人と人として向き合うために。歌舞伎町『ASCENT』一ノ瀬絢が変えてきたこと【独占取材】
一ノ瀬さんはネガティブだった自分を、まず笑うことから変えてきたというホストさん。お客様との関係、後輩への伝え方、周囲との連携も、経験を重ねながら少しずつ選び直してきました。
自分の得意・不得意を認め、すべてを一人で抱え込まず、その時できる方法を考える姿も一ノ瀬さんの魅力です。
「人と人として向き合う」という言葉の奥にある接客や後輩との関わり方、そしてASCENTを選んだ理由をお届けします。
トピック
笑うことから始めた、ホストへの再挑戦
一ノ瀬さんはどのような経緯でホストに?
一ノ瀬絢:高校を中退してからニートをしていて。どうしようかなってなってる時に、知り合いの女の子に誘われたんですよ。その女の子が「ホストの知り合いがいるんだよね、一緒にお客さんとして行ってみる?」って言ってくれて。それが、今お店を率いる黒咲ハルが働いていたお店だったんです。
ただ22~23の時に1回ホストを上がりました。その間はバーで働いたりバンド活動をしていたり。
バンドが解散したあとは、一時期ボーイズバーでも働いていました。でもなかなかうまくいかなくて。そんな時に前のお店の人たちに誘われてホストを再開。それが30歳になる年でした。
ブランクがあった中での復帰は大変ではなかったのでしょうか?
一ノ瀬絢:気分的には新人みたいな感じですよ。時代も変わっちゃってるし、客層も絶対違うだろうなとか、お酒の価格帯とかも違うだろうなとか。
もう全部が自分が知ってるホストクラブとは違ったんで、自分がまずは変わらなきゃなって。
自分が変わる?
一ノ瀬絢:昔、僕めちゃめちゃメンヘラだったんですよ。でもこの仕事やるうえで、ネガティブな人と一緒にいると、相手も引っ張られてネガティブになっちゃうじゃないですか。
だったらポジティブでいたほうがいいなって思って。
だから最初は無理してポジティブにいることから始めました。笑うのって得意ではなかったんですけど、無理して笑ったりすると、いつの間にかそれが自然にできるようになって。「あ、こっちのほうがいいじゃん」って。
今は本当にポジティブになったし、だいぶ変わったかなって感じですね。今は基本的に「ノー」がないんですよ。
ノーがなくなると、何かメリットが?
一ノ瀬絢:新しいものに出会えることですね。何事も1回でも経験しないと、何もわからないじゃないですか。例えば、映画にしても、いつもだったら見ないジャンルの作品もすすめられたら観てみる。面白かったら自分も好きになれるし。別に面白くなかったとしても、こういうのもあるんだっていう経験値になるし。
食べ物とかも基本的に食わず嫌いはしないようにしてます。1回食べてみて、嫌いだなって思ったら二度と頼まなきゃいいやみたいな。でももしかしたら美味しいって思うものに出会えるかもしれないじゃないですか。
そういうものに出会えないほうがもったいないなと思っちゃうようになりましたね。
今は「基本楽しければ何でもよくない?」っていうスタンスです。
一人ひとりとの関係を、長く大切に
接客の点でも何か変化が?
一ノ瀬絢:めちゃめちゃ変わりましたね。若い時は結構がっつく接し方をしていて。それで相手とぶつかることも経験してきました。
今はがっつくというより、せっかくこう出会えたからこそ長い関係でいられたほうが良くない?という考えになりましたね。だから予算を聞いてそれに合わせたり。
関係の長さを重視?
一ノ瀬絢:そうです。僕からしたら、お店に来てくれる時点で嬉しいことなんですよ。ホストって決して安いことではないと思っているし。
もちろん自分の思いを伝えることもありますが、毎回毎回そうするわけじゃないんです。
長く関わっていれば、「こういう人もいるんだ」ってわかるし、こういうことをされたら嬉しいとか、これはちょっと嫌だったなとか、一人ひとり違うってことがわかってくるじゃないですか。
そういうのも全部、自分の経験値になると思っています。
一人ひとりとしっかり向き合っていらっしゃるんですね。
一ノ瀬絢:僕は1人ひとりと関係を大切にしたいタイプなんですよ。一気にたくさんの人とというよりも、目の前の人としっかり向き合うことを大事にしています。今来てくれているお客様は、多分そういう僕の接し方を好んで来てくれているんだと思います。
でも、ホストクラブに来るお客様の中には、ちょっとがっつかれたいっていう人もいるじゃないですか。
そう考えると、がっつけないところは自分の弱点でもあるのかなって思いますね。自分なりに模索しながらやっています。
相手を見ながら、伝え方を変える
自分も変化を経験したからこそ、後輩キャストさんに伝えられることも多そうですね。
一ノ瀬絢:そうですね。僕は、後輩に対してあえて厳しく言うこともしています。もちろん厳しく言って折れなさそうな子に対してですが……潰れちゃったら意味はないなって思うんで。新人には、特に優しく言うようにしていますよ!
