今話題のホストさんをご紹介する本シリーズ。
今回は一夜で2,000万円の売上を叩き出した熊本のホスト『ZERO』代表・天使星那(あまつかせな)さんにお話をうかがいました!
『ZERO』は未経験者が活躍できるホストクラブで、そんな同店で代表としてトップを走っているのが天使星那さんです。
インタビューでは、天使星那さんのこれまでの軌跡や熊本のホスト業界の将来性についてお話しいただきました。
天使星那さんや熊本のホストクラブに興味がある方は、ぜひ最後までこの記事をご覧ください!
■プロフィール |
源氏名:天使星那(あまつかせな) 業界歴:約7年(※2024年現在) 役職:代表 |
■在籍店舗 |
ZERO(熊本県/熊本市) URL:https://hostjob.jp/kumamoto/area119/839/ |
■最高売上 |
月間2,500万円 |
■経歴 |
・大学在学中にスカウトされホストの世界へ ・20歳で中洲のホストクラブへ移籍 ・22歳で熊本に戻り、百貨店に就職 ・23歳でZEROへの入店をきっかけにホスト復帰 ・26歳で代表就任 ・月間最高売上2,500万円を更新 |
天使星那(あまつかせな):2023年の6月からです。僕は『ZERO』がオープンした2020年から在籍しているので、大体3年で代表に昇格したことになりますね。
天使星那:2024年時点で約7年~8年です。19歳からホストを始めており、途中で一度卒業し、再度この業界に戻ってきているので空白の期間はあります。
ちなみに、ホストを始めたきっかけはスカウトです。
天使星那:はい、もともと興味はあったし、ホストに対して憧れもありました。
というのも当時僕は大学生で、やりたいことを見つけるために大学へ進学したものの、入学してすぐに熊本地震が起きてしまったんです。
地震の影響で授業もあまり受けられず、結局何がやりたいか見つからずにモヤモヤとしていたんです。
そんな時に声をかけてもらったんですが、蓋を開けてみると当時熊本にあったほぼすべてのホストクラブからお声がけがあったんです。
そこで自信がついて、ホストをやってみようと決意しました。
天使星那:いえ、1年ほど熊本のとある店舗に在籍したあと、中洲のホストクラブへ移籍しました。お世話になっていた代表が中洲に店舗を出すとのことだったので、一緒に付いて行ったんです。
ただ、僕は熊本でホストを始めてから家出をしており、親との関係は良くなかったんです。それが中洲にいる間に、不仲だった親との関係が修復されました。
親子関係が良好になった時に、同年代が大学を卒業する22歳のタイミングで地元の熊本に戻る約束を両親と交わしました。
なので、中洲の店舗は1年半ほどで退店し、その後は熊本に戻っています。戻ったあとは、百貨店に就職しました。
1年ほど百貨店で働いたのちに、再びホストに復帰し、今在籍している『ZERO』に入店するといった流れです。
天使星那:実は、百貨店で働いている間に「ホストに戻りたい」という思いがくすぶっていたんです。
ホストをしている自分が好きでしたし、何よりまだ何も成し遂げていないという心残りが強かったんです。「1,000万売ってみたかった」「3桁以上の給料を貰ってみたかった」といった思いがあったんです。
それに中洲時代にどうしても勝てない人がいたんです。
中途半端に辞めた時の心残りってすごいんですよね。
『ZERO』には僕がずっと勝てなかった方も在籍していて、「ZEROでまたホストをしたい」と思って再スタートを切ることに決めたんです。
天使星那(あまつかせな):2023年8月に月間2,500万円を売ることができましたが、振り返ると山あり谷ありのホスト人生でしたね。
というのも、僕は遅咲きタイプ。100万円を売れるようになったのも、ホストを始めて2年くらい経ってからなんです。
『ZERO』に入店した時も、8ヶ月間は100万円どころか50万円も売れなかったんです。
そんな時に社長に発破をかけられたんですよ。「来月100万円を売れないなら……」って。クビ宣告ですね。
