完璧じゃないから、話を聞ける。歌舞伎町ホスト『LIFDRASIR』朝比奈珀が大切にする距離感【独占取材】
綺麗ごとで自分を飾らず、運営に携わる理由も、仕事への向き合い方も、まっすぐに語る珀さん。
完璧を求めすぎず、すぐに詰めるのではなく、相手を見ながら距離を取る。その言葉からは、厳しさだけではない、話を聞いてくれる人がいる安心感が見えてきます。
男子校のような仲の良さと、人に熱い従業員がいるLIFDRASIRの空気。未経験で不安を感じている方にも知ってほしい、珀さんの距離感とお店の魅力を伺いました。
トピック
一度離れた時間が、歌舞伎町に戻る自信になった
珀さんは上京してすぐホストに?
朝比奈珀:いえ、全然!地元では親戚の仕事を手伝っていたんですが、ある時おじいちゃんに「東京に行ってこい」と言われて。それで東京に来ました。当時10代。やっぱり手元にお金があると使ってしまうわけですよ(笑)それで仕事を探そうと思って、歌舞伎町にある無料案内所に入ったんです。「仕事を紹介してください」って(笑)それで紹介されたのがバーでした。
そのバーで働いている時に、お客様から「ホストをやった方がいいよ」と言われることが多かったんです。
でも、その時のオーナーさんにお世話になっていたので、裏切るわけにはいかないなと思っていました。ただ、そのオーナーさんからも「ホストをやりたいならやってこい」と言ってもらえて。それでホストを始めました。
当時は別のグループでした。今でもそのオーナーさんとは仲が良いですよ!
1店舗経験してLIFDRASIRに?
朝比奈珀:いえ、一度歌舞伎町を離れているんです。ちょっと休もうと思って地元に帰りました。本当はすぐ戻ってくるつもりだったんですが、先輩に人手が足りないから手伝ってほしいということでキャバクラのボーイもしました。
1年地元にいたんですが、YouTubeを見ていると「やっぱりホストいいな」と。一度ホストを離れたからこそ、わかるものがあるというか。自信があったんです。
俯瞰で自分を見れた?
朝比奈珀:それもありますが、一番は地元の先輩に人間性を教えてもらったこともあります。最初にホストしていた時は、あまり言われなかったんですよ。そういう人間性について。でも僕自身、本当はわがままで気が強かった。若かったこともありますが、人の言うことを聞きたくない節もありました。
でも唯一言うことを聞こうと思えたのはその先輩。いろいろ怒ってもらえたし、視野も広がりました。大人になれたんですよね。
だから「ホスト、今だったら多分もうちょっとできるかな」と思えたんだと思います。
ホストをまた始めるにあたり、東京に戻る際は新幹線の駅まで、先輩をはじめ働いていた店のオーナーさん、従業員何十人かで見送ってくれました。
長文LINEが来て「今まで一緒に働いたボーイの中で一番仕事ができたし、期待してるからあんなに怒ったんだ。もう一回一緒に働きたいけど、やりたいことがあるんだったら応援してるから」と書いてあって。
今でも感謝していますね。来てすぐコロナで、少し期間は空きましたが、いろいろ体入に回ってLIFDRASIRにしたんです。
LIFDRASIRの決め手はなんだったのでしょうか?
朝比奈珀:体入に来た時に秋田出身の上司がいることが分かったんです。その前にもたくさん従業員がついてくれて、仲良くなって。めっちゃ乾杯しました(笑)みんな歓迎モードで。気づいたら入店を決めてた、みたいな感じです(笑)
綺麗ごとにしないまま、今の立場を選んだ
コロナや法改正など、歌舞伎町に戻ってきた後はいろんなことがあったと思います。
朝比奈珀:そうですね。特に法改正の時は「もういいかな」って思ってしまったこともあります。やる気がなくなったわけではないんですが、正直なところ、時代に合わせる自信がなかったんです。ネガティブなことも言ってしまったし、何回も辞めようと思っていました。
あのとき自由出勤の話がなかったら、辞めてたと思います。
運営側になったのも、いろいろな思いを経て?
朝比奈珀:運営の話をもらって運営にも携わることを決めたのも、(柊木)アルトがいるから。(天宮)真沙斗さんたちにも誘われても、運営をやろうと思わなかったんですよね。運営、みんな大変そうだと思っていたから。
でも同い年で仲がいいアルトがやるなら、ということで決断できました。
でも今は、安定してお仕事をされているように見えます。
朝比奈珀:そうですね。運営になってからのほうが、ホストとしてうまくいっていることもたくさんあります。やっぱり毎日いるので、指名してくださるお客様も安心というか。積み重ねができているから、うまくいっているんですけどね。それに運営の目線って、活かせる仕事がくさんあると思うんですよ。だったら今からその目線に慣れておくことも大事だなって。
結局、自分のためなんです。お店が好きだからとか、そういう綺麗な理由ではないです。ただ、お店にいる以上大事にしたい関係性があるんです。
というと?
