今話題のホストさんをご紹介する本シリーズ。
今回は熊本のホストクラブ『ROYAL』で3年連続売上No.1を獲得している渚沙MGにインタビューをおこないました!
渚沙さんは借金返済のために18歳でホストの世界に足を踏み入れ、1年目で4桁の借金をすべて完済されています。
その後も順調に売上を伸ばし、1,000万円プレイヤーの称号を獲得、さらには2021年~2023年にかけての年間売上no.1を記録するトップホストへ。
今年でホスト歴は8年を超え、現在はプレイヤーのみならず、内勤として店舗運営にも携わる渚沙さん。熊本で彼の名を知らないホストは極めて少ないです。
このインタビューでは、そんな渚沙さんのホストという仕事に対する姿勢や心構え、勤務するお店の雰囲気、先輩後輩の関係性などについて語っています。
熊本でホストになろうと考えているなら、彼のマインドや仕事術はきっと参考になるはず。ぜひ最後までこの記事をご覧ください!
■プロフィール |
源氏名:渚沙(なぎさ) 業界歴:約8年~9年(※2024年現在) |
■在籍店舗 |
ROYAL(熊本/熊本市) URL:https://hostjob.jp/kumamoto/area119/56/ |
■経歴 |
・18歳の時にROYALへ入店 ・ホストになって1年弱で4桁の借金を完済 ・2021年~2023年にかけて3年連続売上No.1を獲得 ・MGに就任 ・現在はプレイヤー兼内勤として勤務 |
渚沙:実は自身の過失による事故で4桁の借金を作ってしまって、その借金返済のためにホストを始めたんです。
最初は地道に返そうと思っていたんですけど、何十年もかかる計算になってしまって……。
どうしようか途方に暮れていた時に、ホストクラブのスカウトさんに声をかけられて、「毎月100万~200万稼げるよ」って言われたんです。
その話を聞いて、借金を返す方法はもうホストしかないなと思って、この業界に飛び込みました。
渚沙:18歳ですね。2024年時点で、ホストを始めて8年~9年たちます。
5~6店舗のホストクラブを体験入店して、その中でも良いなと感じた『ROYAL』へ入店を決めました。
決め手は変な意味でバチバチしていなくて、でも抜くところは抜く、締めるところは締める雰囲気を感じられたからです。
あと、たまたま体験入店した時にシャンパンコールを見ることができて、「すごい」「自分も」と感情を揺さぶられたんです。
そこから現在に至るまで、移籍や退店などは経験していないので、18歳からずっとここで週5~6でレギュラー勤務しています。
渚沙:ええ。ホストになって1年で全額返済することができました。
僕の場合、入店初日からお客さんを呼ぶことができたんです。あと入店初月から3桁の給料を貰うことができました。
借金はホストを初めて10ヶ月目~11ヶ月目の時点ですべて返済できましたよ。
ただ、順風満帆かと思いきや、2年目に本指名の女の子が全員いなくなってしまって……。
この時期の売上はゼロでした。トントン拍子で成功してしまったので、調子に乗ってしまったことが原因ですね。
そこから紆余曲折ありましたが、何とか這い上がって、今はもうずっとお客さんがいる状態です。
渚沙:はい。『ROYAL』は役職や階級というのはあまり存在せず、現状は代表、統括、僕といった形になっています。
MG(マネージャー)としての仕事内容は、お店の開け閉め作業、付け回し、売上管理、ブログの更新など、運営の1~8ぐらいは僕が対応しています。
そこから自分のお客さんを接客しながら、売上も上げていっている感じです。わかりやすく言うと、プレイヤー兼内勤といった感じですね。
渚沙:ホストになって2年目、19歳の6月のバースデーの時です。この時に月間No.1を初めて獲得することができました。
渚沙:僕としては熊本で一番を獲る、熊本で一番のお店にしたいという想いが強いです。
そのために、まずは自分が店舗No.1を獲らなければいけないと考えています。この考えは2022年頃に好きな歌舞伎町のホストさんが話されていて影響を受けました。
あと僕は熊本のホストですが、ホストクラブ激戦区・歌舞伎町で知名度のある帝蓮さんや右京遊戯さん、日向ヒナタさんなどのYouTubeやXを見て刺激を貰っています。
彼らに刺激を貰いつつ、熊本で一番のホスト・ホストクラブを目指して走っていたら、結果として2021年~2023年度の年間売上No.1になっていたという感じですね。
渚沙:笑いっていうのは老若男女・万国共通で通じるもの。楽しい時はもちろんのこと、きつい時でも笑っていればとかなんとかなる。
自分だけではなく、女の子が落ち込んでいても、自分は笑いを絶やさないようにするよう心掛けています。
なぜなら自分が楽しまないと女の子を楽しませることはできないと思っているから。だからといって作っているというわけではなく、素で楽しんでいますよ。
