隣で支える。歌舞伎町ホスト『MILDROUS』内勤・よしのが大切にするプレイヤーとの向き合い方【独占取材】
よしのさんがプレイヤーと運営、両方の立場を経験してきたからこそ大切にしているのは、「運営目線すぎず、プレイヤー目線すぎず」という姿勢。
キャストの話を聞き、日々の変化を見ながら、必要なときには同じ卓へ入り、一緒に現場を支える。本人らしさを無理に変えず、働くうえで必要な部分を整えていくよしのさんの向き合い方から、MILDROUSのサポート体制や環境について掘り下げます。
トピック
プレイヤーも運営も経験したから、両方の立場で考えられる
よしのさんがホストを始めたきっかけは?
よしの:高校生の頃からホストの動画を見ていて、タイミングがあればやってみたいなとは思っていました。そこで知ったのが、鳳条歩さん。
高校を卒業して一度は昼の仕事をしたんですけど、やっぱりホストをやってみたいなと思って。鳳条歩さんにXでDMを送って、そのまま始めたって感じですね。
自分から連絡したんですね。
よしの:当時は未成年だったのでお酒は飲めなかったんですけど、それでも全然楽しさはありました。お茶を引くこともありましたし、順調でもなかったんですけど。
お客様を呼べるようになって、ある程度報酬がいただけるようになると、より楽しさを感じるようになりました。ホストの仕事ってやっぱり楽しいなって。
でも「あ、そろそろ限界だな」って思うようになってきて。年齢的にはまだ若かったけど、早めにホストクラブの運営側へ回って、考え方だったり、そういう部分を成長させていきたいなと思って。
運営をやることで、自分の中に新しいものを得たいという感覚でした。
ほかの業界ではなく、ホスト業界で運営に舵を切った理由があるのでしょうか?
よしの:そうですね。あまり仕事を変えたくないというか、一つの仕事をちゃんと続けていきたい気持ちがありました。それはお店も同じで、いろいろな店舗を転々とするより、一つの店舗で長く働いて、そこで積み重ねていくほうが、後々のことを考えてもいいのかなと思っていましたね。
僕自身あまり表に出すタイプではないんですけど、「こうやって生きたい」「こうやっていきたい」みたいなものは、結構内に秘めるタイプですね。
プレイヤーと運営、両方を経験してきたことは今にもつながっていますか?
よしの:プレイヤーとしてうまくいっていない時期もありましたし、お客様を呼べるようになってからのことも分かります。お客様との間で何かあったときに、プレイヤーがどう思うのかも経験してきました。運営になってからは、一人で全部やらなきゃいけない時期もあったので、運営側の大変さも分かります。
両方を経験しているからこそ、分かることはあると思いますね。
運営目線すぎず、プレイヤー目線すぎず
運営として大切にしていることはありますか?
よしの:運営目線すぎず、プレイヤー目線すぎずっていうところですね。プレイヤー目線に寄りすぎると、運営の考え方とは違うなってなることもあると思うし、逆に運営目線に寄りすぎると、プレイヤーに寄り添えなくなると思うんです。
だから常に、どちらの意見もきちんと考えられるような状態を意識しています。
ただ正直なところ、中立でいるのってめちゃくちゃ大変です。上からも言われることがあるし、下からも言われることがあります。その両方を一度自分の中で受け止めて、そのままを相手に出さないようにしています。
それはやはり、運営もプレイヤーも経験しているからこその視点ですね。
よしの:そうですね。運営だけをやってきた人だと、分からない気持ちもあると思うんですよ。だからこそ、プレイヤーがどういう気持ちでいるのかは、ちゃんと考えるようにしています。もちろん全部が全部プレイヤーの意見を聞けるわけでもないですし、運営の考えだけで判断するわけにもいきません。真ん中に立ちながら、どこが一番みんな気持ちよく働けるのかを考えて、折衷案を探す感じですね。
どちらの意見にも耳を傾けていらっしゃらないとできないことですよね。
よしの:僕はどちらかというと、話を聞く側。怒ったり、強く言ったりするのは苦手なんです。自分自身も気持ちを溜め込みやすいからこそ、キャストには「爆発する前に話してほしい」と伝えています。
言うのと言わないのでは違うと考えています。伝えても言いづらい人がいることは理解していますが、それでも伝えることが大切だと思っています。
うまく言えない……という方へのアプローチもされているのでしょうか?
よしの:相談されるまで待つだけではなく、日々の様子や顔色から気持ちの変化を感じ取るようにしています。報酬を渡す日というのは、本人が仕事や今後について考えやすいタイミングなので、そういう時に話を聞くようにしています。営業中にヘルプについていれば、自然と会話の中で相手の様子が分かります。一緒に働く中で関係を作ることが多いんです。
昔は営業終わりに頻繁にバーに行ったりしていましたが、相手の時間を奪ったり、翌日の営業に影響したりする可能性もあります。今は程よい距離を意識していますね。
言葉だけで終わらせず、一緒に現場へ入る
キャストさんがうまくいかない時期は、どのように支えていますか?
