をしている子もいるんですよ。「最近龍駕さんに怒られてない物足りない」なんて言う子もいて。なんだそれ、って思いますけど(笑)
きっと納得感のあるお話をしてくれるから、そうなるんじゃないかと……
藤咲龍駕:そうだと嬉しいですね。僕は「こうしたらいいよ」だけでなく、考え方の話をするようにしています。
価値観の部分が整うと楽になる子って多いんです。一緒に考え方を整理する感じですね。
特に見せ方に対する考え方はよく話をしています。ホストはお酒を伴うから、どうしても陽気にそのときに「自分軸だけ」になっちゃう子もいるんで。
「意識の問題」ではあるんですけど、難しいですよね。だからこそ、どう意識を持たせるか。それが考え方なんです。
「見せ方が変わるだけでどう変わるか」を考える基準にすれば、意識ってできるのかなと!
なるほど。意識を変えるには、まずは考え方から。
藤咲龍駕:そうです。大事なのは、その子の価値観を変えてあげることかなって思うんです。こうしたらいいよ、ああしたらいいよっていうんじゃなくて。その子が考えてることを変えてあげたほうが、その子も楽になりますし。
だからこそまずは耳を傾けることは僕の中でも大事にしています。これは男の子に対してだけでなく女の子にもですね。
慎重でもいい。ここなら動ける
ROMEOは、どんな人が多いお店なんですか?
藤咲龍駕:地方出身で上京した子も多いですね。僕自身もそうです。ROMEOは未経験者も多いのが特徴。僕もですが、ここでホストを始めた子がほとんどです。
「毛が生えたひよこ」みたいな子も、頑張っている子がたくさんいます。
未経験の方が多いROMEOさんだからこその強みは?
藤咲龍駕:仲間意識かな。困っている子がいたら、すぐ声をかける。みんなで助け合う文化があります。もしそのとき対処できなかったら、別の人が助ける。ちゃんとバトンをつなぐ感じです。
苦しい時も手を取り合って乗り越えて来た。東京出身でない子も多いから義理人情というか。そういう固い絆で結ばれているからこそ、入ってきてくれた子たちにも手を差し伸べられるんだと思います。
中には一度辞めてまたROMEOに戻ってきたメンバーもいます。それだけ居心地も良いのかなと思います!長く在籍している子も多いから、未経験がどこで壁にぶつかるかも知っているメンバーも多いんじゃないかと!
ROMEOさんの空気の良さを感じます!
藤咲龍駕:そうですね。もちろんROMEOでのホストの仕事もすごくやりがいがあります。それは「ありがとう」と言ってもらえること。こちら側が「ありがとう」というべきなのに、相手から言ってもらえるんです。
その「ありがとう」が増えてきた時に自信に、そして活力になって次の目標につながるんです。
どんどん目標も出てくる?
藤咲龍駕:そうですね。だけど大切なのはまず動くこと。慎重なのは悪いことではありません。でも失敗するかしないかなんて、やってみないと分からないんです。
それに失敗するまでやり続けたって良い。失敗したと思ってても、自分だったらできるかもしれない。他の人は失敗するよと言っていても、自分だったらできるかもしれない。
そういう自信を持っておくと良いと思います。
何かを決断するなら、まず動くこと。自分で選ぶ覚悟さえあれば、ROMEOではみんなちゃんと向き合ってくれますよ。
自分で選ぶ覚悟、だから動く。何かを始めるのに大切な言葉ですね。本日は素敵なお話ありがとうございました!
藤咲龍駕:こちらこそありがとうございました!※本記事は、2026年3月2日時点での取材内容をもとに構成しています。今後の制度やルールの変更により、一部内容が掲載当時と異なる可能性があります。