渚沙:相手が何を求めているか察知して、それをしっかり返すようにしています。ホストクラブは1日に何十人という女の子が来店します。「女の子」という括りで見ると1種類ですが……。
来店してくださる女の子一人ひとり求めているものは違いますし、同じ女の子でも明日は別のものを求めて会いにきてくれます。その求めているものを返そうとする意識を新人の頃から持って接客するようにしています。
それに僕の特技として、女の子が何を求めているのかというのは、初回でもある程度付き合いのある女の子でも、テーブルにつけばわかります。
ホストとしては、相手が何を求めてるのかっていうのを察知した上でそれをしっかりと返してあげるっていうのが一番なのかなと。
渚沙:それこそ笑いが大事だと思います。笑うと相手との間にある壁を取り払うことができるので、本当一番強いですよ。
だって皆さんもぶすっとした仏頂面の相手に心を開こうと思いますか?そうは思わないですよね。
なので初回のお客さんには笑いを前提とした接客で、少しずつ壁を切り崩していって、どんどん話を広げていきます。
その先にある相手が何を求めているのか察知して返していく、これが鉄則かなと思いますね。
渚沙:僕が昔から上司に言われていた言葉があるのですが、売れている人と売れていない人の最大の違いっていうのは、最低ラインの基準が違うということなんです。
たとえば、売れていない人は連絡を返す、二日酔いだけど頑張ってお酒を飲んだ、女の子と会うとか、それを努力と思いがち。
でも本当に売れてる人にとって、今例に挙げたものはできて当然のライン。ようは売れていない人の努力は売れている人の当たり前なんです。
なので、売上に悩んでいる人はまず自分の中の当たり前の基準値を引き上げられるといいんじゃないかなと思います。
渚沙:オーラスしてくれた女の子に一番時間を使う、女の子一人ひとりに連絡を早く返す、出勤するとかは当たり前ですよね。
あと僕はこの当たり前の基準値を引き上げたことはもちろんなのですが、プライドを捨てられるようになってから売上が上がりました。
なので、捨てるべきプライドと持つべきプライドを分けるというのも一つの手だと思います。
渚沙:不細工やデブといった悪口を言われても僕は怒ったりしないですし、女の子からシャンパンを入れるから一発芸してと言われたらやりますよ。
8割ぐらいの弄りや無茶ぶりには応えます。そこに対して憤りを感じたり、悩んだりするっていうのはなくて、これはそのプライドを捨てているからなんです。
ただし、自分や自分のお客様が否定されたら嫌ですね。これは自分の持つプライドに分類されています。
この捨てるべきプライドと持つべきプライドを自分の中で分けることができたから、売上がグッと伸びたし、何よりも『ROYAL』だったらかこそ気付けた考えかなと思います。
新人の頃からホストに必要なマインドを叩き込んでくれた上司がいて、支えてくれる従業員がいたので。どこで働くかと誰についていくかというのは、今後の自分のマインドを左右するのですごく大事だと思いますよ。
渚沙:自分のモチベーションを上げる、機嫌を取るというのは仕事をする上で当たり前のことだと思っています。
だって、女の子はお金払ってホストクラブに遊びにきてくれているのに、モチベーションがない状態で接客するというのは、そもそもがあってはならないこと。
それに落ち込んだり、悩んだりする暇はないというか、前提としてそこに対して考える余裕もないんです(笑)
渚沙:サウナに行ったり、ご飯に行ったり、自分が楽しいと感じることに時間を使います。
それこそ、従業員と一緒に遊びに行くこともありますよ。その時は仕事の話は一切なし、趣味とか最近ハマっているものについて話しますね。
仕事と距離を一旦置くことが、一番のストレス発散かもしれませんね。
渚沙:熊本にも尊敬できるホストさんが何人もいらっしゃるのですが、皆さんに共通して言えるのが見られる職業を意識した立ち振る舞いができているということ。
たとえば、売れているホストさんで歩きタバコをしている人は見たことがないですし、女の子と街中で手を繋いで歩いている姿も見たことがありません。
彼らは身だしなみが整っているし、歩く姿も美しいんですよ。僕も基本的にはスーツやジャケットを着るようにしています。シャツ1枚、パーカー1枚で仕事をしないと絶対に決めています。
こういった服装や立ち振る舞いがちゃんとできているかどうかが基準なのかなと、僕は思いますね。
渚沙:愛情という言葉が良く似合うホストクラブですね。特に「情(じょう)」の部分、同情の情ではなく、愛情の情が当てはまると思います。
たとえば、みんな新人が入ったら一人にしないようにしていますし、全員が一人に愛情を注ぐし、一人が全員に愛情を注ぐ、そんなホストクラブです。
渚沙:良い意味でギャップがありました。こんなに大人になっても怒ってくれたり、構ってくれたり、仕事以外の面でもしっかり面倒を見てくれるホストクラブなんだと思いました。
