今話題のホストさんをご紹介する本シリーズ。
今回は古着系ホストとして歌舞伎町で名を馳せる『NiCK』慶総支配人にインタビューをしました!
『NiCK』は2024年6月にグランドオープンを迎えたSmappa! Groupのホストクラブ。1億円プレイヤーである凰華麗さんが率いるお店です。
同店で総支配人を務める慶さんは、未経験入店4ヶ月で売上1,100万というグループ歴代最速記録を作り上げた実力者。
そんな慶さんの『NiCK』にかける思いをこのインタビューで存分に語っていただきました。
古着が好きな方も、ホストに興味がある方も、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
■プロフィール |
源氏名:慶 業界歴:約1年10ヶ月(※2024年6月現在) 役職:総支配人 |
■在籍店舗 |
NiCK(東京都/歌舞伎町) URL:https://hostjob.jp/tokyo/area15/1140/ |
■最高売上 |
1,100万円 |
■最高月収 |
約600万円 |
■経歴 |
・前職:アパレル系サラリーマン ・APiTSの風早涼太に憧れてホストの世界へ ・未経験入店4ヶ月で売上1,100万円を達成※グループ最速記録 ・グループ歴代最速で幹部へ昇格 ・2023年年間指名本数グループNo.1 ・2024年5月よりNiCKの総支配人に就任 |
慶:ホストを始める前から、僕は古着とロン毛が大好きなんです。アパレル系の会社で働いていた時もロン毛でした。
歌舞伎町のホストと聞くと、マッシュやハイブランドのイメージが強いですよね。僕が新人だった頃も、最初は歌舞伎町のホストっぽい髪型と服で働いていました。
だけど、自分としてはあんまり面白くないなと……。
それで「自分のやりたいようにしてみよう」「歌舞伎町にいないホストになってみよう」という思いで、古着とロン毛のスタイルを貫いている感じですね。
慶:ありがとうございます!僕はオリジナルティを一番意識しているので、その言葉は嬉しいです。
慶:そうなんです。僕は歌舞伎町に古着とロン毛を広めたいと思っています。
僕が考えているのは、従来のホスト像と違う路線がどこまで通用するのかどうかですね。
「歌舞伎町にこういうホストがいてもいいんじゃないか」と思っていますし、この先僕みたいなホストがどんどん出てきてくれたら面白くなると思っています。
ホストの世界で自分の個性を自由に出せるようなお店を作っていきたいですね。もう「個性大爆発!」のスタンスで突き進みたいなと。
慶:僕の中では3つあって、1つ目は給料がやっぱり違いますよね。
昼職の頃は1ヶ月で約20万なのに対して、ホストは売上次第で数百万もらえます。
お金を稼げるようになってから、自分の好きな古着も買えるようになりましたね。
慶:2つ目は、先輩に気を遣わなくて良いことですね。
ホストは個人の売上がすべて。僕は昼職で営業をやっていたので売上は重要でしたが、仮に自分よりも売上が低い先輩であっても、上下関係の都合でずっとヘコヘコしていました。
ただ、ホストを始めてからは上下関係を意識しなくなったので、昼職よりは伸び伸びと仕事ができています。
3つ目の魅力は、美意識が上がることでしょうか。昼職と違う見られ方を意識しなければいけないので、自分磨きは欠かせません。
僕の中では、ホストは良いことしかないと思っています。もちろんつらいこともあるんですけどね。
慶:はい!昼職からホストに移って正解だと思っています。
最初は昼職をやりながらホストをやろうかなとか、いろいろ考えたんですが、それだとレギュラーのホストには勝てない気がしたんです。
悩みに悩んで、昼職を辞めてホスト1本でやっていこうかなと。今となってはホストは天職そのものだと思っています。
慶:この実績を出した時は、ほとんど寝ずに集客していましたね。睡眠時間は2~3時間ぐらいだったと思います。
お店の中にはさまざまなライバルがいるわけじゃないですか。その状況だと、入店したばかりの自分は確実に負けると思ったんです。
だから、何が何でも売れてやるつもりで誰よりも先に行動しましたね。
お店の営業が終わったら歌舞伎町のネカフェに潜伏して、いろんな女の子にコンタクトを取って会いに行ったりしていました。
結果を出すまでは睡眠時間を削って集客しまくる生活を送っていました。
慶:高校の頃は軽音部に入っていたので体育会系っぽいことはまったく……。でも、ホストをやるからにはもう全力で振り切るしかないなと!