ある程度長く働いてたら厳しい言い方も選択肢には入れますけど、やっぱり最初の右も左もわかんないような段階で言っても仕方がないんです。
使い分けですかね。アメとムチじゃないけど。
一人ひとりを見て判断、ということですね。
一ノ瀬絢:もちろん営業中に急ぐ必要がある場合は、理由を説明する前に「いいから行って」みたいに指示をしちゃいます。でも終わった後とかに、さっき言ったのはこれだったんだけどっていうのは説明するようにはしています。
僕は理論派ではなく感覚派なので、感覚でやっていることを聞かれたときは、理論的に説明できる人に教えてもらうようにしていたりもしますね。
そうやって周りに頼ることもありますけど、後輩には「脳死で働くな」とは伝えています。
僕は完全につけ回しを管理されるのもあんまり好きじゃないんですよ。それをやると僕自身も脳死しちゃうし、プレイヤーも自分で周りを見て考えなくなっちゃうと思っていて。
考えながら動けるように?
一ノ瀬絢:そうですね。例えばヘルプに入っても全く知らない話題になる時ってあるんですよ。そういう時はどう入っていいかわかんないなって思ってしまうと思うんです。でもわかんないなりに相槌やリアクションはできるはずなんです。
それがあるかないかで、存在感が薄まるか濃くなるか変わります。そういうことも伝えているんです。
「できない」で終わらせず、今できることを考えるんですね。
一ノ瀬絢:そうなんです。ヘルプも「ちょっと苦手そう」っていうだけで行かないのは、もったいないなと思います。
まず1回ついてみないとわからないじゃないですか。
その上で何か失敗したんだったら、ちゃんと謝ればいいし、その次にどう挽回するかを考えればいい。
経験しないままだとわからないことも多いんで、まずやってみることは大事だと思っていますね。
もう一度動ける場所として、ASCENTを選んだ
一ノ瀬さんは再挑戦の場になぜASCENTを選ばれたのでしょうか?
一ノ瀬絢:昔一緒に働いていた黒咲がいたから、っていうのももちろんあります。前の店では、自分がだらけているのがわかったんですよ。後輩指導もほぼしないし、「何でもいいんじゃん」みたいな感じになっていて。自分のためにもなってなかったなって。
前の店がなくなるってなって、いろいろ考えたときにASCENTはまだ発展途上のお店だからこそ、自分が今まで経験してきたことを生かせるんじゃないかって思えたんです。
黒咲からも「絢なりのやり方で、一緒にお店を盛り上げていこうよ」って言ってもらって。それなら僕もやりがいがあるなと思って選びましたね。
自分の体調面も考えたうえで、無理なく続けられるようバイトみたいな形ででいいんだったらぜひ働きたいですっていうのを伝えて。OKしてもらい、今は週3はマストで出勤をしています。
でもやるからにはちゃんとやろう、仕事で見せよう、とまた配信をしたりいろんな動きをしていますね。
黒咲さんからはどんな期待を?
一ノ瀬絢:一緒に良くしようっていう部分で求められているかなっていうふうに思ってますかね。彼が言ってることって確かに的を射ているんですが、不器用ではあるのでそこを補ったり。それに彼がやっぱり気づかないものとか、僕が気づくものとかもあるじゃないですか。それをまず彼に相談したり。
昨日の営業とかも、まさにそういう話したりしていました。営業後とかに喋らない日はないんじゃないかなっていうくらい、何かしらは話してますね。
逆に、このお店については僕より長くいる人たちの方が絶対に詳しいので、運営の人にも聞いたりもしていますよ。
運営さんもうまく頼る、ということですね。
一ノ瀬絢:そうです。プレイヤー寄りではありましたが僕も運営部にいた経験があるし、プレイヤーの意見を運営に落とし込むこともしていました。僕自身もそうですが、自分勝手にやっても良くないんです。そこで不快に思われて、内部でギクシャクするほうがデメリットなんです。
特にASCENTはアットホーム。小箱ならではの良さがあり、基本的には楽しくできるところです。だからこそ、頼るべきところは頼っているんです。
なんでも1回は経験しないとわからないと思うんですよ。自分が動いてみないとわからないことがあるので、まずは体入に来てみてほしいですね。ASCENTは仮入店という制度もありますから、話を聞くだけではわからないことも見えてくると思いますよ!
※本記事は、2026年8月25日時点での取材内容をもとに構成しています。今後の制度やルールの変更により、一部内容が掲載当時と異なる可能性があります。