歌舞伎町『MILDROUS』五十嵐俊が育む、人にプラスを返せるホストとは【独占取材】
「人にプラスを与えたい」という言葉の裏にあったのは、綺麗ごとではなく、自分が落ちる瞬間まで理解したうえでたどり着いた仕事観。
型にはめずに人を育てる姿勢、「ちょっと上」を積み重ねて普通のレベルを引き上げていく考え方、そして代わりの利かない人間を育てたいという思いからは、五十嵐俊さんという人の強さが見えてきました。
五十嵐俊さんの言葉をたどることで、その想いが少しずつ形になっていくMILDROUSの未来も見えてきます。
トピック
「人にプラスを与える」に行きついたワケ
いがしゅんさんは以前より「人にプラスを与えたい」という言葉を一貫してお話しされている印象です!
五十嵐俊:そうですね。「人にプラスを与えたい」と思うようになったのって、実は「ストレスなくやりたい」っていうところからなんです。今の僕は、毎日の仕事でストレスがほぼないんですよ。じゃあ、なんでそうなったんやろって辿っていくと、最初にストレスの原因を自分で潰したからなんです。
ストレスの原因を知るってことはまず自分の事をめっちゃ知る必要があるじゃないですか。
自分がどういう時にしんどくなるのか。そこを考えた時に気づいたのが、僕って「何もしない時間」だったんです。
何もしない時間?
五十嵐俊:そう。考える時間が増えたり、何も動いていない時間があると、結構落ちちゃうんですよね。だから「じゃあ何かしよう」ってなったんですけど、自分のために何かするっていうのは見つからへんくて。
でも、「人のためやったら動けるな」って思ったんです。ヘルプについたり、やることがなかったら洗い物をしたり。
誰かのために動いているほうが、僕の中では落ちにくいんです。
「人のために動く」ほうが、俊さんにはしっくりきたんですね。
五十嵐俊:そうですね。結局、僕は何かをすること自体が好きだし、してあげることが好きなんやなって気づいたんです。ホスト復帰時に在籍した店に入ったばかりの時も、やることがないのが嫌で、ずっとヘルプに回り続けていました。ちょっとでも時間が空いたら、その隙間に洗い場を何往復もして。
そしたら周りから「なんか凄い奴おるぞ」って見られるようになったんです。でも僕からしたら、無理して頑張ってる感覚はなくて。
無理をしているわけではなく、それが俊さんの「一番良い状態」を保つ方法だったと。
五十嵐俊:はい。結果的に自分から先に与えて、あとから与えてもらうという僕の理想の形になったし、結果的にお客様への姿勢もそうなっていきました。だから「人に与える」っていうのは、僕の中では決して綺麗ごとじゃないんです。そうすることが、自分にとって一番ストレスなく走り続けられる形やったんですよね。
最初から立派なことを考えていたわけじゃなくて、「自分が落ちるなら落ちへんようにしよう」が先でした。
でも、それを続けていると結局、自分にも大きなプラスとして返ってくるんですよ。
人のために動いて、それが積み重なって当たり前になった時に人より一歩上に行ける。
だから僕は、周りのみんなにもよく言うんです。「ちょっと上に行こうぜ」って。
いきなり大きく変わるんじゃなくて、まずは昨日より今日、ちょっとだけ上。その「ちょっと」を積み重ねるほうが、自分にも合ってるし、周りにも伝えやすいんです。
「ちょっと上」なら自分に負担を掛けすぎず、でも頑張れそうです!
五十嵐俊:あんまり目標が高すぎると、しんどくなって折れちゃうこともあるじゃないですか。だから、気づいたら前より上におった、くらいの感覚が一番嬉しいんです。
自分もしんどい時や落ちる瞬間があるのが分かるからこそ、無理のない形で続けるのが一番やと思うんです。
どうすれば前向きにいられるか、どうすれば人にプラスを与えられるか。それを大きい話じゃなく、小さな行動で積み重ねていく。
僕はそのやり方が、一番自分らしくて、しっくりきているんです。
五十嵐俊が大切にする「自分を知ること」
いがしゅんさんは精神面でも安定している印象があります!