そこで思いついたのが、自分自身を物理的に追い込むことでした。
歌舞伎町まで電車だったら数百円で来れるんですが、あえて片道2,500円ぐらいかけてタクシーで出勤していました。帰りももちろんタクシーです。
1日5,000円だとして、1ヶ月12万円ぐらいの交通費です。それでも、あえてタクシーを利用して、自分をひたすら追い込みましたね。
物理的に追い込むことで「これはもう売るしかない」「もうやるしかない」と。
あとタクシー通勤を始めたのにはもうひとつの理由があるんです。
その理由とは「汗をかきながら出勤してきたホストなんて指名したくないのでは?」という疑問。
それにタクシーで出勤してくるホストはなんか売れっ子っぽくないですか?(笑)形だけでもいいから、売れっ子感を出してみようかなと思ったわけです。
慶:物理的に追い込んだのは、自分が追い込まれないと頑張れない性格であることも起因します。
また営業の仕事をやっているときもガッツが何よりも大事だったので、その影響があるかもしれませんね。
ホストもある意味営業職に近いところがありますしね!
ホストは人当たりとガッツが必要だと思っています!昼職の経験もホストの仕事に活かされています!
慶:まだ指名して間もない人たちには、自分を見せすぎないようにしています。
もし自分のすべてを見せすぎたら、お客さまに早く飽きられるかもしれないですからね……。
あとは全力でお客さまを楽しませることに振り切っていることでしょうか。「他のホストじゃここまでできないでしょ」という意識でいます。
お客さまを楽しませたい一心で、僕はガンガンお酒を飲みますね。
お客さまにお酒を卸してもらっても、自分が卓にいないときはヘルプに呑んでもらうことって少ないと思います。
お客さまから頂いたお酒は自分で飲むように心がけています。お金を払ってくださったわけですから、感謝を忘れずに飲み干すわけです。
実際に「総支配人がここまで飲んでくれるんだ」と喜ばれていますよ。
慶:そうだと僕も嬉しいですね。
あともう1つ意識していることがあって、それは適度な色気です。自分で言うのも恥ずかしいんですが、ロン毛ってセクシーだと思いませんか?(笑)
90年代の俳優さんたちを思い出していただければイメージしやすいかと!
僕としては、ロン毛でアジア人らしい男の色気を出したいなと思っていて。他のホストさんとの差別化にもなるので、接客中は、唯一無二の魅力を出すことも意識していますね。
慶:最初に学んだのは、仲間の存在ですね。
フォローしてくれるヘルプや、普段から店を守ってくれている内勤さんといった、頼れる仲間の協力が欠かせません。
これまでの経験で、ホストは1人だけの力では成り立たない仕事だとわかったんです。チームプレイの大切さを学びましたね。
もう1つは、お客さまに対する思いやりの心です。僕が新人だった頃、お客さまにひどいことを言って接客に失敗した経験がありました。
成功と失敗を経て、お客さまが僕を応援してくれる本当の意味や、相手を思いやる気持ちを学びましたね。
僕のためにお金を払ってきてくれるわけですから、愛情を注ぐつもりでお客さまを大事にしていきたいですね。
仲間と愛、かっこつけてるし、少年漫画みたいですが(笑)
慶:ありがとうございます!友情も努力も勝利も知れるのがホストの魅力ですね。本当に少年漫画な感じです(笑)
慶:僕はグランジ系のファッションが好きなんですよ。
ただ、そのままの格好だとホストではなく下北沢にいるような人になってしまいます。
そこで、古着と一緒にホストっぽいアクセサリーをあえて着けるようにしています。そうすればホスト感も出しつつ、グランジ感も出せるようになるのかなと。
ホストと古着のハイブリットみたいな感じで、自分のブランドを魅せるようにしているんです。
※グランジファッション:古着や色落ちした服の着くずし、重ね着のこと。80年代初頭のロックバンド「ニルヴァーナ」の服装をストリートファッション化したもの。
慶:水商売のプロは、営業用のキャラクターを作って魅せることが大事だと思います。
ウケのいいキャラクターを作れば一種のブランディングになるので、指名につながるかもしれません。ただ、自分らしさを出せないのがつらいところですよね。
だから僕個人としては、ありのままと言いますか、作らない・飾らないキャラクターを大事にしています。
今でも自分の好きを貫き通しているのは、ありのままの自分を魅せたいからです。
