今話題のホストさんをご紹介する本シリーズ。
今回は歌舞伎町で50年以上の歴史を持つ老舗中の老舗『愛本店』で代表を務める壱さんにお話をうかがいました!
『愛本店』はホストとしてトップに上り詰めるためのノウハウが詰まったお店。未経験からNo.1を獲得したホストも多数在籍しています。
そんな同店の代表・壱さんもホスト人生は『愛本店』からスタート。
このインタビューでは、壱代表にキャリア20年以上の中で追い求めたものや輝き続ける秘訣を存分に語っていただきました!
『愛本店』がどういったお店か気になる方も、ホストとしてのキャリアのイメージを掴みたい方も、ぜひ最後まで読んでくださいね。
■プロフィール |
源氏名:壱 ホスト歴:21年(※2024年時点) 役職:代表 |
■在籍店舗 |
愛本店(東京都/歌舞伎町) URL:https://hostjob.jp/tokyo/area15/675/ |
■最高売上 |
3,200万円 |
■最高月収 |
レクサス3台分の金額 |
■経歴 |
・20歳を過ぎた頃に愛本店へ入店 ・月間3,200万円の売上を達成 ・2018年6月に代表就任 ・現在もお店のトップ&プレイヤーとして活躍中 |
壱:実は10代のころから「ホストをやってみたい」という気持ちがありました。
ただ出身地である青森県には、ホストクラブというよりも今のボーイズバーのようなお店しか当時はありませんでした。
だったらちゃんとしたホストクラブ、それこそ歴史のあるお店で働きたいと思って『愛本店』に入店しました。
壱:20歳過ぎからずっと愛本店一筋なので、ざっと20年以上ですね。
正直、20年の間で辞めたいと考えたこともあります。3回ほどでしょうか。今はどちらかというと、続いてしまっているというのが的確かもしれません。
これだけだと聞こえは悪いかもしれませんが、ホストを始めてから現在に至るまで「イイ男になるための過程を歩んでいる」という実感があります。
これは長期的な目標で、私がこれだけの年数、ホストを続けられている理由のひとつです。
壱:そうなんです。おそらくこれは今後もずっと追い求め続けると思います。完成形はありませんね。
壱:ある程度の地位にいくと人間って満足しがち。私も正直、満足してしまう瞬間はありました。
ただそこで終わったら、その後は老け込むだけ。自分が思い描く「イイ男」にはなれないと思っています。
私が理想とする「イイ男」はお客様や従業員といった目の前の相手を笑顔にすること。
あとはふとした瞬間、例えば誰かの夢の中に私が現れて目が覚めた時に「会えてよかった」と思われる存在になれたら、それはイイ男だと思います。
つまりそれだけ相手に興味を持たれる、魅力溢れる人ってことですね。
自分がいない場面で自分の話題が挙がったり、ふと目をつぶったときにぱっと現れたり。四六時中、考えていただけるような男になりたいなと思います。
年を重ねたら重ねるほどイイ男へ。かっこいいおじいちゃんになりたいですね(笑)
壱:そうですね。私が考えるホストの魅力は普段出会えないような職種の人とお酒を交えて話ができることです。
ホストクラブには本当にたくさんのお客様や関係者が来店されるので、その業界や職種ならではのお話しを聞くことができます。
また、自分に対する意識を持てるのもホストの魅力ですね。人から見られる仕事なので、常に自分磨きができるんです。
人間としても男としても成長できる場所というのがホストクラブだと思いますよ。これはホストクラブならではの魅力ではないでしょうか。
壱:ホストならではの大変さを挙げるなら、常に業界や仕事に対しての偏見に向き合い、同時に自分自身も高め続けなければいけない点でしょうか。
正直、私自身もホストという仕事に最初は「女の子とお話してお金がもらえる仕事」と軽い考えを持っていました。
どうしても女性ありきではあるのでチャラく見えるのは事実だと思います。
でもホストってナンパの延長線上ではないんですよね。仕事なのでサービスに対しての対価をお客様に頂くわけです。
だからこそホストたちはみんな、日々「どういう風に話しをしようか」「どういう接客をすれば女性を楽しませられるか」といった勉強や努力をします。
業界や職業に対しての偏見や日々勉強と努力すること、これらと常に向き合うことがホストという仕事の大変さでしょうか。
壱:経験値と人脈、名誉です。
特に50年以上の歴史がある『愛本店』というホストクラブで代表になれたのは大きな名誉ですね。
壱:例えばさまざまな職業の方とお話しすることによって、自分がよりイイ男に近づくための経験値を得られました。
私は立場上、お客様はもちろんのこと、代表としてさまざまな職業の方とお話しする機会があります。
その方たちと接する中で「こういった女性のお客様にはこうお話ししたほうが良いな」「この職業の方であればこう」と対応力や決断力を磨くことができました。
