自分を変え続ける。その背中で伝えていく。歌舞伎町ホスト『VOGUE』零王が大切にする向き合い方【独占取材】
昼職からホストの世界へ飛び込み、必要だと思ったことはすぐ行動に移してきた零王さん。
自分には厳しい一方、失敗や周囲との衝突を経験した今は、自分の正解を人に押しつけることはありません。
支えてくれた人への思いや後輩との向き合い方から、まず自分が動き、その背中で大切なことを伝えようとする零王さんの人柄に迫ります。
トピック
「変えたいなら、自分を変える」から始まった
零王さんはホストの前は九州の大手企業にいらっしゃいましたよね。
零王:そうなんです。でも当時から会社の先輩には「ホストしたほうがいいよ」ってずっと言われてたんです。別に二枚目キャラでもなかったですし、女の子と遊ぶタイプでもなかったんですね。だから最初は「何を言ってんだよ」って思ってたんですよ。
倫理観もみんなと一緒だから、ホストというものにも特段良い印象もなく……
ホストを調べ出したのも、「ホストしたほうがいいよ」と言われた1年後くらいなんです!
どうして1年経って調べようと?
零王:当時は友達も、彼女もいて、仕事もうまくいっていました。でも燃え尽き症候群というか。高校時代に甲子園予選を終えてから、何かに打ち込んでいたわけではなかったんです。
仕事は簡単ではなかったけど、充実はしてたんです。ただ、どんなに頑張っても10倍、20倍になるわけじゃないんで。「このまま終わっていいのかな」って気持ちはありました。
その時に「そういえばホストやったほうがいいよって言われてたな」って思い出したんです。
それがきっかけで調べるようになって、YouTubeで天音さんと隼人誠さんの存在を知りました。
「この人たちと働きたい!」と思って、歌舞伎町に上京しようと思ったんです。VOGUEのオープニングと重なった時期でしたけど、その頃は「どこでもやれるだろう」くらいに思っていて。オープニングだからどう、というところまでは深く考えてなかったですね。
中洲という選択はなかったのでしょうか?
零王:そうですね、やっぱり隼人さんと働きたいと思ったので……中洲も体入には行ったけど、やっぱり隼人さんに惹かれたんですよ。わざわざ北九州まで来てくれて。初対面で鼻の整形をすすめられたときは「大丈夫か?」って思ったけど(笑)
当時九州では整形ってメジャーじゃなかったから、整形には偏見もありましたね。今は鼻はしてますけど……!
隼人さんの人柄が心を動かした?
零王:そうです。歌舞伎町に来て2~3ヵ月うまくいかない時期を過ごして……それで鼻も整形しました。僕は整形よりもホストとしてうまくいかないほうが怖かったんです。
隼人さんに最初に鼻の整形をすすめられたときも「顔だけじゃないですよね」って思ってたし。改めて「どうすればいいですか」って聞いたら、やっぱり鼻の整形をすすめられて。
人生をかけて歌舞伎町に来たんだから、感情に任せるんじゃなくて、ちゃんと考えて行動しないとなって。それで決断して、次の日には病院に行きましたね。
ダイエットもそうです。もともと90kgくらいあって。いろんな先輩にアドバイスをもらう中で、「まず痩せないと」と思って。
自分でも分かってて、それで変わらないのってもったいないじゃないですか。
それに「頑張りたい」と口で言ってたとしても「ご飯を食べるのも我慢できないやつが何いってるんだ」ってなるじゃないですか。
僕は女性への接し方が特別うまいタイプではありませんし、この仕事に向いているとも思っていません。
だからこそ、自分ができるのは「努力量」。まずできることを全部やるしかないんです!
