歌舞伎町ホスト『Guild』天色りょーたがつくる「異世界」。今の自分から変わっていくための土台【独占取材】
剣を飾った店内など、「異世界」の世界観を徹底しているGuildには、まずお店を知ってもらい、記憶に残るお店にしたいというりょーたさんの考えがあります。
かつては人見知りで「ホストには向いていない」と思っていましたが、仕事を続ける中で目標や夢を見つけてきました。現在は、日々の「当たり前」を積み重ねながら変わっていくことや、仲間と一緒に頑張ることを大切にしています。
Guildの店づくりや育成、仲間と過ごす「ラスト青春」、そしてこれから実現したい未来について伺いました!
トピック
「異世界」にしたのは、まず知ってもらうため
お店の内装、すごいですね……!
天色りょーた:ありがとうございます!「異世界」という世界観に合わせてかなりこだわって作ってる感じはありますね。
壁紙もそうですし、瓶みたいな小物にも細かい可愛さがあったり、場所によって雰囲気を変えたりしています。
モニターも異世界っぽい映像を流しているんですよ!
なぜここまで「異世界」という世界観を作り上げたのでしょうか?
天色りょーた:僕自身がアニメとか好きなのもあります。ただ、「アニメのお店」って言っても、アニメをあまり見ない人にはよく分からないじゃないですか。今は異世界系のアニメも多いですし、「異世界」ならアニメを知らない人でも「異世界って何だろう?」って興味を持ってもらえるかなと思って。
ホストクラブ自体が非日常みたいな空間なので、そこに異世界を掛け合わせたら面白いんじゃないかなって考えました。
ネットで見かけて、「なんか聞いたことあるな」くらいでも、それが一つのきっかけになると思うので。
Guildという店名も、異世界の中では分かりやすい言葉かなと。
※ギルド……集会場や総合案内場を意味し、アニメの世界では情報交換や仲間探しをする場になる
アニメ好きな人だけではなく、知らない人にも興味を持ってもらえるように考えているんですね。
天色りょーた:そうですね。知っている人なら「異世界のギルドね」って分かるし、知らない人も「Guildって何だろう?」って興味を持って調べてくれる。それが一番いいなと思っています。自分の「我」を大事にすることも必要ですけど、世の中に合わせることも大事だと思っていて。自分が好きなものだけを作るのもいいですけど、結局みんなに知ってもらえなかったら自己満で終わっちゃうじゃないですか。
だから、自分の好きなものを入れながらも、来てくださる方にも楽しんでもらえるものを作っていきたいですね。
知ってもらうことを一番大事にしてるんですか?
天色りょーた:はい。歌舞伎町には200店舗以上のお店があると言われていますし、王道のお店もたくさんあります。そんな中新しくお店を始めていくうえでは、まずみんなに知ってもらうことが一番大事だと思っているんです。
安定したものだけだと埋もれてしまうこともあると思うので、こういう世界観にしたことも一つの挑戦です。
店内に剣を飾っているのも、印象に残ってもらうためですね。お酒を飲んだ次の日でも「あ、昨日剣があるところに行ったな」って覚えてもらいやすいと思うんです。全員に「いい」と思ってもらうのは難しいので、インパクトも大事かなと。
お店の正式名称も『Guild ~俺だけがホストに転生した件について~』とサブタイトルまで付けていて、そこまで含めて「なんだろう、このお店?」って気になってもらえたらいいなと思っています。
働いているキャストにもアニメ好きが多いので、働く側も楽しいし、同じものが好きなお客様にも楽しんでもらえるかなって。
今は「内装すごいね」と言ってもらえることもありますし、少しずつ知ってもらえているので、やってよかったなと思っています!
「ホストは向いていない」と思っていた自分が、夢を見つけるまで
そもそもなぜりょーたさんはホストに?
天色りょーた:実は「ホストはやらない」と思ってたんです。ただ時給がよく……(笑)軽いバイト感覚だったんですが、いつの間にか本気になっていました。
大阪から出る気もなかったんですが、ホストを続ける中で行動範囲が変わっていって。福岡に行ったあと、東京に出てきました。ホストをしていなかったら、ここまで動いていなかったと思いますね。
ホストとして働くうちに「目標を持つことの楽しさ」に気づいたんですよね。
それまでは夢みたいなものもなかったんです。仕事を続ける中で、やりたいことや夢が生まれていった感じです。
ホストをやらないと思っていたのはなぜでしょうか?