もちろんホストとして、エスコートの仕方だったり、女性心を知れたり、そういった意味の男としての経験値も蓄積できたのかなと。
特に『愛本店』は歴史があるだけでなく人間関係がしっかりしているので、新人のうちからこれらの経験値が得られると思います。未経験の子が売れているという事実が物語っていますね。
壱:ホストを始める子って意外と人間関係に影があったり、人と接するのが苦手だったりする子が多いんです。
もちろん、人と話すのが好きという子もいますね。
そういったまっさらな人がホストという仕事を通して、さまざまな人と出会っていきます。
ホストは出会いの中で、会話を通して自分を伝える必要があります。相手に伝える言葉が武器になるんです。
相手がいて、言葉で相手と接点を持って、関係性と交友関係を深めていく。これを目の前の人間一人ひとりとおこなっていくと、自分を起点とした人脈が形成されます。
築いた人脈はホストとしてはもちろんのこと、自分の人生に活きてきます。私も人脈、いわば人にたくさん助けられたひとりです。
これは接客業全般にも言えますが、ホストも例に漏れず仕事を通して人脈を築くことができるんですよ。
ちなみに、もし言葉の数を増やしたいなら文字に触れることをおすすめします。本であれば読むものは啓発本でもなんでも良いんです。
言葉を知るには、やはり活字を見ること。言葉の引き出しがないと、会話の中でぱっと言葉が出ないんです。
壱:そうですね。私はゴルフも好きなのですが、そのゴルフという趣味を通じて人脈作りをしています。
メンバー会員権を持っているのですが、そういうところってホストクラブを知らない方がいらっしゃいます。
例えば、私がそのゴルフクラブの大会に出て参加者と接点が持てると、これも人脈形成につながります。
ゴルフきっかけでホストクラブを伝えることができるんです。実際「ホストクラブのイメージが変わった」と言ってもらえることも多いんですよ。
まぁ私がゴルフが上手くないといけないんですけどね。説得力を増すためにもっと上の階級にいかなければと思っています(笑)
最終的には『愛本店』を知ってもらえたら嬉しいですね。働くみんなにとってのチャンスにもなるのかなと。
壱:新人のケースだと目立つために自分から率先して行動に起こせる人ですね。
例えばわかりやすいものだと、シャンパンコールを誰よりも早く覚えて、誰よりもかっこよくこなす……。
さらに、ただこなすのではなく「その注目を浴びるのは俺」「俺が主役だ」というマインドがあると大成できると思います。
なぜならシャンパンコールはお客様や働くホスト、内勤にも注目されます。
注目される=自分を覚えてもらえるので、先輩ホストの協力を得られたり、お客様からの指名につながったりします。
ようは売れやすくなるということです。
あとは自分自身のセルフブランディングやマネジメントを考えられる子は売れている傾向があるかなと。
客観的に自分がどうみられているか、どういう知識を得てアウトプットしていくか、売れるために自分で思考できる方は強いですね。
壱:おっしゃる通りです。
ちなみに自分という人間をどのようにお客様へ伝えるか迷ったら、人に聞いてみると良いと思います。友達でもOKです。まずは自分を知ること。
周りのほうが自分と言う人間を見ているので、自分自身のことを客観的に知ることができます。周りに頼る勇気も必要ですね。
壱:もちろん。ちなみに私は仕事につながることを習慣化するために、友人の力をかなり借りました。
例えば、今の時代電子タバコが主流なので機会は減りましたが、ホストクラブではお客様がタバコを手に持ったら、ホストは瞬時にライターで火をつけます。
このホストとしての嗜みを身に付けるために、私は友人に対しても練習していました。
考えて行動すると一歩遅れてしまうけど、習慣化すればパッとできるんです。習慣化したほうが早いんです。
壱:まずは1日の自分の行動を振り返って褒めるべき点と反省点を見つけることでしょうか。
ホストは常にアンテナを広く張る必要があります。
営業中の自分の発言に対して、お客様である女性の顔が曇った、笑顔になった、怒った、といった表情を感じ取るんです。
この振り返りを寝る前におこなって「あの時はこう言ったほうが良かったな」という反省をし、逆に「こう言ったから笑顔になったな」と自分を褒めます。
この2つを繰り返すことで客観視できて一歩ずつ着実に成長できますよ。
壱:コンプレックスを笑い飛ばして武器にできたら一人前だと思います。私自身コンプレックスが武器になることをホストで知ったんです。
私のコンプレックスは髭が濃かったこと。今は脱毛していますけど、入店当初は本当に濃くて……。
某スナック菓子の口髭のおじさんとか、灰皿のたまった灰を見て「壱、ここで髭剃んなよ」と弄られていました(笑)
