感情ではなく思考で向き合う。歌舞伎町『MILDROUS』美怜が築く信頼の形【独占取材】
熱量や勢いで押すのではなく、経験と思考から作った自分のやり方で人と向き合う美怜さん。
自分の強い部分を理解しているからこそ、感情のまま動かず、マイナスを残さない接し方を大切にしているといいます。
お客様との関係性、仲間との距離感、そして後輩に向ける厳しさ。言葉をたどるほど見えてきたのは、甘さだけではない愛情と、自分なりの形で上を目指す静かな強さでした。
経験から作った、ブレない向き合い方
美怜さんは落ち着いた雰囲気がありますね。
美怜:MILDROUSは本当に熱量が高くて、数をこなすみたいなタイプの人間が多いんです。でも僕のスタイル的には、まず思考から入って行動に移すタイプ。その分、体力的にも疲れないんです。無駄なことをしたくないんですよ。
思考を大切にするきっかけがあったのでしょうか?
美怜:昔は失敗してきたホストを見たり聞いたりしたんで、自分はこうはならないようにしようって思ったんです。それが大きいですね。あと、昔はテレビとかYouTubeで勉強したりしてたんですよ。でも意味ないなと思って。結局、何を見ても、インプットしてアウトプットしなきゃいけないじゃないですか。その過程で忘れちゃう人が多いと思うんです。
だから僕は本当に、自分の思考回数と成功体験を基に動いてる感じですね。
僕も数をこなして頑張った時期もあったんです。でも、これじゃ意味ないなって思い直して、やり方を変えたんです。
経験が積み重なってくると、理解できるというか。「これは違うな」みたいな感覚が出てくるんですよ。
だから、やり方をルーティン化してるんです。感情で動かないから、ブレないんですよ。
感情で動かない?
美怜:自我は強いんですけど、自我は出さないんです。自我を出していいことはないなって思ってるので。僕は性格的に強く出すぎてしまうこともあります。基本は優しいけど、そういうのをなくすために、感情でいかない。
自分の強さを理解しているからこそ、人と向き合う時は感情ではなく、経験から作ったやり方で接するんですよ。
自分の強さを理解することって大事なんですね。
美怜:そうですね。自己分析は結構していると思います。こう言ったら相手に何て思われるやろなとか、その相手が自分をどういうポジションで見てるのかっていうのも、わかって言ってるんですよ。
それに人間、一番ストレスを抱えてる時に嫌なこととか、やりたくないことをやった時に成長するな、って。シンプルにそれだけなんです。
みんながやりたくないなと思って逃げることから、あえて逃げないようにしてたらみんなと違った人間になれるかなみたいな。
その意識はずっと変わってないですね。
マイナスを残さないことが、信頼になる
美怜さんは自分を理解しているからこそ、力の抜き方も上手な印象です。
美怜:僕は先行投資をしないタイプなんですよね。だから先回りするよりも、まずはお店を楽しんでもらうことをメインに考えています。お客様が自分に向けてくれた気持ちに対して、どれだけ与えられるかを考えているので。
まずはお店を楽しんでもらう?
美怜:どんだけ先行投資をしたりお客様との関係を作ったりしたとしても、お店が楽しくなくて、そこでマイナスな感情が生まれてしまえば意味がないと思うんです。まずはお店に来てくれたら楽しいって思ってもらえることによって、マイナスな気持ちにさせないことが大事。
効率を考えてヘルプを頼んだり頼まなかったりする方もいると思うんですが、僕はどのお客様も平等に楽しませたいなと思ってるんです。
だから忙しさがピークであっても、楽しんで帰ってもらうっていうところは結構重きを置いてます。
お客様に楽しんでもらうために、あえて意識していることはありますか?
美怜:プラスな感情を作りだそうとするよりも、マイナスな気持ちを生み出さないほうが信頼につながると思うんです。だから最初から等身大の自分を伝えてるんですよ。自分のマイナスな部分もプラスな部分も両方伝えてるんで、「あの時ああ言ってたのに今違うじゃん」がないというか。
自分はこういう人間だからこういうこともあると思うみたいな感じで伝えてるんで。そういう不満を持たれることはないですよ。
最初からブレないようにするからこその信頼?