よしの:僕もプレイヤーの時は、どうしても仕事の状況によって気持ちの浮き沈みがありました。そういう時って、言葉だけで気持ちを上げるのは難しいと思うんです。新しいお客様との出会いがあったり、何か状況が変わったりするまで、諦めないように支えていくしかないのかなって。
やっぱり「続けること」が大切なんですね。
よしの:本当にそうなんです。ホストって月初に「今月は頑張ろう」って思うんですけど、中盤ぐらいに疲れてちょっと失速しちゃう人が多いんです。
そのまま次の月になって、また月の頭に「今月頑張ろう」の繰り返しになってしまう。だからこそ、月の後半にもう一度気持ちを入れられると、継続しやすくなると思っています。
ただ、人によっては中盤になっても変わらない子もいるので、全員に同じように声をかけるわけではないです。顔色やその時の様子を見ながらですね。
一緒にヘルプについていれば、その子の様子が自然と分かりますから。
味方がヘルプに回ってくれると心強いですね。
よしの:MILDROUSは運営だけでなく、上の立場のキャストもヘルプに回ります。そこで新人の子と席につくことも。ホストを始めたばかりの人は、何も分からないし、ホスト力や担当力がないんです。
だからまずは、運営や先輩キャストがヘルプについて、お客様を楽しませるという土台を一緒に作ります。「このお店は楽しい」と思ってもらうところからですね。
そこから経験を重ねていくことで、担当として見えてくることも増えていくと思います。
経験してから初めて分かることもありますよね。
よしの:実際に自分がお客様を担当するようになってから、「こういうヘルプは助かるな」とか「こういう動きをしてもらえると嬉しいな」って分かることもあると思うんです。そういう経験があれば、自分がヘルプに回った時にも生かせます。
仕事を続けていれば失敗することもありますし、その段階になって初めて教えられることもある。経験していないうちから全部を教えるより、本人が分かるようになったタイミングで伝えていくほうがいいと思っています。
それに上の人が教育して縛っちゃうと、本来のその子のポテンシャルを発揮しにくくなる可能性もあるんです。
本人らしさを残し、得意を持ち寄るMILDROUS
個人のポテンシャルを縛らないように、ということは個性を尊重するということですか?
よしの:そうですね。それに20年以上生きてきた人の人間性を、急に変えることは難しいと思うんです。だから僕の中では、「マイナスの部分をゼロまで持っていく」という感覚。
人そのものを作り替えるのではなく、変えられる部分を変える。本人の信念や、やりたいことを無理に変える必要はないと思うんです。
間違ったことだけはしないようにする。ホストクラブで働くうえで最低限必要なこと、特に礼儀など、人として当たり前のことは大切にしてほしいと思っています。
礼儀礼節を大切にするようになったきっかけがよしのさんにも?
よしの:はい、プレイヤー時代に一度、お会計時にお金を受け取る際の態度について、お客様から指摘されたことがあるんです。その時に「確かにこれは良くないな」と思って、そこから一つひとつ大事にしようと変えていきました。
今はお会計の時にもその場で「ありがとう」と伝えますし、ドリンク一杯いただいた時にも、ちゃんと感謝を伝えるようにしています。
気にしないお客様もいるかもしれないですけど、それでもやることに越したことはないと思うんですよ。
だから、そういう部分ができていないキャストがいたら、そこは伝えていきたいですね。礼儀を形式として教えるのではなく、それをしなかったときにお客様がどう感じるのか、という視点から伝えるようにしています。
よしのさんだからこそ伝えられるところですね。
よしの:前の店舗での経験が、今の考え方につながっているんですよね。前のお店はワンオペだったから、苦手なこともできないことも、意味のないことも全部やらなきゃいけませんでした。だからこそ、一人でなんか全部するより、複数の運営で役割分担した方がいいと思ったんです。
自分が80点出せるところを120点まで伸ばす。苦手なところは、そこを得意な人にやってもらう。強く言うのが苦手なら、そこは得意な運営に任せる。話を聞くのが得意なら、その部分を伸ばす。
できることを本当に120パーセントでやるという感じですね。
MILDROUSではそれが実現できています。運営陣が複数いるので、それぞれの得意分野を生かして役割を分けています。
しっかり言う運営陣もいれば、プレイヤーに耳を傾ける運営陣もいる、という体制です。
ではMILDROUSは運営側の視点でも魅力的な環境?
よしの:そうなんです。いろいろ思うことがあって前の店を退店して、MILDROUSに来た時に五十嵐俊が「組織は上から崩れていく」「うちの店はブレない」という話をしてくれたんです。前のお店の状況を話していないのに、その言葉が五十嵐俊から出てきたことに心が動かされて。
MILDROUSに入ってからも、本当に言葉通りブレないですね。お店として厳しい時期にも、代表は変わらず「大丈夫」と言って走り続けていました。
五十嵐俊が人間力だったり、人というものをすごく大事にしているからこそ、運営陣も見習って意識してやっています。
将来的には全国展開を目指していて、MILDROUSだけじゃなくほかの店舗にも関わっていきたいというのが僕のこれからの展望です!
※本記事は、2026年9月4日時点での取材内容をもとに構成しています。今後の制度やルールの変更により、一部内容が掲載当時と異なる可能性があります。