でもそんなコンプレックスを笑いにできたり、弄られたりした時、自分の中で武器にできた時に一人前になれたと感じました。
ただコンプレックスなので、失くす努力もしました。コンプレックスを失くしたあとも、こうしてエピソードとして話せるので武器になりますね。
壱:空気を読める、気配り・心配りができることは一人前のホストに欠かせない絶対条件です。
あと私は、お客様の求めるニーズをキャッチすること、どれだけ自分が相手に興味を持てるかも大事だと考えます。
自分にしか興味がない人のほうが世の中には多いと思うのですが、相手に興味を持ってどんなに些細なことでも拾う努力ができる……。
こういった人はホストとして成功しているなと思います。
あと、女性にとってホストクラブは自分自身のバランスを保てる場所なのかなと。だからホストは相手に100%の興味を持って、女性を楽しませる義務があると思っています。
また、ホストクラブは闇の側面にスポットが当たりがちですが、光の側面も持ち合わせています。
『愛本店』としては、ホストクラブとしての光の側面を強めたい。これから働きたいという男性にも、ホストクラブに行ってみたいという女性にも一度ホストクラブのリアルを見ていただきたいです。
壱:うちのお店は真面目な人や常識人が多いです。
だからこそ、遅刻やSNSを使った炎上商法、自分が絶対・正義と考えた自己中心的な行動などは推奨していません。
そういった行動をするホストがいれば「ダメだよ」と伝えています。
その結果、うちで働いている人は自然と真面目や常識人が集まってきている印象です。
壱:おっしゃる通りです。
『愛本店』には主婦やOL、それこそ著名人など本当にさまざまな方がいらっしゃいます。
イベントや撮影にも使われますし、関わる人が多いからこそお店・会社・組織、それこそ老舗ホストクラブに在籍する人間として恥ずかしくない振る舞いが求められます。
私は代表として看板を背負っているからこそ、常に社会人や組織としての在り方を考えますね。
ちなみに、ドラマの撮影現場となったので「あのドラマに出てたから来てみたいと思った」という初回のお客様は多いです。
初回のお客様は多いほうだと思いますし、1日20組いらっしゃることも。ホストからするとチャンスは拾いやすいと思いますよ。
壱:お客様に対して、上からではなく下から接することでしょうか。低姿勢という言葉が当てはまるかと思います。
もちろんお客様のタイプによって変えることはありますが、私の基本の「き」は低姿勢です。
高圧的に接したり、俺が俺がと主張したりする方もいますが、私は上からいくと視野が狭くなってしまうと考えます。
視野を狭めないためにも、私は低姿勢で相手と接して色んな側面を見るようにしていますね。
もちろん、ほかのホストさんの営業方法を否定するわけではありません。
あくまで私の考えですし、結果この低姿勢は私が一番追い求めるイイ男にも繋がっていると思います。
壱:ホスト業界はリアルとバーチャルの二極化がより進むと思います。
今まではお客様がお店にいらっしゃってホストが接客するという形がスタンダードでした。
しかしここ数年でホストがYouTubeやTikTokといったSNSを活用し、配信を通してスマホやPCといった画面越しでお客様と接する新しい形が生まれました。
これによりホストとしての売上の立て方も変化が生まれていますね。スーパーチャット、いわゆる投げ銭を売上に加算するケースも。
ホスト業界は一気に変わってきているな、変革期なのかなと感じています。
この流れの中でも、私としては対面での接客を大切にしていきたいと思っています。対面だからわかる、人の温もりだったり、人との絆があると思っています。
これらは今後も変わらずにホストクラブに求められるだとも考えます。
今は表立って行動すると世間から叩かれてしまうこともありますが、私としては臆せず行動していきたいです。
そして「ホストも一つの職業なんだ」と認めてもらいたい、そうなれる接客のあり方を追い求めていきたいですね。
壱:ホストで成功したいと考えている男性にとって、『愛本店』こそ成功への一番の近道だと伝えたいです。
というのも『愛本店』は未経験でも売れる環境と条件が揃っています。
アシスタントであるマネージャーが売れるまで引っ張ってくれますし、その人たちのやり方を参考にしたらホストとして花が開くはずです。
実際に未経験スタートにもかかわらず2~3ヶ月で売上3桁を達成した方もいます。これだけ売れると月収はDiorの鞄が2つ買えるくらいの額です。
また、中にはホストは若い人しか成功できないのではと疑問と不安を抱かれている方もいらっしゃるかと思います。
そういった方には『愛本店』なら30代後半の方でも活躍できると伝えたいです。頭を柔らかくしていかに知識を吸収できるかが勝負です。
壱:こちらこそありがとうございました!