美怜:そうですね。僕は嫌われることも恐れないから、ズバズバいけるタイプ。だからこそ、無理に盛らない。相手と自分との間でズレを作らないことが大事ですね。そのほうが長く信頼してもらえると思いますし。
嫌われることを恐れず、懐に入る
お話を伺っていると、美怜さんは人との距離の取り方も上手な印象を受けます。
美怜:そうですね。昔から、先輩にも後輩にも可愛がられてきたタイプではあると思います。懐に入るのは、めっちゃ得意ですね。先ほども言った通り、僕は嫌われるのを恐れないタイプ。だから結構誰に対しても懐に入れるようにズカズカいけてしまうんです。
臆せずいけるからこそ、ですか?
美怜:でも何も考えずに踏み込んでいるわけではないですよ。こう言ったら相手がどう思うのかとか、自分が相手からどう見られているのかとか、ある程度はわかったうえで接していると思います。相手が自分のことをどういうポジションで見ているのかも、自分の中ではなんとなく理解しているんです。
相手にとっての自分の立ち位置を理解していることが、懐に入りやすい要因なんですね。
美怜:そうかもしれませんね。あとはMILDROUSには味方が多い、というのもあります。MILDROUSの従業員も含めてみんなにめっちゃお世話になっているな、と。
仲間に対しての愛情が結構深いタイプなんです、僕。仲間に対してしてきたことが返ってきてるっていうのもあれば、やってあげようって思わせる力も多分持ってるんですけど。
お客様に「お店に来て楽しくない」なんて言われることがないんですよ。
だから自分の力だけではなく、周りに助けられてきた感覚があるんです。
みんなが手を差し伸べてくれる環境なんですね。
美怜:MILDROUSって全体的に、最初からギブアンドテイクの精神がある人が多いんですよ。してもらったら返そうっていう人間がほとんど。喧嘩とかもないですし、派閥みたいなのもなくて、本当に人数もちょうど良くて、一つの組織としてちゃんとまとまってるんです。
MILDROUSは少数精鋭だと思うんですよ。それでも一人ひとりがしっかり存在感を出せているのって、協力し合ってやってる結果なんですよ。
この雰囲気があるから、みんなが周りを見てくれるし、手を差し伸べられるんだと思います。
厳しさも、並走するための愛情
これからMILDROUSでどんな存在になっていきたいですか?
美怜:目立ちたいっていう気持ちはあんまりないんですよ。ある程度自分の存在を示してるなって思うのと、俊さん、ハクさんとは違ったベクトルのホストなので。だからこそ、こういう別の答えもあるんだよっていうのを、みんなに見せてあげられたらなって。
そのためにも、俊さんやハクさんには追いつきたいなって思います。自分のやり方で、その位置に行きたいということですね。
俊さんに「そろそろ引退やな」って思わせられるくらいの立派なホストになるところが、今の目標かもしれないですね。
背中も見せつつ、ホストとしての成長も、ということですね。
美怜:はい!僕は新人に関しては厳しいところがあると思います。それはあえて怖い先輩でいることで、それが刺激になるパターンもあると思うからなんです。
ある程度は可愛がりますし、ヘルプにも付かせていただきます。でもあえて過度に可愛がることはないんです。それにはちゃんと理由があります。
僕は先輩に可愛がってもらうのは仕事のうちだと思ってるんです。ただ待っているだけではなくて、どうしたら先輩に気にかけてもらえるのか、どうしたら一緒に頑張りたいと思ってもらえるのか。そこに気づける人は伸びていくと思います。
最初から全部優しくするというよりは、自分で気づいてほしい部分がありますからね。
ホストは楽な世界ではないので、しんどいこともあると思います。でもしんどい中でも一緒に頑張っていこうぜ、辛い時は俺がいるよ、という立ち位置にいたいと思います。
甘やかすのではなく、しんどい時に支えてくれるのが美怜さんなんですね。
美怜:僕自身はしんどいと感じることってあまりないから、従業員がしんどい時に手を差し伸べられると思うんですよ。結構面倒見るのが好きなんですよね。厳しいことを言う時もありますけど、それは突き放したいわけではないです。ちゃんと見ているからこそ、必要なことは伝えたいと思っています!
本日は素敵なお話ありがとうございました!
美怜:こちらこそありがとうございました!※本記事は、2026年8月5日時点での取材内容をもとに構成しています。今後の制度やルールの変更により、一部内容が掲載当時と異なる可能性があります。