天使星那:当時の『ZERO』はオープンしたばかり。在籍しているプレイヤーは経験者より未経験者のほうが多かったんです。
そして、うちは未経験者でも売れるのがウリでした。現に未経験入店初月で100万円売っている子もいたんです。
熊本だと100万円を売るのって大変なんです。それが当たり前にできるお店って魅力的ですよね。
僕はいろいろ縁があって『ZERO』に入店しましたが、未経験者が売れている様子を見て純粋に「すごいな」って感じました。
対して僕は経験者なのに、蓋を開けたら50万円も売れていない。しかも今より20kgも太っていて、そりゃ売れませんよね。
そんな時に社長に来月100万円売るように発破を掛けられて、僕としては逆に気合いが入り、その月に150万円を売ることができました。
ダイエットも頑張りましたよ(笑)
天使星那:周りを頼ったことですね。
僕は他人に頼ることが苦手なタイプなんです。当時の従業員にも指名してくれる女の子にも、頼ったり、弱い部分を見せたりすることができなかったんです。
人に頼るのが苦手な人って、頼ることが最初はとてもストレスに感じるんです。でもその方法でやった結果がダメだったので、頼らざるを得ないですよね。
初めて上司や女の子に、素直に自分の現状を話しました。売れているようにみせているけど、実は今の俺はこんな状況なんだよねって。
周りに自分の素直な気持ちを伝えてから、社長も含め現場にいる人が助けてくれるようになりました。女の子も助けてくれて……。この時に初めて素直な気持ちを伝える大切さに気づかされました。
天使星那:そうですね。それこそ、僕は売れているように、かっこよく見せていましたが、見せかけではダメなんですよね。
それよりもどんなに泥臭くても本気で物事に向き合っていれば、人はかっこよく見えるんだって学びました。
あの時社長に発破をかけられたことが、ひとつの転機になりました。
そこから順調に売上を伸ばして知名度も伸びて2,500万円まで達成できました。
天使星那(あまつかせな):僕は2つあると思っていて、1つがアイディア力。
『ZERO』は新しいことにも積極的にチャレンジするホストクラブです。それは幹部の結束力とアイディア力、行動力があるから。グループ内でもトップだと思います。
働いている身としては、ワクワクするお店ですよ。今は次のイベントを考えているところですね。
僕らは第三者にどう思われるかまで考えているので、リスクを考慮したうえでチャレンジできます。そこは安心できるポイントなんじゃないかな。
天使星那:ええ。『ZERO』はコロナ禍でのオープンですが、それでもたくさんお客様がいらっしゃいました。
満卓になる日も多かったですし、お店の外に10名ほど列ができる日もありました。
なぜここまでできたかといえば、社長の斬新な企画力なんです。
今では当たり前のフリータイム(席の滞在時間が決まっていないシステム)も、おそらく最初に取り入れたのはうちの社長。
YouTubeも熊本のホストクラブの中ではかなり早くに手を出しました。初めてのものにもとことんチャレンジできたからこそ、コロナ禍でも戦えたってことを、今の立場になって気づきましたね。
それに社長は企画力・アイディア力もすごいけど、みんなの変化にも一早く気付いてくれるすごい方です。僕は社長とオーナーのおかげで今こうしてホストを続けられていると思います。
天使星那:教育に重点を置いているお店なので、未経験の子が売れやすい条件・環境が整っていますよ。
うちは未経験で入店して3ヶ月以内に100万円を売るホストが半数くらいいます。
各幹部で班を振り分けているので、各班員一人ひとりにフォーカスしてマンツーマン指導ができているんです。
今は3班あります。僕と支配人の如月唯翔(きさらぎゆいと)、それから店長の黒咲龍愛(くろさきりゅあ)が班の先頭に立っています。
幹部陣が未経験の子たちと接する時に意識しているのは、一番の理解者になること。表情を見て悩んでいるか否かが分かるように意識しています。
