歌舞伎町で新しい風を!『NiCK』ICCHOが古着屋だけではなくホストのプロデュースも目指す理由【独占取材】

今話題のホストさんをご紹介する本シリーズ。
今回は『NiCK』のICCHOさんにお話をうかがいました!
『NiCK』は歌舞伎町で新しい旋風を吹き起こそうとしているホストクラブ。
そんな勢いのある同店に、クリエイティブディレクターに就任することで話題を集めたのがICCHOさんです。
ICCHOさんは『KODONA』という古着好きで知らない人はいない古着屋を経営する、いわば原宿のカリスマ。
そんな彼がなぜホスト業界に足を踏み入れたのか、このインタビューで深堀しています!
トピック
スターを目指すカリスマの存在を歌舞伎町のホストクラブに感じた

―NiCKではクリエイティブディレクターに就任されていますが、以前はどういったお仕事をされていたのでしょうか?
ICCHO:現在もですが、『KODONA』という古着屋を経営しています。古着屋の経営をしつつ、スタイリスト兼フォトグラファーとしても活動しています。
その影響か、僕の古着屋には「服を選んでほしい」といった子の来店が後を絶ちませんでした。中には今俳優として活躍している、成田凌さんや岩井拳士朗さんがいます。
実際に何人かスタイリストをさせていただく中で、若い子たちが雑誌に載って羽ばたいていく姿を応援するのが自分はとても楽しく感じまして……!
「古着屋をやってる」っていうよりは、「スタイリストの仕事を古着屋でやってる」という感覚で仕事をしているんです。この仕事は天職だと思っています。
その人の魅力を服を通して引き出すのがスタイリストの仕事の本質。そう考えると、僕はプロデュースが好きなんだと思います。
―今後はホストもスタイリストやプロデュースしていくということでしょうか?
ICCHO:そうしたいという希望があります。ホスト界隈をチェックするようになって、歌舞伎町という街にかつて原宿で感じたギラギラやカリスマを感じました。
昔の原宿って雑誌に載ってスターになりたい子で溢れていました。そういったスターを目指す若者の存在を今の歌舞伎町に感じるんです。
「自分がこの業界で一番になってやる」「自分にしかできない表現をしたい」など。かつて僕に服を選んでほしいと依頼してくれた、成田凌さんや岩井拳士朗さんにも感じたものです。
あと、僕がスタイリストであり続けるのは、自分が選んだ服を着た子たちが羽ばたく姿に感動を覚えたから。
自分が服を選ぶことによってその人自身が、自信を持って自己表現できるし、周りからもよく見られる。自分が服を選ぶことによって、その人の人生が変わっていくことに喜びを感じたんです。
スターを目指してギラつく子が溢れるホスト業界というフィールドで、僕のスタイリストやプロデュースが発揮できたらと思います。
―プレイヤーとしても働かれていらっしゃいますか?
ICCHO:ええ。現在(2024年6月時点)でホストを始めて2ヶ月、右も左も分からない原宿から来た人間が何を言おうと、所詮原宿の世界でのロジック。
歌舞伎町でも通用するってことを自分自身が実証しないとただの机上の空論でしかないんです。なのでまずはプレイヤーとして売れっ子になりたいなと!
それにプロデュースするために、歌舞伎町の女性がどういうことを求めているのかを知る必要があります。
データを集めれば、どんな格好をすれば男の子が一番輝けるか、売れるか、総合してプロデュースできると思っています。
データを取るためにも、自分自身がホストの仕事にちゃんと向き合っていく必要を感じています。
原宿のカリスマがホストに目を向けたきっかけ

―ホスト業界に目を向けたきっかけを教えてください。
ICCHO:ABEMAの『愛のハイエナ』です。僕と同い年の山本裕典さんがホストをやっているのをみて、「36歳でもホストができるんだ」って思ったんです。
それで思い出したんです。僕も一時期ホストを目指した、やっていた時期があったことを。実は12年ほど前に僕は一度ホストにチャレンジしたんですよね。
―以前もホストをされていたんですね。
ICCHO:ええ。今から10年以上も前で、丁度古着屋を始めるタイミングでした。フリマが成功して古着屋の経営に踏み切ろうとしていたんです。
その古着屋の物件を探していた時に少し期間が空きまして、古着屋を本格的に始めたら自由に動き回ることは不可能。
だったら今じゃなきゃできないこと、今までやったことないことをやってみたいと思って、歌舞伎町でホストを始めてみたんです。
その時の歌舞伎町はスーツをびしっと着て、大人の女性を相手にする今とは少し違う世界。僕は原宿では知名度があったけど、歌舞伎町では相手にもされませんでしたね。
しかも僕が働いたホストクラブは伝説のNo.1ホスト・信長さんという方が代表。
信長さんはファッションの話も僕と同等のレベルでできるし、経営者のお客様がたくさんいらっしゃって、そういった経営のコンサルの仕事もホストクラブでやってしまうすごい方でした。
―あの信長さんが在籍されるホストクラブで働かれていたんですね。
ICCHO:そうなんです。僕の中ではホスト=信長さんのイメージが強く、ホストに抱いた印象は頭のいい人が売れるということ。
自分はまだまだそのレベルには達していないと感じました。
そして、ちょうど在籍していたホストクラブの合併が決まったタイミングで、探していた古着屋のテナントが見つかったんです。
そのタイミングでいつかまたホストに挑戦したいと言う思いを胸にしまって、古着屋を始めました。
そこから12年の時を経て、愛のハイエナでふたたびホストの世界に魅了されたわけです。
―12年前のホスト業界と今のホスト業界を比較するといかがですか?
ICCHO:僕が働いていた時とは服装も年齢層もすべて違います。
例えば服装で言うと、当時はスーツが一般的でしたが、今はカジュアルなファッションもベースにあります。
カジュアルな服装になると当然若い子たちも働きたくなるわけで、まずホストの年齢層が若返ったなと思いました。
働くホストの年齢層が下がっているので、必然的にお客様の年齢層も変わります。
それに、『NiCK』も含めて他のホストクラブの子たちを見ていて、昔以上に夢や野望を持ったギラギラしたイケてる若い子が集まっていると感じます。
モチベーションの高い子たちがたくさん集まっているのが、今の歌舞伎町ですね。僕から見ても尊敬できる後輩、後輩というか年下の方がたくさんいます。
数ある歌舞伎町のホストクラブの中からNiCKを選んだワケ