ホストって自分だけが良ければよいという考えの人たちの集まりだと思っていたのですが、そうではないということが『ROYAL』に入店して気付くことができました。
あとは、人に対してもギャップがありましたね。僕が体験入店した時はみんなのほほんとしているイメージだったのですが……。
いざ本入店してみると、みんな自分のナンバーや売上を意識して働いていて、そういう真剣さが感じられたのも良かったですね。
渚沙:尊敬している方は統括さんです。返し切れない恩があります。僕がここまで登り詰めることができたのも、売上を伸ばすことができたのも、統括さんのお陰なんです。
だからこそ、ライバルも統括さんの名前を挙げます。お店で会議を開いた時、発言や思考は自分よりも一枚も二枚も上手だなと感じる瞬間が多々あります。
こういう風になりたいなと思いますね。
渚沙:あります(笑)1回だけ本当に辞めてやると思って、荷物も全部まとめて店を出ようと思ったのですが、一歩踏みとどまりました。
その後、荷物も戻して統括さんに「辞めようと思っていました」と伝えましたね。もう統括さんとは長い付き合いだったので、ストレートに辞めようと思ったこと、その理由、お店の不満など自分の想いをすべて伝えました。
今から3年前~4年前の出来事で、辞めたいと思ったのはそれが最後でしたね。
渚沙:そうですね、迷っているぐらいであれば絶対に一度挑戦してみたほうがいいと思いますよ。
特に若ければ若いほど成功率は高いと思います。辛いことも苦しいこともたくさんあるかもしれませんが、それを挽回できるだけの金額を得ることができます。
それにホストを辞めてもこの経験というのは今後の人生に活きると思います。
あと、もしやると決めたら最低でも1年は続けたほうが良いと思います。
渚沙:すぐ辞めてしまう子がたくさんいるのですが、すごくもったいないと思います。
なぜならホストになった子はみんな磨けばダイヤモンドになるし、この1年の研磨期間で楽しいこと、辛いこと、それらの経験が集大成となって自分に還元されるのが大体1年後なんです。
1日、3日、1週間、1ヶ月、3ヶ月では指名の作り方もわからないし、女の子の呼び方もわからない……。
売れていないからといってその状態で諦めて見切りをつけてしまうのは勿体ないんです。最低でも半年、しっかりやって1年は売上を作るために必要だと思います。
渚沙:甘い世界ではやっぱりないですね。周りからかっこいいと言われることが多くても、かっこいいだけでは女の子はお酒を入れようとは思わないです。
それこそ指名は貰えるかもしれませんが、1回だけの来店で終わってしまうケースを何度も見てきているので……。
甘い世界ではないからこそ、本当に覚悟を持って足を踏み入れるべきです。
ただ、やる気と覚悟だけ持っていれば、絶対に売れると思います。
渚沙:はい。ちなみに僕はお酒を一切飲まずに1,000万円の売上を出すことができました。
お酒が飲めるというのは一種のアドバンテージではあると思います。女の子の中には、お酒が飲めるホストじゃないと指名しないという人もいると思いますが……。
ただし、すべての女の子がお酒を必須条件にしているわけではありません。それこそ、先ほど話した女の子が何を求めているかが
渚沙:誰が教えるって決めることはなく、基本的にはみんなで教えるようにしています。
ただその中でも一番気にかけるべき先輩を一人決めて、その先輩が相談に乗ったり、テーブルマナーを教えたり、フォローするようにしていますね。
先輩は新人が一番話しやすい相手、あるいはこの人についていきたいと思った相手を選ぶようにしています。もちろん、皆さんの希望も聞きますよ。
僕も新人さんの指導や教育には関わっていますし、面接官も担当しています。もし何かわからないことがあれば気軽に相談してください。
渚沙:応募者の容姿や背景はあまり重視していなくて、一番見ているのはやる気や言葉遣いです。
その観点で言うと、今の『ROYAL』は良い意味でお店を変えてくれる方を渇望しています。ロボットみたいに右と言ったら何も考えずに右を向くのではなく、自分の中に反発心があるのなら左を向いてしまうような方ですかね(笑)
それこそ直近でうちに入店したホストの中だと、翔希はまだまだ成長すると思います。彼や活躍するホストの共通点として、やる気があること、あと叱られたり、注意されたりした時に不貞腐れること。
これってマイナスに捉えがちですが、自分の中のプライドが傷ついたり、自分の中に芯となる考えがあるからこそ芽生える感情だと思うんです。
僕はこういうタイプの子は結構好きですし、絶対にホストとして伸びると思います!
渚沙:『ROYAL』に入店して、僕と一緒に熊本の夜を変えてほしいです!
渚沙:こちらこそありがとうございました!
\『ROYAL』のインタビュー記事はこちら/