失敗を重ねて、人には人の頑張り方があると知った
お話を聞いていると、本当に自分に厳しいんですね。
零王:そうですね。でも昔は、その厳しさを周りにも求めちゃっていたんですよ。自分が頑張っていると、「なんで頑張れないんだよ」って思っていました。自分がちゃんとやれてるなら、周りもできるはずだって、そう思ってたんでしょうね。
今は全然そんなふうには思わないですけど、昔はあんまり優しくなかったと思います。
僕、うまくいっていない時に隼人さんに「無理すんなよ」「頑張ってるの分かってるから、自分の時間とか、映画とか趣味とか作ってリラックスしなよ」って言われたことがあって。
隼人さんって普段は厳しい人なんですけど、その時は珍しくそう言ってくれて。でも当時の僕は、その言葉を優しさとして受け取れなくて。逆ギレしました(笑)
でも今なら、あれは隼人さんが優しさで言ってくれたことだって分かりますけど。
今は当時の隼人さんの気持ちが分かる、と。
零王:そうですね。ありがたみというか、自分がすごい子供だったなって。少し経って、自分の調子が良くて、逆に周りがうまくいっていない時期もあったんです。
その時は「自分は頑張ってるのに、なんでみんなそんな感じなの?」って思って、お店を辞めようとしたこともあって。隼人さんたちがしてくれていたことにも、全然気づけてなかったんですよね。
優しさって、その時には分かんないですよね。でも自分も傷ついたり、悲しい思いをしたり。そういう同じ立場を経験してから分かるんです。
分かりやすく言うなら、骨折したことがある人にしか骨折した時の気持ちって分かんないじゃないですか。
後輩を持って、初めて分かるんですよね。
自分が同じ経験をして初めて、「あの時、隼人さんもこんな気持ちだったのかな」って思えるようになったんです。
それにシンプルに考えたら、人って頑張れる時と頑張れない時があるんですよね。これは自分を含めてですけど!
頑張れる時と頑張れない時?
零王:そう。頑張るって、人によって基準も違いますし。なんなら、みんな生きてるだけで頑張ってると思うんですよね。僕もホストを休んだ時期がありますし。
だからこそ、他人に頑張りを求めるのではなく、自分が頑張ったほうが楽なんですよね。
そういう思いを経て、後輩への伝え方も変わりました。
あるんですよ、正解は。「ここでやったらもっと通じるのにな」って、見えてる時があるんです。
でも、それを強制したり、教えたりするのは違うと思ってるんです。
それはどうしてですか?
零王:僕が怒ってると、それを見て育つんで、後輩も下の子に怒っちゃうんですよ。せっかくなら、お互い楽しくいたいじゃないですか。
だから、自分の正解を押しつけない。それが今の考え方ですね。
自分が先に動くからこそ、背中で伝えられる
自分の正解を押しつけない分、後輩キャストにはどのように大切なことを伝えているんですか?
零王:やっぱり、自分が先にやることだと思います。まずは自分が見せないと、周りにも言えないじゃないですか。
よくある例えですけど、富士山に登ったことないやつに、富士山の登り方って教えられないと思うんですよ。自分がどこまで頑張れるかによって、後ろについてくる子たちも変わると思っていて。
自分が幸せになれるレベルが10だったら、僕の後ろについてくる子たちは10以下にしかなれないと思うんです。
自分のためにやることがチームのためになるし、チームのためになることが自分のためになるんです。
後輩のためにも、自分のためにも、まずは自分がやる。
零王:そうです!自分がちゃんとやって仕事で見せないと、言葉に信ぴょう性もないですからね。だって「もっと頑張ろう」って言ってる本人が何もしてなかったら、説得力ないじゃないですか。
それに隼人さんはお店のために、僕にはできないことをいろいろやってくれています。
だから僕は、プレイヤーとして自分にできることで示さないといけないなって。
後輩に背中を見せるうえで、大切にしていることはありますか?
零王:僕がホストを始めた頃、先輩から教えてもらった言葉があって。うまくいくと、自分が偉くなったように勘違いすることもあるけど、周りが支えてくれて成り立ってるんだよって。
「お前一人の力じゃないんだよ」っていう考え方を、今でも大事にしています。
調子がいいときに、どうしても周りに横柄な態度をとってしまう子っていると思うんですよ。そういう姿を僕は見たくない。
だから僕が先に行動する。そうすれば先輩が僕に背中を見せてくれたように、僕も見せられるかなって思うんです……!