―なぜNiCKを選ばれたのでしょうか?
ICCHO:YouTubeをチェックして、まず応募するホストクラブを4店舗に絞りました。
元々原宿で仲が良かった人たちがいる店舗と、ホストの年齢層が高い店舗。それから一緒に働いてみたい人が在籍する店舗、そして『APiTS』です。
まずは一緒に働いてみたいホストが在籍しているホストクラブの店長にDMをしてみました。ただ「36歳で副業だとホストとしては厳しい」と返事をいただきました。
年齢はどうしようもないと前向きに次へ進んだ先に、『APiTS』の動画で社長の凰華麗を知るわけです。
ちょうど『NiCK』の立ち上げ期で新店への思いや新たなる挑戦を語っていました。僕自身も新しいことにどんどん挑戦することが好きです。
その話を聞いて凰華麗と僕の考え方の本質やベクトルが似ていると感じました。気が付いたら彼にDMを送っていましたね。
―ICCHOさんからアプローチされたんですね。
ICCHO:ええ。DMを送ったら「会いましょう」と返信をいただき、体験入店後にご飯へ行きました。そこで話したら、もう2人のベクトルがしっかり合っていたんです!
―凰華社長も以前「考えが一致した」とおっしゃっていました。
ICCHO:そうなんです。考え方の本質も似てるし、僕のお店『KODONA』のテーマである「子供みたいな大人でずっとあり続けたい」という理想像に凰華麗は当てはまるなって!
凰華麗はやりたいことにまっすぐな人。お金で動く人ではなく、やりたいことや夢に一途なピュアな人間だなって。
経営者になって友達付き合いが減っていったんですが、「凰華麗とは友達になりたい」って思ったんです。
こういう感情を抱いた人って今まで出会ったことがなかったし、「この人と一緒に働いたら、何かができそうだな」と思って『NiCK』へ入店を決めました。
―やはり一緒に働く人は大事ですもんね。
ICCHO:ええ。それに麗くんだけではなく、『NiCK』で働くとあるホストを見て「ホスト業界って昔以上に面白くなったんだな」って感じました。
それが総支配人の慶くん。彼の存在も『NiCK』へ入店する大きな決め手のひとつですね。
慶くんのビジュアルって、アパレル業界でもかっこいいと思われるレベル。ファッションセンスもアパレル業界の人に負けていない。けれどそのビジュアルでホストってめちゃくちゃ面白いなって。
慶くんみたいな人が世に知られれば、もっとホストに興味を持つ人って増えるんじゃないかと思ったんです。
麗くんと慶くんがいなかったら、僕は違うホストクラブに入店していたかもしれません。
自身を「愛の戦士」とたとえるICCHOが考える愛