朝比奈珀:僕、歌舞伎町は上辺だけだと思ってたんですが、ここはそうじゃない。仕事と関係がなかったら、きっと全員とめっちゃいい友達になれたと思います。それはLIFDRASIRに来て6年間ずっと感じていることです。
それに大人になってできる友達っていないじゃないですか。アルトは特に休みの日でも普通に遊ぶくらいの関係なんです。
仕事、仕事、仕事になりすぎるより、そういう人との関係性は大事にしたいと思っています。
自分は変わらないままでいたいんですよね。それで合わないと思われるなら仕方ないですけど、無理に自分を作るより、そのままでいたいです。
見ているから急ぎすぎない。珀さんが大切にする距離感
運営になってから、従業員への接し方で意識されていることってありますか?
朝比奈珀:あんまり従業員に対して強く言わないようにはしてますね。よほどのことじゃなければ、うんうん、というぐらいの感覚で聞いてる感じです。「ルールはあるからね」ぐらいの感覚なんです。
人に対して怒るっていうのが苦手というか……
強く言うのは得意ではない?
朝比奈珀:そうですね。人に完璧を求めるなら、自分も完璧でいないといけなくなるじゃないですか。それが性格的に息苦しくなってしまうんですよね。もちろんダメなものはダメだけど、自分にもそういう時があったので、棚に上げて怒ることはできないんです。
だったら今すぐ変えようではなく、いずれ変わってくれたらいいな、と見守っている感じですね。
見守ってくれる人がいることで、安心する方もいると思います。
朝比奈珀:そうだといいかな。僕は本来感情型の人間なので、昔はもっと面倒を見ていたこともあります。少し外れているような子とか、うまくいっていない子を見ると、放っておけないところがあって。
でも多分甘やかしすぎたんでしょうね、辞めていく子も多かったんです。だから今は一歩引くことも大事だなって。
近づきすぎないことも、珀さんなりの向き合い方なんですね。
朝比奈珀:そうですね。近づきすぎず、でも見捨てすぎない距離感。面倒を見ても辞めていく子を見てきたので、また裏切られたって思ってしまうのも嫌なんです。だから、ちょっと引いて感情移入しすぎないようにしているところも正直あります。
でもだからこそ、話を聞くことはできると思うんです。みんながみんな厳しく言う感じだと、ちょっとしんどいじゃないですか。一人くらい、うんうんって聞ける人がいてもいいのかなって。
男子校みたいで人に熱い。LIFDRASIRの空気
珀さんは距離感を大切にされているんですね。
朝比奈珀:器用ではないので、本来誰とでも仲良くできるタイプではないんです。でもここには本気で向き合える人がいます。特に真沙斗さんとは、本気で言い合える関係なんですよ。厳しいことを言われたんですけど、ちゃんと向き合ってくれたから僕のことも理解もしてくれたんだと思うんです。
人に熱い子がめっちゃ多いですね。ちょうど昨日、(吹雪)瞬が「この人たちは悪くない、僕が悪い」と従業員を守る場面がありました。
自分が犠牲になってでも従業員を守る人がいる店って、やっぱり強いと思うんですよね。
普段は無駄に仲いいですけどね!男子校みたいです(笑)お客様も、そんな従業員同士の空気を楽しんでくれているなと感じます。
素敵な関係性なんですね。
朝比奈珀:LIFDRASIRには、「リブスラ飯」という定休日の前日の営業後にご飯を食べる機会もあります。いわゆる男飯みたいなご飯を内勤さんが作ってくれて、従業員みんなで食べるんです。未経験の子とか、最初は従業員と仲良くなるのが難しいじゃないですか。だからそういう制度があることで、気兼ねなく仲良くなるきっかけになるんだと思うんです。
それに毎週違う料理が出るから楽しいですよ!無料なので、お金がない時期でも助かると思います。
馴染めないんじゃないか……といった不安もなくなりそうです!
朝比奈珀:そうですね。今まで何店舗か経験しましたが、この店は、例えば誰かしら話を聞いてくれたり、仲良くしてくれたり、いい店だなって思うんです。誰かしら面倒を見てくれるという安心感はあると思います!孤立しきってしまう心配は少ないと思います。
最後に今後の展望をお伺いしたいです!
朝比奈珀:拡大移転後はフロアが広くなるので抜け目ないように見ていきたいなって。あとはこの店の空気を守り続けるリーダーを育てていきたい。自分だけが見るのではなくて、ちゃんと人を見られる人が増えたら、お店としてももっと良くなると思います!
今後も楽しみですね!本日はありがとうございました!
朝比奈珀:こちらこそありがとうございました!※本記事は、2026年8月7日時点での取材内容をもとに構成しています。今後の制度やルールの変更により、一部内容が掲載当時と異なる可能性があります。