ホストクラブの売掛とは、お客さまの飲食代をお店または担当ホストが一時的に立て替えて、後日お客さまに返済してもらうツケ払いのシステム。
ひと昔前は、お店が立て替えることが多く見られましたが、最近は担当ホストが立て替えるのが一般的です。簡単に「掛け」と言うことも。
また売掛はその場に現金がなくても高額なお酒を卸せるため、上手く活用すれば売上UPを狙えます。
ただホスト界隈ではお客さまが売掛を払えず飛ぶとこも珍しくありません。
お客さまが払えない場合、未払い分の売掛はホスト自身が支払うことになるのでやみくもに売掛しないように注意する必要があります。
なるべくお客さまの手持ち金額でお会計を済ませるようにするか、信頼できるお客さまだけに売掛させるようにするのがベストですよ。
売掛自体は違法ではありません。違法ではありませんが、民法上18歳以下であれば売掛を取り消すことができます。
また情勢的には、ほぼ違法のものとして捉えられると考えても良いでしょう。
というのも2023年12月に、新宿歌舞伎町で2024年4月以降の売掛をなくす方針を示したからです。
2023年に大きな問題と化した売掛は、売掛相談窓口が解説されたり、悪質売掛被害防止を目的とする凱旋パレードがおこなわれたりし、行政とホストクラブが協力して働きかけを行ってきました。
新宿歌舞伎町では2023年12月以降、売掛を禁止とする店舗も増え、エリア全体で「売掛はできないもの」とされているのです。
追随する形で他のエリアのホストクラブでも売掛をさせないお店が増えつつあります。
売掛をする時、というのは4パターンあります。
売掛はいわゆるツケ払い。予算オーバーは売掛をするよくあるパターンです。
またホストクラブは売上でナンバーがでるため、「売掛で良いからお店に来て」と自分のお客さまに売掛を容認して来店させるパターンも珍しくありません。
ただお客さまの中には最初から支払うつもりはなく、担当ホストが把握せずに売掛をすることがあります。この場合「売掛を飛ぶ」ことも多々……。売掛を飛ばれると、その売掛はホスト側が支払いを背負うことになります。
2023年に問題化したのは④ホスト側が勝手にお酒を入れてしまったパターンです。
ホストが知らないうちに高額ボトルを卸し、売掛にして支払わせる悪質なパターンが表立つようになり、ホスト業界全体で売掛に対する意識が変わりました。
今回問題化したことで、いずれのパターンでも売掛はできなくなります。
歌舞伎町以外の地域ではいまだ売掛が認められているお店もあります。
もしお客さまが売掛をするのであれば、以下の点に注意しましょう。
売掛は姫側のツケだと思われがちですが、実際のところ姫側が売掛を飛ぶとホスト側の責任となり、ホスト側が借金を負うことになります。
高額な売掛はしないのはもちろんですが、自分の首をしめないようできるだけ売掛は避けるべきでしょう。
また売掛をした場合はお客さまに借用書への記入をしてもらい、支払い責任がお客さまにあることを明確にしてください。
ちなみにお客さまが飛ぶリスクを考えて、売掛はしないと決めているホストも少なくありません。
売上を伸ばせる分未収になった場合のリスクが大きいので、よく考えて売掛したほうが良いでしょう。
また売掛の支払い期限はその月の月末(締め日)までとなっているのが一般的。期限までに支払いがなく遅れている場合を掛け遅れとも呼ばれています。
とにかく売掛はしっかりとコントロールすることが大切というわけです。