零王さんが見せたい「背中」って、どんな姿なんでしょう?
零王:大変な時でもちゃんと頑張って、ニコニコやってる姿ですね。最近、頑張ってる子たちもいるんですよ。
そういう子たちにしてあげられることって、優しい言葉をかけることじゃなくて、本当に背中を見せることだと思ってます。
「零王さんがあんなに頑張ってるのにニコニコやってるなら、俺ももっといけるな」って思ってもらえるじゃないですか。
そう思わせてあげることが、自分の役目だと思っています。
支えてもらった経験を、今度は誰かを支える力に
零王さんはどうしてそこまで人のために頑張れるのでしょうか?
零王:結局自分に返ってくるところもありますが、やっぱり隼人さん、天音誠さん、芹沢こうきさんに人生を変えてもらったからだと思います。辛い時とか、苦しい時に助けてもらったこともあって。何より「この人たちの力になりたいな」って思ったのが大きいですね。
上に立つと、背負うものが多くなって、弱音を吐けなくなっていくのに、この人たちは弱音を吐かないんです。
僕が本当に辛い時に肩を貸してもらったから、今度はその人たちが辛い時に、僕が肩を貸せるような関係でいたいんです。
そこまで信頼できるのは、皆さんがどんなふうに向き合ってくれたからなんですか?
零王:特に隼人さんとの関係って、人生を本にするなら、絶対に重要人物じゃないですか。上司だし、尊敬する人だし。でも、友達にもなりたいなっていう関係の人なんで。上司と後輩だと、完璧でいないといけないのが当たり前ですけど。本当に肩を取り合って、一緒に歩んでいきたいなって思える人なんです。
隼人さんって、みんなに人として関わってくれるんですよね。「そんな相手にしなくても……」って仮に思うことでも、ご飯に連れて行ったり真剣に怒ってあげたり。すごくまっすぐ向き合っているなって感じるんです。
素敵な関係ですね。
零王:僕が隼人さんに対してそう感じているように、後輩にも僕に対して「出会って良かった」って思ってもらえたら良いですよね。後輩が頑張ってる時には協力したいし、できることがあるなら力になりたいと思っています。
しっかりお金を稼がせることも大事だと思うけど、お金が全てではないと思うんです。本人たちが幸せだったら、それでいいかなって今は思います。
零王さんから見て、VOGUEはどんなお店ですか?
零王:僕は、ここだからこそ頑張れてると思っています。隼人さんはもちろんですけど、後輩のみんなにも本当に支えてもらってます。
TikTok見て入ってくれた虎雅もそうだし、「僕と働きたい」と海外から帰ってきた誠那も、いつもヘルプについてくれる結も。ここで働いてるみんなの名前を、出してあげたいぐらい力になってくれてるんです。
外からは僕自身のことを褒めてもらうこともあるんですけど、僕は逆だと思っていて。周りのみんながいるからこそだと思ってるんで、それは伝えたいですよね。
あと、情に厚い子が多いんですよ。僕が悲しんでて笑うやつって、誰もいないと思いますし、僕もそう。
VOGUEはまっすぐな子とか、やる気のある子は合うお店だと思います。本当に働いていて楽しい。定着率は高いですよ!
僕自身も昔は分からなかったことがたくさんありましたけど、人と関わって、傷ついたり支えてもらったりしながら考え方が変わりました。この半年でも、人として成長したと思っていますし、これからももっと変わっていきたいと思っています。
だから、まっすぐに頑張りたいと思ってる子には、すごくいい環境だと思います!
本日は素敵なお話ありがとうございました!
零王:こちらこそありがとうございました!※本記事は、2026年9月10日時点での取材内容をもとに構成しています。今後の制度やルールの変更により、一部内容が掲載当時と異なる可能性があります。