五十嵐俊:先ほども言った通り、メンタルを保つには「自分を知る」って一番重要やと思うんです。ホストって、どうしても精神的に波が出やすい仕事じゃないですか。だからこそ、自分がどういう時に落ちるのかを知って、その上で、じゃあそうならないためにどう動くか。そこを考えることが必要なんですよ。
その、自分の気持ちを一定以上に保つために工夫をしてるんです。
一定に保つ仕組み?
五十嵐俊:たとえば、昼に出る、太陽を浴びる。お酒もベロベロになるまで飲まないとか。そういう状態管理をかなり細かくやっています。「運が良い人」って、ただ待ってるだけじゃなくて、チャンスが来た時に掴める位置にずっと居続けられる人やと思うんです。そのためには、毎日全力でいられる状態を自分で作って、キープしておかないといけないんですよ。
精神論ではなく、物理的に「良い状態」をキープし続けるということですね。
五十嵐俊:そうです。良い時と悪い時を比較すると、良い時を継続する方が伸びるんですよ。それと同時に、ちっちゃい幸せに気づける感度が高いと、チャンスが来た時に気づけるんです。
僕自身、気持ちが沈んだ時に何かしてみようとか。昼に起きて太陽を浴びるとか。そういう工夫を意識的にやってるんです。そうすることで、落ちない状態を作ってるんですよ。
なるほど、万全な状態=運を掴める体制の準備ですね。
五十嵐俊:僕も最初からこうだったわけじゃないんです。自分がどういう時に落ちるのかを知って、その上で、じゃあそうならないためにどう動くか。そこを意識的にやってきたんです。だから結局、自分を一定以上の状態に保つには何が必要かを分かっておくのが大事なんですよ。
そこが分かると、気持ちを一定以上で続けやすくなるし、結果的に伸びやすくなるんです。
型にはめない。自分らしく伸びる環境
いがしゅんさんが後輩の育て方で意識していることはありますか?
五十嵐俊:昔は答えみたいなものを教えてたんですよ。でも、それやと人が伸びにくいなって思って。今は、ヒントを与えるほうが人は伸びると考えてるんです。
やっぱり答えを渡し過ぎちゃうと、その子のオリジナルがなくなってしまうんです。教えた人の型にはめ込むことになるから。
決めつけるんじゃなくて、その子の能力を自分でもっと分かってもらう。その中で、伸び伸びやってもらうほうが良いなって思うんです。
だからこそ基本をまずはしっかり教えます。そのうえで先輩の良いところを見て盗んで、それを自分の形に変えていく。
明らかに違うことは違うって言いますけど、基本はやっぱり基礎、基礎、基礎ですね。
基礎を固めたうえで、自分なりの形を見つけていく感じなんですね。
五十嵐俊:そうですね。だからこそ成功体験ってすごく大事で。先ほども言った通り、良い時を継続しているほうが伸びる。そのためにも、気持ちを切らさずに続ける「心の継続」が重要なんです。
やるのは本人たちなので、心の中までは僕は見えないじゃないですか。だからいつも裏で「気合い入ってる?」「気合い入れてけよ」って声を掛けるんです。みんなは「なんか言ってんな」って思うかもしれないですけど。
一定以上の状態で気持ちを持ち続けて仕事に取り組む。しんどいなと思った時も、「でも何かあるかもしれない」っていう気持ちで、次のステップアップに行く。
その「心の継続」ができないと、体にも目つきにも全部出るんですよ。
たしかに「気持ち」は何をするにも大切ですね。
五十嵐俊:僕もうまくいかない時に「やばい」と裏で言うことはあります。でもやっていることは良い時と同じ状態。だから「絶対もうちょいしたら来るから、見てて」「絶対もうちょいしたら転機来るから」ってみんなに言うんです。そうするとほんまにそういうことが起きるんです。
後輩たちは、うまく行かない状態からの成功体験を見ている。「俊さんやばいっすね!」って言う子もいますが、それって運が来る状態に保てていることを示せていると思うんです。
運が来る状態を作っておけばチャンスが掴みやすいということでしょうか?