天色りょーた:人見知りだったからです!最初は全然向いてないと思ってましたね。でも続けていくうちに変われたんですよ。
だから今の自分だけを見て「向いてない」って決めなくてもいいのかなと思いますね。
それはご自身が変わった経験があるから?
天色りょーた:そうです。僕はホストってRPGみたいだなって思うんですよ。
RPGって、基本は最初は弱い状態から始まるじゃないですか。そこから修行したり、いろんな経験をしたりして強くなっていく。
ホストもそれに近くて、自分次第で変えられるよっていう。この仕事は一番自分次第だと思うんで……!
最初からできなくていい。「好き」やオタク気質も強みになる
りょーたさんはどんな人に「一度ホストに挑戦してみてほしい」と思いますか?
天色りょーた:アニメとかゲームが好きな子って、結構引っ込み思案だったり、大人しかったりするじゃないですか。そういう子がうちの店に挑戦してくれて、変わってくれたらいいなと期待しています。
しかもアニメとかゲームが好きな子って、かっこいい子も多かったりするじゃないですか。ポテンシャルがあるのにもったいないなって思いますし!
ゲームやアニメが好きな人の、どんなところがホストにも活きると思いますか?
天色りょーた:一つのことを極めたい人って、ホストにもハマりやすいと思うんですよね。そういう子は負けず嫌いな子も多い。ホストで絶対大事な力を持っていると思うんです。磨けばかっこよくなりますし!
ゲームでも好きなものでも、夢中になったらどんどんやり込むじゃないですか。ホストも「何をやればいいか」が比較的分かりやすい仕事なので、その集中力とか極めようとする気質は活かせると思います。
それにアニメやゲームの話が接客中にできるし、相手の好きなものに寄り添おうとすると、自分が知らなかったものにも興味が広がっていくんですよね。
りょーたさんのようなトーク力も後から磨ける?
天色りょーた:そうですね。全然変えられる部分だと思います。手っ取り早いところで言ったら、テレビとかバラエティを見ることですね。面白いからみんな見るわけで、そこには絶対面白いヒントが隠れてると思うんですよ。
僕もお笑いや漫才を見ていて、「こういう言い回し面白いな」とか「こういう返し、面白いな」とか考えます。
会話ってその場のスピード感が大事じゃないですか。あとから「あのとき、こう返せば面白かったな」って思うこともあると思うんですけど、その場ですぐ言葉が出てくるかどうかは、自分の中にどれだけ引き出しがあるかだと思うんです。
知らない言葉は出てこないですし、例え話も相手が分かるものじゃないと伝わらない。
だからバラエティでもYouTubeでも、楽しみながらいろいろ見て、自分の中に言葉や発想を増やしていくのは大事だと思いますね。
面白いものを見てない人が、面白いことできるわけないじゃないですか。
ホストは自分を変えられるお仕事なんですね。
天色りょーた:そうですね。求人で「ぬるい環境じゃない」と言っていますが、あれは怖がらせるつもりはなく「そのくらい変われるよ」という意味。
きっかけだと思うんで、本当に……!
チャンスを掴むために、まず「当たり前」を積み重ねる
ホストを育てるうえで、大事にしていることはありますか?
天色りょーた:チャンスを掴める土台を作っておくこと。タイミングとかチャンスって、いつ来るか分からないじゃないですか。でも、そのタイミングは自分で掴みにいかないといけないものだと思うんです。
じゃあどうやって掴みにいくのかって言ったら、普段の積み重ねや行動ですよね。
例えばチャンスが来ても、仕事に行ってなかったり、見た目をちゃんとしてなかったりしたら逃しちゃうじゃないですか。本当は選ばれたかもしれないのに、その準備ができていなかったら別の人を選ばれてしまう。
だから、ちゃんとチャンスを掴める状態を作っておくことは大事にしてほしいですね。
僕自身も基本的なことをすごく大事にしていますからね。
キャストがうまくいかないときは、どう支えているんですか?