―プロデュースに向けてプレイヤーとして働かれていますが、実際プレイヤーとして働いてみていかがですか?
ICCHO:はじめは正直、僕は原宿では割と人気があるほうだから、今の自分でも歌舞伎町の女性にはウケるかなって思っていました。でも1週間で全くウケないことに気づきました。
それでホストをはじめて2週間目には、自分を歌舞伎町に寄せていきました。髭を剃ってみたり、髪型も歌舞伎町に寄せてみたり、接客もホストっぽさを意識したり。それでも全然駄目でした。
これはショックでしたね。原宿だったらレベル50でも、歌舞伎町ではレベル1。今の自分のままでは駄目だと痛感し、毎日毎日どうしたらいいか真剣に考えました。
プライドを捨てて、麗くんにも慶くんにも、他の若いホストの子たちにもいろいろ質問しました。失礼ですが麗くんのお客様にもアドバイスをいただきましたね。
自分なりに試行錯誤の1ヶ月を駆け抜け、結果として気づいたのは「僕はホストではないな」ってことでした。
―ホストであるが、ホストではない、詳しく教えてください。
ICCHO:ホストに寄せたところで自分の魅力がどんどん減っていくだけということに気づいたんです。
そこで、改めて自分の魅力について考えました。まず立ち返ったのは、なぜ僕は人をプロデュースしたいのかということ。その答えは「人に喜んでもらいたい」でした。
その時に、僕の一番の武器は人を応援したい、喜んでほしいという思い。これは誰にも負けない自分だけの気持ちだと気づいたんです。
この考えから、まずは僕を好きになってもらうために、「その人を全力で愛したい」「応援したい」っていう気持ちを込めて、目の前のお客様に向き合うようにしました。
―素敵な考え方ですね。
ICCHO:実際に他のホストの接客を見ても、お客様に愛情を感じてもらえれば、その人は自分のことを好きになってくれると気づきました。
今までの僕は、人の悪いところばかりを探して生きてきたなと反省しましたね。
そこからは、その人を応援したい、愛を持って接したいっていう気持ちにおいては歌舞伎町のホストの中でも一番を目指すように努めています。
その部分で一番になれれば、売れっ子ホストになれるんじゃないかなって、僕はちょっとだけ自信を持てました。
―考えを変えたことにより、どのような結果が得られましたか?
ICCHO:初回で送りをもらえるようになりましたし、愛をもって接すれば男女問わず仲良くなれるなってことに気づきました。
好きな人のことって知りたいから質問が自然と出てくるけど、ホストを演じているとあまり出てこなかったんです。
本当に好きになろうと思って人とコミュニケーションを取ると、自然と話す内容って考えなくても出てくるし、ただ相手の好きなところを口に出していればそれが褒め言葉になる……。
分かりやすく言うと、愛を伝えていることになるんです。接客の本質は愛。これはホストに限らず、古着屋の仕事でも同じことが言えます。
今は、プライベートでもこの気持ちを大事にしています。お客様だけでなく、キャストであったり、SNSでも伝えていきたいなと考えています。
僕は愛の戦士です(笑)
―ホストだけでなく接客業全般で「愛」は重要かもしれませんね。
ICCHO:日本人って嫌われたくないという考えが根底にあって、人と人との距離が縮まらずに終わることが多いと思うんですよね。
これは僕の話になりますが、ホストを始める前は10年以上付き合った彼女がいたこと、それに仕事第一優先だったこともあって女性とのコミュニケーションを絶っていたんです。
ホストを始めてからお別れしましたが、これってポジティブにとらえると、僕にはそれだけ人に愛情を注げるという実績があるんですよ。
もっといろんな人に愛情を注いでいってみたいなって思いましたし、逆にバネになってホストの仕事を楽しめるようになりましたね。
NiCKのクリエイティブディレクターとしての野望

―クリエイティブディレクターとしてこれからNiCKで挑戦したいことはありますか?
ICCHO:歌舞伎町の人間にスポットを当てたメディア活用です。
今の構想としては、歌舞伎町の素敵な人をYouTubeといったメディアを使って紹介したいですね。対象はホストに限らず、美容師でも経営者でも。
魅力的な人を平等に紹介することによってホストの偏見がなくなるのかな。
そういうのを見て『NiCK』で働きたいっていう男の子が増えたら嬉しいし、女の子たちがこの子に会ってみたいと思ってくれたら嬉しいです。
麗くんも言っていますが、ホスト業界の窓口を広げたいという思いは僕にもあります。窓口を広げられるような活動をするにあたって、まずは自分が実績を出したいなっていうのが一番です。
―SNSを活用したプロデュースも考えていらっしゃるんですね。
ICCHO:YouTubeをはじめ、今の時代、SNSの本当の使い方はファンづくりだと僕は思っています。
もちろん自分を知ってもらうってことも大事ですけど、それ以上にファンになってもらわないと、フォロワーが多くてもただ見られているだけの存在になってしまうんです。
どれだけファンを増やせるかは、見た目や容姿だけではなく、自分の考えや思いの発信も必要だと思います。そういうところも考えていけたらなと思います。
―ICCHOさんご自身の野望はありますか?
ICCHO:2つあります。1つは僕の魅力だけでなく、『NiCK』で働いているスタッフの魅力をもっと引き出して伝えていくこと。
それが実現すると、女の子だけでなく男の子たちにも夢を見せられるような、リードできる存在になれるのかなと。
そのために、僕のYouTubeチャンネルをフル活用して、歌舞伎町のカルチャーをみんなに知ってもらいたい気持ちもありますよ。
まずはあまり何か大きなことを考えず、できることから、全力でやっていけたらなって思います。
―2つ目を教えてください。
ICCHO:2つ目は凰華麗を刺激する人間になることです。
僕は麗くんとの出会いが、人生の再スタートのきっかけになりました。彼への恩返しは彼を刺激する人になることなのかなと思っています。
―ICCHOさんの歌舞伎町でのご活躍、楽しみにしています。本日はありがとうございました!
ICCHO:ありがとうございました!僕はみんなに愛と元気を届けたいです。女性だけでなく男性も会いに来てください!