五十嵐俊:そうです!チャンスを掴める状況にまず自分を置くこと。そのうえで、来た時にちゃんと掴むこと。頑張ってる子って、やっぱり周りも見てるんですよね。そういう子には上層部をはじめ先輩たちも自分からヘルプに付いてくれますから、余計にチャンスもつかみやすいかと!
自分のことを気にかけて手を差し伸べてくれる人がいる環境は安心ですね。
五十嵐俊:未経験は特にそうですよね。未経験って実は武器なんですよ。何も知らないからこそ、ちょっとしたできごとにも喜べる。その喜びって相手に伝わります。
新鮮な気持ちでゼロからスタートできるのは、すごく良いことなんです!
ちなみに毎日「会いたい」とたくさんのお客様がいらっしゃるハクも未経験スタートなんですよ!
MILDROUSで代わりの利かない人間に
いがしゅんさんは、MILDROUSでどんな未来を作りたいとお考えですか?
五十嵐俊:一番は「楽しい現場」。「そんなに熱量いらんやろ」っていう子ももちろんいるんですけど、その子もその子で楽しくやれてたらいいと思うんですよ。でも、もっとやりたい、もっと上に行きたいなら、もっと教えますし。やっぱり人って、ちょっとずつしか上がらないと思うんです。
そのうえで一般的な「普通」以上の人間を育てていきたいと思っています。それでおいて、その普通のレベルを上げていく。
みんなって、誰かが作った普通の中におるじゃないですか。でも、そこじゃなくて、「俺らの当たり前ってこれやけどね」っていう基準を上げていきたいんです。
そうすることで「だから俊さんに運が寄ってくるんだ」って気づかせてあげたいんですよ。
僕だけでなく、みんながあっと驚くようなホストを輩出する。そういう奴がおる集団になって下にそれを伝えてくれれば、ストレスなく働けるのかなって。もちろんストレス0なんてことはないですけど!
普通以上ということは、ホストとしての魅力だけでないところも重要になってきそうですね!
五十嵐俊:その通りです。ミーティングでよく言うんです。「代わりの利かない人間にならないと。30を超えて代わりの利くような人間だったら、20代が選ばれる。じゃあ30を超えたときに何を残して来たのかが重要。君みたいなやつはおらへんって言われる人間になれ」って。
代わりの利かない人間になってもらうことが僕の目標でもあります。僕も昼の仕事をやってた時に、いろんな人を見てきたんですけど、代わりの利かない存在ってほんまに少なかったんですよ。
みんなと同じことしてたら、結局同じところに落ち着きます。だからこそ、ちょっとでもいいから人よりやる。
みんなに平等に平等に用意されているものは時間。その中で頑張れる力・継続する力だけは持ってほしい。当たり前よりもちょっと上のレベルになってほしいなって思うんです。
コツコツやれる子はホストでもホスト以外でも強い?
五十嵐俊:そうですね。僕はヒントをたくさん与えるので、そこで継続してやってもらえれば!チャンスの掴める位置に自分を置けるようになって、MILDROUSで可能性を広げてほしいですね!
未経験でも、馬力があって素直にやれる子なら、全然変わっていけると思うんです。すぐに活躍するのも夢じゃないですから!
今後の俊さんをはじめ、MILDROUSの未来が楽しみですね!本日はありがとうございました!
五十嵐俊:こちらこそありがとうございました!※本記事は、2026年4月17日時点での取材内容をもとに構成しています。今後の制度やルールの変更により、一部内容が掲載当時と異なる可能性があります。