天色りょーた:そういう子は、異世界に冒険に連れて行きますね(笑)……というのは冗談ですけど、大事なのはやっぱり普段からの積み重ねだと思っています。だからこそ普段から「こうやってやっていこう」って考え方を共有して、関係を作っておく。
積み木と一緒で、土台をしっかり広く積んでおけば、少し崩れてもまた積み直せるんですよ。逆に一本だけ高く積んでいたら、一気に崩れたときに立て直すのが大変じゃないですか。
何も関係性がない状態で崩れてから急に修復しようとしても難しいので、やっぱり普段が一番大事だと思います。
だからこそ、土台が大事なんですね。
天色りょーた:そうです。良くないところは、良くないところとして改善点は伝えます。でも嫌なことばかり言われたら、気持ちも下がっちゃうじゃないですか。
だから、どちらかというとポジティブにはさせてあげたいですね。
その土台がポジティブになることで、自分から悪いところを改善できる場合もあると思うので、僕はそっちを期待したいです。
ただでさえ悩みやすい仕事ですし、まずはマインド作りというか、ホストとしてだけじゃなくて「人として」の部分も伝えられたらいいなと思っています。
だから、僕自身もいいお手本でありたいですね。
りょーたさん自身がお手本?
天色りょーた:そう、人って何歳になっても周りから影響されると思いますし!キャストたちに口酸っぱく何かを言うことはあまりしませんが、僕が基本を大事にしてたんで、それがみんなに伝わってるんじゃないかなって。
だからちゃんと出勤するとか、見た目を整えるといった当たり前をまずやる。話術を磨くのは、その次のステップだと思います。
一人では限界がある。仲間と過ごす「ラスト青春」
Guildのキャストって、どんな人たちですか?
天色りょーた:仕事に真面目に向き合ってくれる子が多いなって思いますね。ちゃんと仕事のスイッチを持っていて、仕事に対する意識が高い子が多。一人ひとり良い個性も持っていますし、みんな頑張り屋さんです。
まだ思うようにいっていない子でも、「こうなりたい」「頑張りたい」っていう気持ちはすごく伝わってくるんですよ。
そうやってホストとして形にしたいと思って、ちゃんと動けている人を大事にしたいんです。
頑張り屋さんでも時には頑張れないこともあるのでは?
天色りょーた:そうなんですよね。自分のためだけだと、いつか限界が来ちゃうんです。自分も疲れちゃうし。でも誰かと「一緒に頑張ろう」のほうがいけるんですよね。
一人でドミノを積んでても、絶対いつか心折れるじゃないですか。文化祭とかも、みんなで「これやろうよ」って同じものに向かうから楽しいじゃないですか。
一人だったら途中で投げ出しちゃうことも、みんなでやっていたら「もうちょっと頑張ろう」って思える。
だからこそ、仲間を大事にしたい。手厚いサポートを用意するのはそれが理由なんです。
ホストは個人プレーではない?
天色りょーた:そうです。個が強いのは大事なんですけど、それだけだと限界が来ます。簡単に例えるなら、海賊王を目指す某漫画。みんな強いけど、あのメンバーが集まってるから強くなってるわけであって。一人だけやったらどうなん?ってなっちゃう部分がありますよね。
ちゃんと一致団結するのは大事だなと思います。
みんなで頑張る今のGuildは、どんな場所だと感じていますか?
天色りょーた:高校時代みたいな、青春をもう一回やってる感じがありますね。ホストって、割と最後の青春みたいなものだと思うんですよ。「ラスト青春」。もう一回青春できる場所。
そのうえでみんなの夢を叶えられる場所にしたいですね。
今夢がない子には、ここでいい夢を見つけてほしいですし、ホストを始めてから「こうなりたい」と思うものができたなら、その夢を叶えていってほしい。
僕自身も、最初から夢があったわけじゃなくて、ホストを続ける中で目標ややりたいことを見つけてきたので。
みんなの夢を叶えられるようなものを僕が作れたら、みんなも嬉しいと思いますし、それが結果的にお店にもつながっていくと思います。
最後に、これから挑戦する方へメッセージをください
天色りょーた:スターホストって、これからもっと出てくると思うんです。そこは信じてますし、みんな夢をつかんでほしいですね。でもやっぱり最初の一歩は、自分から踏み出してもらうことになると思います。
どれだけかっこいい子が家で眠ってても、僕から家までは行けないんで(笑)行ってあげたい気持ちは山々なんですけどね。
でも、飛び込んできてくれれば、後悔のないものを作ってあげたいですね。
最初は不安も多いと思いますけど、勇気を出して一歩飛び込んできてほしいです!
※本記事は、2026年9月30日時点での取材内容をもとに構成しています。今後の制度やルールの変更により、一部内容が掲載当時と異なる可能性があります。