将来的には、僕自身が一番指名してみたいと思えるようなホストになってみたいですよね。
慶:僕が目指しているところは、「歌舞伎町以外の場所でもかっこいい男であり続けたい」なんです。
歌舞伎町のホストは、歌舞伎町の中で見たらめちゃくちゃかっこいいと思います。
でも表参道や渋谷、原宿で店外したときに「あの子、ホストと歩いているわ」とか「多分これ同伴だな」と誰かに思われるのが嫌なお客さまもいるんじゃないかなと。
そこで、歌舞伎町を出てもかっこいいファッションを広めたいんです。
例えば表参道や原宿を歩いていて、誰かに「ホストっぽい」と指を指されるよりも、「あのロン毛かっこいい!あの服もおしゃれ!」と褒められたほうが嬉しいなと(笑)
慶:NiCKに移籍を決断したのは、凰華麗さんについていこうと思ったから。麗さんが一番の理由です。
麗さんもファッションが好きで、いまの僕に影響を与えてくれた人物なんです。
あとは、自分の店をいつか持ちたいという目標も関係しています。お店をゼロから作り上げる経験が勉強になるかもしれないと思ったのも移籍の理由です。
例えばみんなで掃除をしたり、みんなでシャンパンコールの練習をしたりして、人としても、ホストとしても成長できるんじゃないかなと。
慶:魅力的な人。この一言に尽きます。
見た目はキラキラしていて、かっこよくて、ホストっぽいと思うんですが、中身が、小学校5年生みたいな子供なんですよ(笑)
キラキラしているのに、子供のように自由に生きている感じも持ち合わせているのがいいなと。頼りがいもあるし、尊敬しています。
おそらくですけど、麗さんは人を惹きつける天性を持っているんじゃないかと思うんです。
何もしなくても勝手に人が集まってくる、いわゆるカリスマといいますか。
僕も自由にやりたいタイプなので、そんな麗さんを見ていると必然的に尊敬の念を抱いちゃうんですよね。
慶:やっぱりキャスト間の距離が近いことですね。
うちは箱が小さめなので、キャストとお客さまの距離が近いんですよ。
あとは僕も幹部ですけど、入ったばかりの子に関わるお店って多分珍しいと思うんです。
大手グループになればなるほど幹部がいて中間層がいて、幹部と新人の距離がどうしても離れてしまうと思いますが、今うちでは幹部の下が新人になるんです。
これは売れるための近道なんじゃないかなって。売れる近道が築けているのは、お店としては強みかと!
慶:基本的には実践スタイルですね。会社でいうところのOJTです。
まずは実践してもらってわからないことがあったら聞く形です。教育の一環でお客さまに送った営業LINEの添削もしますよ。
結局のところ接客に正解がないので、自分の経験を伝えたり、実際にやってみたりして答えを見つけていってもらえればと思っています。
慶:お互いの距離が近いのでみんな仲良しですよ。全然怖くないですし、未経験で入った人も安心して働けますよ!
あと、従業員にアパレル関係の人が多いですね。ファッションの話も聞けるから、おしゃれにもなれるかな。
慶:APiTSの頃から考えていたんですが、ファッション特化のお店にしたいと考えています。
ホストっぽくない 従業員がたくさんいるようなお店にしたいですね。
あとはホストと並行してセカンドキャリアを自分の中で見つけていけるようなお店にしたいなとも思っています。
ホストとしてやっていくのは大事ですけど、ホストを辞めた後は皆どうしたらいいか多分わからないと思うんですよね。
僕としては、「自分はこういうことをしようと思います」とセカンドキャリアを見つけてくれたら最高ですね。
慶:いまホストをやっていない人たちからしたら、憧れとか恐怖とかいろいろな思いがあると思います。
でもホストは思っているよりも怖い世界ではないですし、やりたいって思ったら若いうちにやっておくに越したことはありません。
今の時代はノンアルで営業もできますし、働きやすい業界になっていると思います。
僕もサラリーマンをやっていたときは結構お金に困っていて、ご飯もあまり食べられない状況でした。
でもホストになった現在は、昼職よりも有意義な生活を送っています。お金に余裕ができると心に余裕ができるので、人生観もだいぶ変わると思いますよ。
これからホストを始めたい方は、まずは勇気出して一歩を踏み出してほしいと思っています。
もし『NiCK』に来てくれるなら後悔させません。一緒に良い人生にできるように、ホストライフを歩めていけたら嬉しいですね!
慶:こちらこそありがとうございました!