天使星那:実は支配人の唯翔も未経験から結果を出した1人。彼、現役の学生なんですよね。
唯翔はいろんな人にアドバイスを聞いて、実践することを意識していました。今の『ZERO』は本数特化型のホストと売上特化型のホストがいて、それぞれにアドバイスを求めにいっていましたね。
それに唯翔は努力家ですね。仕事終わりに店でレポートを書いて、そのまま学校に行っている日もありました。
そんな努力を積み重ねていった結果、半年で指名本数180本、今では210本まで伸びました。
売上も順調に伸ばして、支配人に昇格。僕自身も1年目は学生をしながらホストをしていたけど、唯翔の忙しさは当時の僕の比じゃない。すごいと思います。
天使星那(あまつかせな):その通りです!初回は熊本でもトップで多いと自負しています。
分店したり、看板ホストが移籍したりといったことはありましたが、それでも広告量は変えていません。僕の名前でも集客できますし、チャンスもたくさんあるホストクラブです。
そのチャンスをつかむためにいるのが幹部ホスト。キャストたちに挑戦してほしいことは、まず幹部で実践して、成功したらその経験も踏まえてアドバイスをします。
先に成功体験を見ているからチャレンジしやすいと思いますし、その分売れやすい。これはうちの店の武器ですね。
天使星那:そうなんです。
上だけが強いだけでは意味がないので、どれだけ全体を底上げができるかが大事だと思います。だから今の幹部の課題は、班のトップに立てるようなプレイヤーを育てることです。
実際、一時のような高低差は縮まってきています。
天使星那:実はこの高低差が縮んだきっかけは教育だけではありません。幹部から積極的にアプローチしたことも要因なんです。
アプローチを変えてからはお店の雰囲気もがらりと変わりました。
天使星那:相手を尊重しながら要望を言える子たちが増えてきたなと感じます。
お店が良い方向に変わってきたからこそ、僕自身も変われました。
最初から否定から入らず、まずはキャストの意見を受け入れる。「それはダメだよ」からではなく「たしかにそうだね」といったように。「こういう考え方もあるよね」って促すこともあります。
わかりやすく言うと、否定語を使わなくなりましたね。指導されたというよりもマインドを共有していくイメージです。
もちろん本当にダメなことはしっかり言いますが……。上のマインドが伝われば、下の子たちも変わるのかなって。でも無理に人を変える必要はないんですよね。
天使星那:そうですね。
うちのグループは幹部陣に昼職経験者が多いので、社会で生き抜く術も学べるかと思います。
例えば遅刻や当日欠勤。罰金を払ったから問題ないという思考ではなく、休んだことでその間を埋めてくれた人がいると意識できるように。やって損はない礼儀礼節を教え込むこともあります。
当たり前を大事にできる人間は将来的に強い人間になれると思います。
天使星那(あまつかせな):本当にそうだと思います。
熊本はこれからのエリアです。チャンスが溢れていると思います。それこそ、県外からのお客様も増えていますね。特にうちは県外からの新規がものすごく増えました。
それに東京のホストさんが熊本に飲みにいらっしゃることもありましたね。それくらいチャンスが溢れているから、未経験でもチャレンジしやすいと思います!
天使星那:今の僕は、環境を作るためにプレイヤーをやっている感覚です。
正直そう長くプレイヤー業に専念できると思っていないので、経営者になった時のアウトラインを、今どれだけ整えられるかが大事だと思います。
今はとにかく、『ZERO』のことを考えながら同時作業で自分のネームバリューを上げ、記録を作っているところです。そうすることでスタートラインの基準をあげたいなと。
ホスト業界もいずれインフレが起きると思うので、そこに備えて最初のきっかけになってあげたいなと思います。経営者になった時は、そういう立場でありたいですよね。
天使星那:ありがとうございました!